道路に面していない土地(無道路地)も売却できる!高く売る方法、買取業者の選び方は?

道路に面していない土地も売却できる!高く売る方法、買い取り業者の選び方は?

道路に面していない土地を持っている人は、下のような悩みや疑問を持つことも多いでしょう。

「道路に面していなくても売れるのか」
「どうやって売れば高値で売れるのか」

これについて結論を書くと、下のようになります。

この記事では、これらのポイントも含めて「道路に面していない土地の売却」について解説していきます。こうした土地の売却を検討している方に、参考にしていただけたら幸いです。

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無道路地(道路に面してない土地)に立っている物件(家)のことを再建築不可物件といいます

古い家

再建築不可物件とは何か、ポイントをまとめると下記のようになります。

  1. 家を新築できない物件のこと
  2. 主に「道路に2m以上接していない土地」の物件
  3. 建て増し・建て替えはできないがフルリフォームは可能

以下、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

再建築不可の買取業者・おすすめ15選!高値で物件を売れる不動産会社の選び方は?

2018.09.20

家を新築できない物件のこと

再建築不可物件を一言でいうと「家を新築できない物件」のことです。ほとんどの場合「今古い家がある状態」ですが、それを壊して新しい家を建てることができません。

逆に、今ある家にそのまま住み続けることはできます。再建築不可物件の家は法律が変わる前に建てられたものなので、その建物のままだったら住んでも問題ないのです。

主に「道路に2m以上接していない土地」の物件

どのような物件が再建築不可になるのかというと、主に「道路に2m以上接していない土地」です。この道路とは公道を指します。私道では2m以上接していても認められません。

道路に2m以上接するという条件が必要なのは、人や車、物資の通行を円滑にするためです。

売野くん
でも、人が通れれば生きていけるんだから1mでもいいのでは?
不動先生
確かにそうです。そのため、再建築不可物件をフルリフォームしてあと50年くらい生活しても問題ありません。
売野くん
じゃあ、このルールは何であるんでしょう?
不動先生
わかりやすくいうと「都市計画をきっちりしたい」ということでしょう。あまり変な場所に飛び地のような宅地があると困る、ということだと思います。

基本的には古くからの土地建物でない限りこのような構造はなく、普通の宅地・建物はほとんど道路に2m以上接しているものです。

建て増し・建て替えはできないがフルリフォームは可能

再建築不可物件では、建て増し・建替えはできません。しかし、屋根と柱を残してのフルリフォームは可能です。このようなリフォームは「スケルトンリフォーム」と呼ばれます。

再建築不可物件では「増改築不可」とされていますが、スケルトンリフォームはこの「改築」には当たりません。法的に届け出が必要な工事ではないからです。

逆にわずかでも建て増しをする「増築」や、屋根や柱の構造を変える「改築」は、法的な申請が必要なので不可となります。

売野くん
たとえば倉庫や離れとしてプレハブを使うのはどうですか?
不動先生
倉庫ならほとんどOKですが、離れになると「1年以内に撤去しないと厳密には違法」となることが多いようです。これもサイズや使い方など状況によります。

無道路地(道路に面してない土地)またその土地に立っている家をを売却するときのポイント

土地の航空写真

道路に面していない土地を売るときのポイントは、主に下のようなものがあります。

  1. 隣地の所有者に売る
  2. 訳あり物件に強い不動産屋に売る
  3. 物件情報サイトで無道路地の相場を調べる
  4. 不動産一括査定サイトを使い、大体の相場を調べる

以下、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

隣地の所有者に売る

道路に面していない土地のパターンにもよりますが、その土地に一番価値を感じてくれるのは隣地の所有者です。そもそも、わかりやすくいうと「隣地が邪魔で道路に面していない」わけですから、他の購入者が買うにしても、やはり隣地が問題になるのです。

隣地の所有者としても、自分の土地が広がれば現時点で持っている土地の価値も上がります。土地は基本的に一つの塊であればあるほど有利だからです。

売野くん
でも、隣地の住人がこちらの足元を見てくるということはないですか?
不動先生
それは大いにあり得ます。ただ、普通の買主や買取業者に売るときでも、やはりそれは同じです。

隣地のオーナーが必ずしもいい買い手になってくれるとは限りませんが、交渉する価値はあるでしょう。

訳あり物件に強い不動産屋に売る

不動産会社はそれぞれ得意分野を持っていますが、道路に面していない土地も含めて「ワケあり物件に強い」という会社も存在します。このような会社であれば、通常の不動産業者よりは高値で買取りしてくれる可能性があるでしょう。

もちろん、業者での直接買い取りでなく仲介による売却を選んだ場合でも、通常より高額で売れるノウハウを持っている可能性があります。

物件情報サイトで無道路地の相場を調べる

不動産の物件情報サイトの中には、無道路地(道路に面していない土地)の情報もわずかですがあります。そのような土地の販売価格を見て、大体の価格相場を掴むことも重要です。

不動産一括査定サイトを使い、大体の相場を調べる

これは不動産を売りたいときの定番の方法ですが、一括査定サイトを使っておおよその相場を最初に調べることも役立ちます。情報の入力は1分程度で終わりますし、一括査定を利用したら必ずどこかと契約しなければいけない、ということもありません。

連絡も電話については「出なくてもいい」という査定サイトは多くあります。その場合はメールのやり取りだけでいいので、時間を奪われることもありません。

無道路地のような特殊な物件は、現地を実際に査定し、あらゆる条件を考慮しなければ正確な査定額が出せないものです。そのため、一括査定で提示される査定価格はあくまで参考程度のものとなります。

しかし、たとえ参考程度の値段であっても、まったく情報がないよりは確実に一歩前進できるでしょう。一括査定サイトについては下の記事でも詳しく解説しているので、興味があれば参考にしてみてください。

エリア別・再建築不可物件の売却価格の実例

古い家屋

再建築不可物件の売却価格に相場はありません。しかし、エリアごとにどのような販売価格の物件が出回っているかを見ることはできます。

ここでは、2018年9月中旬時点で日本の各地で出回っている、中古一戸建ての再建築不可物件の価格例を示します。これらはあくまで例であり、エリアごとの相場ではない、という点に注意してください。

エリア 販売価格
東京都新宿区 2350万円
東京都江戸川区 700万円
東京都足立区 1050万円
千葉県松戸市 730万円
京都府京都市中京区 2800万円
兵庫県神戸市灘区 1150万円
愛媛県新居浜市 2500万円
福岡県北九州市若松区 280万円
福岡県小倉市北区 990万円

再建築不可物件でも、立地や建物の条件によってはかなり高い値段がつくというのがわかるでしょう。特に京都の古い町並みが保存されている地域などは「土地柄、再建築不可が当たり前」です。

そして「むしろ京都らしい古い建物の方がいい」という買手が多いため、高い価格で売買される例が目立っています。

空き家の無道路地(道路に面してない土地)の家は売却できる?

空家

すでに空き家になっている再建築不可物件を売却できるか、と悩んでいる人もいるでしょう。この点については、普通の再建築不可物件と同様に売り出すこと自体はできます。

ただ、空き家になっていた期間が長いほど建物の状態が悪くなっている可能性が高く、価値は低くなるといえます。駅やバス停に近い、主要路線の沿線、徒歩で行ける距離に重要な施設や店舗があるなどの好条件が揃っていれば、空き家でも売れる可能性はあるでしょう。

空き家になっているような再建築不可物件は、かなりの確率で買主がフルリフォームをするはずです。そのため、屋根や柱など主要な部分だけでもしっかりしているかどうかが、特に重要なポイントとなります。

道路に面していない土地の売却で理解しておくべき用語

書類

道路に面していない土地を売却するときには、下のような用語の理解が必要になるケースもあります。

  1. セットバック
  2. 整形地・不整形地
  3. 市街化調整区域
  4. 私道負担面積
  5. 奥行価格補正率
  6. 間口狭小補正率
  7. 特定路線価

以下、それぞれの用語について解説していきます。

セットバック

セットバック
セットバックは、辞書では下のように定義されています。

建築物の外壁を敷地境界線から後退させて建てること。また、建築物の上部を段状に後退させること。
コトバンク「セットバック」

2つの意味があるわけですが、土地に関するものは前者です。ほとんどの場合、こちらの意味で使われます。

セットバックの具体的な条件

具体的な数値を出すと、セットバックは下のようなものになります。

  • 接する道路幅が「4m未満」のときに適用
  • 道路との境目からの距離は「2m」確保する

この「道路から2m」の部分が「セットバック部分」と呼ばれます。

この数字はなぜ設定されているのか

この数値が設定されている理由は、それぞれ下の通りです。

  • 4m未満…道幅が4m以上なければ緊急車両などが通れないため
  • 2m…公道で道幅2m未満のものはないため
売野くん
私道だったら、道幅が2m未満のものもありますよね?
不動先生
はい。でも、それは無視していいのです。

無視していい理由は「私道を緊急車両などが通ることはない」ためです。そこまで入り込んだ方が消火などがしやすいこともあるでしょう。しかし、それは「国が強制することではない」ためです。

国が強制していいのは、あくまで「みんなのため」の緊急車両などが通る幅を用意することです。そのため、公道だけがセットバックに関係します。そして、公道は全部2mはあるので、上の「2m」という数字が出ているわけです。

整形地・不整形地

整形地とは、正方形や長方形のように綺麗に形が整った土地です。それ以外の土地はすべて不整形地です。不整形地の例は下のようなものがあります。

  • 三角形
  • L字型
  • その他の変則的な形

整形地は行政も土地の評価額を簡単に出せます。しかし、不整形地については難しくなります。

たとえば「長方形と正方形を組み合わせたL字型」だったら、「2つの整形地の合体」と考えて、それぞれの評価額を合計するのが一般的です(実際にはもう少し複雑ですが、わかりやすくいうと)。

一方、そのように綺麗に図形を切り分けられない土地もあるでしょう。「どう分割してもやっぱり不整形地」という土地です。その場合は独自の算出法を用います。

これが「不整形地補正率」というものです。どんな土地でどんな補正率が適用されるかは、不整形地補正率表という表を国税庁が定めており、それによって計算します。

「変形地」とは

変形地とは不整形地のことです。「変形敷地」と呼ばれることもあります。名前の付いている変形地の例は下のようなものです。

  • 傾斜地
  • がけ地
  • 旗竿敷地

他にも俗称として細長い土地を「うなぎの寝床」などと呼ぶこともあります。旗竿敷地は、細長い土地の多くに広い土地があって、旗と旗竿のような形になっている敷地のことです。

市街化調整区域

市街化調整区域とは「開発を抑制する地域」です。この逆で開発を促進する地域が「市街化区域」となります。

開発を抑制するわけなので、建築物を新たに建てることは基本的にできません。少なくとも個人の自宅などはほぼ不可能です。

このため、道路に面していたとしても、市街化調整区域の場合は少々売却価格が下がる傾向があります。詳しくは下の記事でまとめるので、興味がある方は参考になさってみてください。

市街化調整区域でも不動産は売買できる!土地を売れる4つの条件と2つの建築制限

2018.09.20

私道負担面積

まず私道負担とは何かというと「セットバック部分を提供すること』です。セットバックについては、先に説明した通りです。

そして、私道負担面積とは「セットバック部分として提供している面積」です。その部分は緊急車両が通れるようになっているので、見た目は道でなくても「私道」です。

私道負担面積については、完全なその人の土地とはいえません。そのため、固定資産税などの税金はかからない、あるいは優遇されるようになっています。

税制の優遇については自治体やその私道負担部分の使い方などによってもルールが異なりますが、概ね非課税です。ただ、税金負担はないのもの、土地の使い道としては不自由になります。

そのため、不動産を売却するときに私道負担面積がある場合は、瑕疵物件などと同じように告知する義務があります。

奥行価格補正率表

奥行価格補正率表とは、「道路からの奥行きに合わせて土地の価値を決めるための表」です。箇条書きで説明すると下のようになります。

  • 1面だけが道路に接している土地に適用される
  • この場合、奥行きが浅過ぎたり、深過ぎたりすると不便になる
  • そのため、浅すぎる&深すぎる場合については、それぞれ資産価値が減額される
  • これによって税金が安くなる

つまり、浅すぎる土地や深すぎる土地を持っている人にとっては有利な税制です。

間口狭小補正率

間口狭小補正率
間口とは「道路に接している部分」です。これが狭いほど不便になるので、土地の資産価値が下がります。

その下落分を固定資産税評価額に反映させるのが「間口狭小補正」です。その時のパーセンテージが「間口狭小補正率」です。

実は、間口狭小補正率はほとんど「意味がない」といってもいいものです。間口距離(道路に接する部分の幅)が6mまでは適用されません。

4m以上6m未満でようやく「97%」になり、4m未満で「90%」となります。実際の不動産売買では、これだけ間口が狭くなると97%や90%の下落では済みません。

そのため、不動産鑑定士や税理士などの専門家の間でも、この補正率には批判があります。ただ、現状はこのようなルールになっており、受け入れるしかない状態です。

特定路線価

特定路線価とは「路線価が設定されていない道路に接している土地に、新たにつける路線価」です。国税庁の公式ページでは下のように説明されています。

相続税又は贈与税の申告に際し、路線価の設定されていない道路のみに接している宅地の価額を評価するために路線価(特定路線価)の設定を求める手続きです。
特定路線価設定申出書(国税庁)

通常、どの道路でも路線価が決められています。その路線価から相続税や贈与税、固定資産税などの各種の税金を決めるわけです。

しかし、中には路線価が決まっていない道路もあります。そのような道路に面した土地・住宅の場合、贈与税&相続税評価額を決めることができません。

そのため「路線価を決めてください」と申請するわけです。この申請によって決まる路線価を「特定路線価」といいます。

売野くん
でも、路線価が決まるならもう「特定」じゃなくて「普通」の路線価になるんじゃないですか?
不動先生
実際はその通りです。一応、急いで決める路線価なので今後変わる可能性がある、という意味だと考えていいでしょう。

特定路線価設定の申し出が必要かどうかは、状況によって異なるため、宅地・更地・住宅など種類を問わず、不動産の相続や贈与が発生したら専門家に相談・質問するようにしましょう。

セットバック物件は再建築不可物件に含まれる?

狭い路地

再建築不可物件とよく似た物件で「セットバック物件」があります。これが再建築不可物件に含まれるのか、売却検討時に気になることは多いでしょう。

これについてポイントをまとめると下のようになります。

  1. セットバック物件は再建築不可物件には含まれない
  2. セットバックとは「将来道路を広げる」こと
  3. セットバック物件が接する道路は「みなし道路」である
  4. 将来「敷地の一部を市区町村に提供」する必要がある

以下、セットバック物件とは何かという点も含めて、これらのポイントを解説していきます。

セットバック物件は再建築不可物件には含まれない

結論をいうと、セットバック物件は再建築不可物件にはなりません。「セットバック工事さえすれば、再建築できる」ためです。

セットバックとは「将来道路を広げる」こと

セットバックは不動産の意味で説明すると「将来道路を広げること」です。英語では妨げ・停滞・頓挫などの意味があります。

何が妨げや停滞になっているのかというと「道路が狭い」ということです。セットバック物件が接している道路は、新しい法律での道路の基準を満たしていないのです。

新しい法律での道路の基準とは?

これは「道路幅4m以上」というものです。逆に「道路幅4m未満」という道路は不適格となります。

新しい法律といっても、それほど新しくありません。昭和25年に制定されたものなので、西暦でいうと1950年です。このときに「道路の幅は4mにすること」と決められましたが、当然それまでは「4m未満の道路」があちこちにありました。

これを全部否定すると混乱が予想されたので「とりあえず許可する」ことにしたのです。とりあえず許可された4m未満の道路は「みなし道路」と呼ばれました。

別名では「2項道路」「42条2項道路」と呼ばれることもあります。これは「ひとまず許可する」という内容の分源が、建築基準法の42条2項に書かれているためです。

セットバック物件が接する道路は「みなし道路」である

セットバック物件が接している道路(接道)は、上の「みなし道路」なのです。1950年から国土交通省令で「いつか工事して道幅を広げなさい」といわれている物件です。

売野くん
もう70年近く経つのに、まだ工事していない道路があるんですか?
不動先生
はい。まだ少数ながらあるのです。

そもそもセットバック物件は、誤解を恐れずにわかりやすくいうと「再建築不可物件よりマシ」な物件です。再建築不可物件は2m以上という接道義務(接道要件)を満たしていませんが、セットバック物件は接道義務自体は満たしているためです。

「接道しているものの、その道路の幅員が狭い」ということで問題があるわけです。工事さえすればこの問題は解決されるので「再建築不可物件よりはマシ」といえます。

そして、再建築不可物件がまだ全国に多数ある現場を見れば、「70年経っても道路工事がされていないセットバック物件があっても、まったくおかしくない」のです。

将来「敷地の一部を市区町村に提供」する必要がある

セットバック物件が接する狭い道路はいつかは拡大工事をしなければならない道路です。そのために必要な面積を、更地にして市区町村や都道府県などの自治体に提供する必要があります。

その部分が庭などの「ただの敷地」だったら、提供もしやすいでしょう。このような物件はすでにセットバック工事が終わっていることが多いものです。

問題は「セットバック部分に家が建っている」というパターンで、これでは工事を担当する特定行政庁も「どいてください」とはいえません。また、売却する時も不利になります。

買主からしたら「将来的に建物を壊してその土地を提供しなければいけない」ということだからです。もちろん、その分の立ち退き料は行政からもらえるわけですが、やはり「面倒」と感じる人が多いでしょう。

このような問題点があるため、セットバック物件はやや売却がしづらいものです。しかし、再建築不可物件と違って建物の新築や増改築は自由にできるため、その点では有利といえます。

まとめ

以上、道路に面していない土地の売却について、売り方のポイントなどをまとめてきました。最後に要点を整理すると、下のようになります。

  • 道路に面していない土地でも売却はできる
  • 最も高く買い取ってくれる可能性があるのは、隣地の所有者
  • 不動産業者に相談する場合は、訳あり物件に強い業者を選ぶ

特に2つ目と3つ目のポイントを意識しながら、道路に面していない土地の売却を成功させていただけたらと思います。