マンションを高く早く売るための査定方法6つのポイント

マンションは一千万円単位の商品なので、売主からすると少しでも高く売りたいです。わずか1%の違いで数十万円の違いになるので、上手な売却活動をしなければいけません。そんなマンションの売却価格で重要なのが、適切な査定方法を知ることです。

査定はマンション売却の初期段階ではありますが、適切な査定方法を知っているかどうかでマンションの売却価格が大きく変わります。今回は、そんなマンションの査定方法で知っておくべき6つのポイントを解説していきます。

査定を知ること

1つ目のポイントは、「査定」を知ることです。マンションを売るための第一歩である「査定」が、不動産業者によってどのように行われるかを理解しないと、不動産業者が提示する査定価格の精度をジャッジできません。だからこそ、マンションを高く早く売るためには「査定」を知ることが重要なのです。

査定とは?

査定とは、あくまで「恐らく売れるであろう価格」を算出することです。良く勘違いされがちなのは、査定価格=売却価格だと思いこむことです。もちろん、査定価格で売れることもありますし、査定価格以上で売れることもあります。

しかし、逆に査定価格以下での成約になることもあるので、査定の意味は必ず理解しておきましょう。特に、競合物件が多かったり、市況が多かったりと、外部環境が悪いときは査定価格以下の成約になりやすいです。

業者が査定する方法

さて、実際に業者が査定するときは、主に「周辺事例比較法」を活用します。周辺事例比較法とは、周辺の成約事例を基に業者が査定する方法です。たとえば、練馬区練馬駅が最寄りの、徒歩7分・70㎡・3LDK・築13年のマンション売却を検討していたとします。

その際は、まず直近半年~1年以内で、以下のような条件に合致する成約事例を探します。

  • 練馬駅徒歩10分以内の物件
  • ㎡数50㎡以上部屋
  • 築20年以内のマンション

上記に該当する物件数が少なければ条件を緩くしていき、逆に多すぎれば「向き」や「階数」などの詳細情報で絞っていきます。このように、条件の近いマンションを絞り、そのマンションが実際にいくらで成約したか、そして実際の部屋の劣化具合や室内環境を加味して算出するのが「査定」です。

査定の種類を知る

2つ目のポイントは、査定には机上査定と訪問査定の2種類の査定方法があるので、その違いを知ることです。査定は、机上査定も訪問査定も無料で行ってくれます。

机上査定とは?

机上査定とは、実際にマンションは見学せず、上述した成約事例比較法を利用して机上で査定価格を算出する方法です。机上査定のポイントで知っておくべきポイントは以下です。

  • 実際に行うことは?
  • 時間はどのくらい?
  • 査定前は何か用意する?

上記の概要を頭に入れてから、机上査定に臨むようにしましょう。

実際に行うことは?

机上査定は、査定依頼した不動産業者が、上述した成約事例比較法を独自に行います。ただ、ピックアップする物件にも違いは出ますし、何よりも見解に違いが出ます。つまり、不動産業者によって「この物件なら○○万円で売れる!」という考えが異なるので、査定金額は業者によって変わることが多いのです。

時間はどのくらい?

机上査定を依頼して、不動産業者から結果が返ってくるのは、大体1~2営業日です。机上査定は業者でほぼ機械的に行われる作業なので、業者としても多くの時間はとられません。

査定前は何か用意する?

机上査定時は特に用意するものはありません。査定時に記入する築年数や広さなども、大体の数字で問題ありません。とはいえ、たとえば50㎡なのに60㎡と書いてしまえば査定価格は大きくブレるので、築年数や広さなどの数字は確認してから依頼した方が良いでしょう。

訪問査定とは?

次に、訪問査定とは机上査定が終わった後に、実査に室内を見学して査定することです。訪問査定をすることで、机上査定で算出した査定価格を精査するので、査定方法としては訪問査定が正確な査定を算出する方法となります。

そんな訪問査定については、以下の点を理解しておきましょう。

  • 訪問査定の所要時間
  • 訪問査定のアポ取り
  • 訪問査定で媒介契約は結ばない
  • 訪問査定前にすること

訪問査定と机上査定は根本的に異なるので、まずはその点を理解しておきましょう。

訪問査定の所要時間

訪問査定は、大体数十分から長くても1時間くらいです。室内のチェックは数分で終わり、後は共用部(エントランスや外部廊下)のチェックをして、机上査定を改めて説明するという流れが一般的です。

そして、訪問査定を加味して、その場で査定結果を伝える業者が多いです。ただし、あまりに机上査定よりかけ離れた金額になる場合などは、一度社に持ち帰ってから提示するというケースも稀にあります。

訪問査定のアポ取り

詳細は後述しますが、査定方法の鉄則として「複数社に査定する」という点があります。複数社に査定した中から3社ほど選び訪問査定のアポ取りをした方が良いでしょう。というのも、業者が多すぎると混乱してしまうので、ある程度机上査定で業者を絞った方が良いのです。

また、訪問査定は土日に行うことがほとんどですが、1日にまとめてアポ取りしてしまいましょう。その方が比較しやすいですし、何よりも売主が楽だからです。

訪問査定で媒介契約は結ばない

訪問査定は、査定方法として最終段階です。そのため、その場で次のステップである媒介契約を結ぼうとする業者も多いです。媒介契約は「あなたの会社にわたしのマンションの売却を依頼します」という重要な契約なので、訪問査定時に締結するのは避けましょう。

きちんと各業者の訪問査定結果を聞き、その根拠を見極めてから選別するようにしないと、ハズレ業者と媒介契約を結んでしまうかもしれません。

訪問査定前にすること

訪問査定前には、できれば以下をしておきましょう。

  • 清掃
  • 資料の用意

簡単で良いので、室内や水回りの清掃をしておきましょう。あまりに汚くなければ査定価格に影響はありませんが、きれいに越したことはありません。また、管理規約集や重要事項説明書などを用意しておくと、業者から質問があったおきもスムーズです。

査定方法を知る

3つ目のポイントは、査定方法を知るということです。査定には、大きく分けて「直接依頼する方法」と、「一括査定で依頼する方法」があります。結論からいうと、一括査定がベストな査定方法ですが、それぞれのメリット・デメリットを知った上で査定しましょう。

直接依頼する

直接査定とは、店舗に直接行くか、電話などで依頼するという査定方法です。時間も手間もかかるのであまりおすすめはしませんが、勉強のために1回くらい直接依頼するのは無駄ではありません。

直接依頼のメリット

直接依頼するメリットは以下です。

  • 勉強になる
  • ネットは利用しない

特に、店舗に直接言って行う査定方法は、営業マンが親身になって説明してくれるので勉強になります。その場で、周辺の成約事例や現在の売り出し物件などを見せてくれるので、査定のプロセスを見る上では勉強になるでしょう。

また、直接依頼するということはネットは利用しないです。そのため、高齢者の方など、ネット利用が苦手な人にはメリットがある査定方法だと言えます。

直接依頼のデメリット

直接行う査定方法のデメリットは、何よりも時間と手間がかかるという点です。特に、店舗に行くと小一時間は拘束されます。また、時間をかけて話していくと、ほかの不動産業者と話す前に「この不動産業者で良いか・・・」となりやすいので、1社だけで決めてしまう可能性がある点もデメリットです。

一括査定する

さて、次に一括査定という査定方法について解説します。そもそも一括査定とは、ネット上で物件情報などを入力するだけで5~6社ほどに査定を依頼できるという査定方法です。最近では、最も一般的な査定方法と言えます。

一括査定のメリット

一括査定のメリットは、何といっても時間と手間がかからない点です。ネットからの入力作業は数分なので、たった数分で5~6社に査定依頼できます。また、住所などを入力することで勝手に業者が絞れるので、自分の物件の売却をしてくれる業者が自動的に選別されるのです。

不動産業者によっては、「このエリアは管轄外」や「この築年数は取り扱っていない」ということがあります。そのため、わざわざ足を運んでと直接依頼したものの「うちでは取り扱いできません」というパターンもあり、一括査定ならそれも防ぐことができます。

一括査定のデメリット

一括査定のデメリットは、一括査定サイトに参画していない業者には査定依頼できないという点です。そのため、一括査定サイトをベースに利用しながら、最寄のエリアで不動産業者を探すという方法が良いでしょう。

たとば、練馬駅付近のマンションを売るときは、「練馬 マンション 売却」などと検索してみます。そこで、一括査定サイトで依頼できなかった業者があれば、個別に依頼するか検討するというイメージです。

相場を知る

4つ目のポイントは相場価格を知ることです。相場価格を知ることで、不動産業者が提示する査定価格の精度が分かります。査定価格の精度は不動産業者選びにも関わるので、この点は査定方法のポイントとしては大きな点と言えます。

REINS Market Informationで調べる

まず、REINS Market Information※で相場を調べる方法です。そもそも、相場とは上述した成約事例比較法で算出する金額なので、「周辺の成約事例」を調べるということです。

REINS Market Informationとは?

REINS Market Informationとは「REINS」という、不動産業者の不動産売買情報を管理している機構が運営しているサイトです。REINS Market InformationはREINSの情報とほぼ連動しているので、不動産業者が成約事例比較法で参考にする物件とほぼ同じ物件をチェックできるのです。

REINS Market Informationの操作方法

REINS Market Informationの操作方法は以下です。

  • REINS Market Informationにアクセス
  • 物件種類を「マンション」に選択
  • 都道府県と地域を選択

上記の流れで物件が出てきますが、REINS Market Informationの場合は「都心5区」など範囲が広いので、その後エクセルなどに落としてフィルタをかける必要があります。

土地総合情報システムで調べる

もう1つの方法としては、土地総合情報システム※で以下のように検索するという方法です。

  • 時期を選ぶ
  • 不動産種類を選ぶ
  • 地図上から場所を選ぶ

上記の流れで、自分の調べたいエリアの物件情報が出てきます。土地総合情報システムの情報源は「国土交通省が行う成約者へのアンケート」になります。

土地総合情報システム

どちらを利用すべき?

結論からいうと、面倒でなければREINS Market Informationが良いです。なぜなら、REINS Market Informationは不動産業者が参考にする物件と同じであり、土地総合情報システムはあくまでアンケートベースの情報だからです。

とはいえ、エクセルに落として、フィルターをかけて・・・と手間がかかるのは事実なので、時間をかけたくなければ土地総合情報システムでも良いです。あくまでザックリと相場価格を調べれば良いので、「できればREINS Market Informationが良い」くらいに認識しておきましょう。

競合を知る

5つ目のポイントは競合を知るということです。そもそも競合とは、現在売られている物件の中で、自分の物件と条件が近い物件のことです。

査定方法のポイントの中で、「競合を知る」という点は今まで解説したポイントと少々毛色が違います。というのも、査定価格は「恐らく売れる価格である」のに対して、競合を知ることで得られる「売り出し価格」は査定価格とは根本的に違うからです。

売り出し価格とは?

売り出し価格とは、実際に広告に掲載する価格のことです。購入検討者はその金額を見て、「興味がある」と思えば見学に来ますし、「高い」と思えば見学にも来ないので、集客において非常に重要な価格になるのです。

売り出し価格の調べ方

売り出し価格の調べ方は、SUUMOなどの不動産ポータルサイトで、自分のマンションの近くのエリアを検索することです。そうすれば、現在売り出されているマンションが出てくるので、「成約価格」ではなく「売り出し価格」を調べることできます。

売り出し価格はどうやって決める?

そんな集客に重要な売り出し価格ですが、一般的には査定価格より少し高めに設定します。査定価格は「恐らく売れる価格」なので、少し高めに設定しても売れる可能性はあるからです。ただ、そのときには競合の売り出し価格を知っておかないと、競合と比べて「高すぎる」と思われれば集客できません。

つまり、適正な売り出し価格は集客を左右するということです。その適正な売り出し価格を設定するため、査定方法のポイントとしては、査定前に売り出し価格を自ら調べておくことが重要になるということです。

不動産業者を見極める

最後のポイントは、不動産業者を見極めるということです。マンションを高く早く売るためには、優良な不動産業者に売却を依頼するという点が最も重要と言っても過言ではありません。優良な不動産業者を見極めるために、上述した「査定方法5つのポイント」があるのです。

また、基本的に机上査定は5~6社、訪問査定は3社ほど行いましょう。そのくらいの業者から査定結果を聞かないと、優良な不動産業者の見極めはできないからです。

査定価格の根拠に注目

不動産業者を見極める方法は、その不動産業者が提示する査定価格の根拠に注目することです。しかし、その査定「金額」に注目してはいけません。あくまで、その査定金額に至った「根拠」に注目しましょう。上述したように、査定価格は不動産業者によって異なります。

言い換えると、不動産業者は独自に査定価格を自由に提示することができるということです。そのため、大した根拠もなく、「媒介契約を締結したい」という理由だけで、根拠の薄い査定価格を提示する不動産業者もいるのです。

査定価格の根拠を見極める方法

さて、そんな査定価格の根拠を見極める方法は、以下2点が重要になります。

  • 直近の取引事例
  • 競合を加味しているか

上記2点がない査定価格は営業マンの感覚値に過ぎず、査定価格の根拠としては非常に薄いです。

直近の取引事例

直近の取引事例は、査定価格の基本である「取引事例比較法」では必ず利用します。しかし、不動産業者によっては、1年以上前の過去の事例ばかりをピックアップし、不動産業者の都合の良いような事例しか集めない業者もいるのです。

そのため、REINS Market Informationや不動産総合情報システムなどで集めた成約事例と見比べて、本当に直近の取引事例をピックアップしているか確認しましょう。

競合を加味しているか

優良な不動産業者は、査定結果の中に「競合物件」を必ず加味します。というのも、査定価格を提示したい後には、売り出し価格も必ず提示するからです。また、競合物件が多いかどうかは物件の売れ行きに直結することなので、競合を加味しないと精度の高い査定価格を提示できないのです。

そのため、査定価格を提示するときは、直近の成約事例の資料と一緒に、現在の売り出し事例の資料も用意しているかに注目しておきましょう。これも事前に競合を調べておくことで分かります。

こんな不動産業者には注意

さて、上述した点を踏まえて、以下のような不動産業者には注意しましょう。

  • 査定価格が高すぎる
  • 営業マンが信用できない

査定価格が高すぎる

まず、査定価格が高すぎる不動産業者は信用できません。先ほど「査定方法のポイント」に挙げた成約事例を調べておけば、査定価格が高すぎる不動産業者はピンとくるはずです。そのような業者は、とりあえず査定価格を高くして媒介契約を取得し、その後売り出し価格をどんどん下げていくパターンが多いです。

そうなると、結局提示した査定価格より低く成約することが多くなってしまいます。さらに、最初に高く売り出した影響で、結局売却期間が長引いてしまうことも多くなるのです。

営業マンが信用できない

査定価格は信頼できても、営業マンが信用できない不動産業者も注意です。訪問査定に来る営業マンは、そのまま売却担当の営業マンになることが多いので、査定時の対応がそのまま売却時の対応になります。そのため、営業マンの迅速さ・丁寧さ・正確さは査定時の対応で分かるのです。

その対応が悪ければ、売却活動のときにリレーションが取りにくい営業マンということです。さらに、購入検討者にも同じ対応をするので、その点も支障が出ると言えます。

まとめ

このように、マンション売却の初期段階である「査定方法」は、優良な不動産業者の選定につながっていく重要なことになります。そのため、適切な査定方法を知ることが優良な不動産業者選定につながり、それが結果的にマンション高く・早く売ることにつながっていくというわけです。