親御さんが亡くなったときや、住み替えをされたときなどには、しばしば実家の売却が必要になります。このとき、以下のような点が気になる方は多いでしょう。
この記事では上記の3つの疑問を中心として、実家の売却で知っておくと役立つ内容をまとめていきます。これから実家を売却しようと考えている方には、きっと参考にしていただけるでしょう。

Contents
実家の売却・要点のまとめ
まず、要点をまとめると下のようになります。
税金はかかる? | 大抵かからない |
---|---|
確定申告は要る? | 大抵いらない |
かかる費用は? | 相続時の登録免許税(数万円~10万円ほど) |
どの業者がおすすめ? | クランピーリアルエステート(全国対応) |
一括査定なら? | イエウール |
後悔で多いのは? | 業者選びの失敗 |
以下、それぞれの内容を詳しく解説していきます。
実家の売却でかかる5つの税金(大抵かからない)
実家の売却で「税金がかかるとしたら」下記の5つです。
しかし、ほとんどのケースではこれらはかかりません。また、かかるとしたら下の2つが高額になることがあります。
- 相続税
- 譲渡所得税
ただ、これらがかかるのも高額になるのも「莫大な遺産があった場合」のみです。一般的な家庭では「あまりない」といえます。
そして、下の3つについては「かからない」か「かかっても少額」です。
- 登録免許税
- 印紙税
- 消費税
ここからは「なぜそう言えるのか」を解説していきます。下の2つの段落に分けて説明します。
5つの税金の概要
まず、5種類の税金の概要を一覧にします。
相続税 | 相続した財産にかかる |
譲渡所得税 | 家を売って利益が出たら払う |
登録免許税 | 不動産の名義変更(登記簿の書き換え)でかかる |
印紙税 | 契約書に貼り付ける収入印紙の代金(印紙代) |
消費税 | 事業者が払う |
税金がかからないか、かかっても少額である理由
税金ごとにまとめると、下記の通りです。
税目 | かからないか少額である理由 |
---|---|
相続税 | 遺産が「3000万円+600万円×人数分」を超えた分のみかかる |
譲渡所得税 | 家が「買った時より値上がりした分」だけかかる |
登録免許税 | 買主(相手側)が払うのが一般的 |
印紙税 | かかっても5000円~1万円 |
消費税 | 実家が賃貸経営をしていた場合のみかかる |
相続税…遺産が「3000万円+600万円×人数分」を超えた分のみかかる
実家を引き継いでも、相続税がかかることはあまりありません。理由は下の通りです。
- 一定の金額までは、相続税がかからない
- 「3000万円+600万円×法定相続人の人数分」まではかからない
- たとえば相続人が3人なら「4800万円」まで非課税
つまり、大体5000万円くらいの遺産がある家族でなければ、相続税自体が発生しないのです。
発生しても少額である
しかも、仮に5000万円の遺産があっても、相続税は少額になります。理由は以下のとおりです(上の例の場合)。
しかも、この場合は「3人家族」なので、1人当たりは「7万円」です(5000万円の遺産を3等分したとしたら)。


このレベルの遺産がある家庭は、生前贈与などの対策をしている
さらに、このレベルの遺産(最低でも3600万円以上)があるような家庭であれば、大抵何かしらの相続税対策をとるものです。これだけの資産を貯められる時点でマネーのリテラシーが相当高いはずなので、何も対策をとらないということは考えられません。
このような理由からも相続税は「相当な富裕層でなければかからない」のです(不動産に限らず、現金などのすべての資産の相続に関して、そう言えます)。
譲渡所得税…家が「買った時より値上がりした分」だけかかる
譲渡所得税は「要は所得税」です。
普通の所得税 | お給料や、事業収入にかかる(継続的なもの) |
---|---|
譲渡所得税 | 不動産などの譲渡(売却)でかかる(臨時のもの) |


「売ったときより値上がり」しなければかからない
一般的に、実家を売って譲渡所得税がかかることは稀です。理由は下記の通りです。


そもそも、値上がりすることがあるのか?
これは主に「バブルのとき」です。80年代のバブル期はもちろん、最近では東京のタワマンが「買って数年で売ると値上がりする」(利益が出る)という状態になっていました。
「土地を含んで売る」ことで利益が出ないか?
これも原則出ません。理由は、その「土地を買ったときの費用」もコストに含まれるからです。土地が値上がりしたなら別ですが、値上がりしてないなら、
- 土地…そのまま(利益ゼロ)
- 建物…値下がり(赤字)
ということで、トータルでは赤字となります。
土地を「親からもらった」場合は?
これは、確かに課税される恐れがあります。
- 土地の取得コストがゼロである
- 売れば必ず、土地分の利益が出る
ということだからです。





ほとんどの人には関係がない。遺産が最低3600万円以上、一般的には5000万円以上から、ようやく少しかかるレベル。
登録免許税…買主(相手側)が払うのが一般的
登録免許税は「登記簿を書き換えるための費用」です。国(法務局)に対して支払います。
これは一般的に「買い主」が支払います。つまり、売り主のあなたが払う必要はありません。
それがわかる記述
埼玉県の不動産会社・アクティバルさんが、下の記事で書かれています。
【参考】不動産売買での登記費用は誰が払う!?(株式会社アクティバル)
要点をまとめさせていただくと下の通りです。
そもそも、登録免許税は不動産自体の価格に比べれば、それほど高いものではありません。買主が価格交渉をしてくるとしたら、不動産自体の金額です。そのため、登録免許税については「大体買主が払う」のです。
買い主が払うのが普通なので、売り主は気にしなくていい。
印紙税…2000円~2万円しかかからない
印紙税は、普通の実家売却では2000円~2万円しかかかりません。そのため、それほど気にする必要はありません。
印紙税とは?
不動産を売るときには「売買契約書」を作成します。この契約書には「収入印紙」を貼り付けます。この収入印紙の代金が印紙税です。
契約書に限らず、高額の領収書では「支払いの証明になるもの」が必要だからです。これがないと、その契約書や領収書の効力が無効、あるいは弱くなってしまいます。
実家の売却で、印紙税はいくらかかる?
印紙税の金額は、実家の売却金額によって変わります。金額ごとの税額を一覧にすると、下の通りです。
記載の契約金額 | 印紙税額 |
---|---|
50万円超~100万円以下 | 1000円 |
100万円超~500万円以下 | 2000円 |
500万円超~1000万円以下 | 1万円 |
1000万円超~5000万円以下 | 2万円 |
5000万円超~1億円以下 | 6万円 |
【参考】印紙税額の一覧表(国税庁)


印紙税はかかる。しかし2000円~2万円なので、気にする必要はない。
消費税…実家が賃貸経営をしていた場合のみかかる
個人が不動産を売るとき、消費税はかかりません。これは下記のオウチーノの記事で説明されています。
【参考】不動産を売却するときに消費税はかかる?(オウチーノニュース)
オウチーノは、東証マザーズ上場企業である「株式会社くふうカンパニー」のグループ会社です。
要点をまとめると、下のようになります。
つまり、実家の売却で消費税を払うとしたら、
- 実家が賃貸などの事業をしていた
- しかも課税対象だった
という2つの条件を満たしている場合のみです。


実家売却で確定申告が必要な2つのケース(大抵不要)
実家の売却で確定申告が必要になるのは、下の2つのケースです。
売却益(譲渡益)が出た
確定申告は「納税のため」にするもの。そして、納税は「利益が出たら」するものです。
そのため、実家を売って利益が出たら確定申告をします。しかし、実家を売って利益が出ることはまずないと考えてください。

4種類の特例を利用した
家を売るときには「4種類の特例」を利用できることがあります。下の4つです。
この特例を利用した場合、確定申告が必要になります。「この特例を使ったから税金が安くなった」ということを、税務署に報告する必要があるためです。

マイホームを売ったときの特例(3000万円特別控除)
親の実家に「子どもが同居していた」場合は、その家は子どもにとっても「マイホーム」だったわけです。その場合「マイホーム売却の特例」を受けられます。
- 売った利益から、
- 3000万円が控除される
という特例です。わかりやすくいうと利益3000万円まで非課税ということです。
国税庁の説明
国税庁は下のように説明しています。
マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。
これを、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例といいます。
マイホームを売ったときの特例(国税庁)
ここから先「所有期間10年超」の特例も説明しますが、マイホーム特例については所有期間が関係ないというのが特徴です。
10年超住んだ家を売った場合の軽減税率
これは簡単にいうと、所得税が5%安くなるものです。
- 本来は「15%」
- これが「10%」になる
適用されるルールは、
- 利益「6000万円以下」の部分まで
- 利益「6000万円超」からは、普通の税率になる
ということです。
国税庁の説明
国税庁は、以下のような表で説明しています。
課税長期譲渡所得金額(=A) | 税額 |
---|---|
6,000万円以下 | A×10% |
6,000万円超 | (A-6,000万円)×15%+600万円 |
【参考】マイホームを売ったときの特例(国税庁)※「3 税率」の段落を参照
通常の「15%」とは?
これは「長期譲渡所得」にかかる税率です。
5年超保有して売る | 長期譲渡 |
---|---|
5年以下で売る | 短期譲渡 |
上のようになり、それぞれの税率が下のようになるのです(10年超のマイホーム特例がない、普通の税率です)。
長期譲渡 | 15% |
---|---|
短期譲渡 | 30% |
※どちらも住民税・復興税は除外。全部合わせると、長期…15.315%、短期…30.63%となる。

- 普通は、5年を超えたら安くなる(15%)
- しかし、それ以上は安くならない(10年以上経っても)
- しかし、マイホームの特例なら10年超から安くなる(10%に)
親と10年以上同居していた家なら、売却の所得税が5%安くなる。

居住用財産の買換えの特例
これは、マイホームを「売る」でなく「買い換える」ときの特例です。つまり、
- 売って「お金を儲ける」のではない
- あくまで「次の家に買い換える」ための売却
ということです。このような場合「住むための家なら、税金を負けてやるか」と、国が特例を認めてくれます。
どんな特例?
課税の「繰り延べ」です。
- 最終的には課税される
- それは「買い替えた家を売った」とき
- 逆にいえば「売らない限り」課税されない




国税庁の説明
国税庁は下記のように説明しています。
特定のマイホーム(居住用財産)を、令和元年12月31日までに売って、代わりのマイホームに買い換えたときは、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができます(譲渡益が非課税となるわけではありません。)。
これを、特定の居住用財産の買換えの特例といいます。
特定のマイホームを買い換えたときの特例(国税庁)


空き家を売却した場合の特例
これは、ここまでの特例と違い子どもが親と別居していたときに使える特例です。親元を離れて暮らしていた人たちは、こちらに注目してください。
どんな特例か
簡単にいうと、空き家を売ると3000万円控除されるものです。「利益3000万円まで非課税」ということです。
適用の条件は?
下の3つの条件を「すべて満たす」ものです。
それぞれの条件がある理由は下の通りです。
昭和56年以前~ | 新しい物件は倒壊の危険がないので、わざわざ優遇する必要がない |
---|---|
区分所有~ | 「マンションはダメ」ということ。一戸建ての空き家と違い、管理組合が適切に修繕や取り壊しをするから |
他人が住んでなかった | これは後述 |
「相続開始の直前に他人が住んでいた」はなぜダメなのか
これは「空き家になるような物件ではなかった」といえるからです。
- 直前まで「他人」が住んでいた
- ということは、その家には「市場価値」がある
- それが急に空き家になるのはおかしい
- この特例を受けるために「わざとそうした」と思われる
ということです。ちなみに、他人でなく被相続人(家族など)が住んでいたというのはOKです。身内なら短期的に住むことはあり得るからです(死亡の直前なら、最後の介護や生前整理などで)。
実家の売却で後悔する2つのパターン
実家の売却で後悔するパターンは、主に下の2つに分かれます。
- 精神的な後悔
- 金銭的な後悔
精神的な後悔は「寂しい・悲しい」というものです。これはそれぞれの段落で、実際にそう思われている方の体験談を紹介させていただきます。
ここでは、もう一つの「金銭的な後悔」について解説していきます。
金銭的な後悔
これは「もっと高く売れたのに」というものです。具体的には、下のような理由でそう思うことがあります。
- もっと業者を厳選すればよかった
- 決めた業者とも、もっと強気で交渉すればよかった
- 自分の物件について、よく知っておくべきだった
特に重要なのは「業者の選択」です。ここからは、どんな業者で、どのように査定を受けるべきかを解説していきます。
実家売却の査定でおすすめの業者&一括査定サイト5選
実家売却の査定を受けるときの選択肢は、大別して下の2通りです。
- 信頼できる業者に依頼する
- 一括査定で、多数の業者から見積りをとる
ここでは、それぞれの選択肢について、下のように紹介していきます。
以下、それぞれの詳しい紹介です。
【全国対応】クランピーリアルエステート
※ここはCV自体がクランピーさんでいいかを、ご確認中です。
一括査定を受ける
上の段落では、クランピーリアルエステート1社だけを紹介しました。しかし「複数の業者の見積もりをとって比較したい」という方も多いでしょう。
そのような方には「一括査定」がおすすめです。ここでは、特におすすめの5つのサービスを紹介します。
以下、それぞれの一括査定の紹介です。
イエウール
イエウールは、日本最大級の不動産一括査定サイトです。主に下のような点が特徴といえます。
このように利用者数や参加企業数が多いだけでなく、下記のように日本の不動産業界を代表する優良企業が揃って参加しているのも特徴です。
- 住友林業ホームサービス
- スターツ
- 長谷工リアルエステート
- 近鉄不動産
- みずほ不動産販売
他にも多数の有名企業が参加していますが、このような大手から地元の優れた中小企業まで、多数の業者から一括査定をとれるのが魅力です。利用は完全無料なので、実家の大体の相場を知る意味でも、一度イエウールの査定を受けていただくといいでしょう。
なお、イエウールについては下の記事でも詳しく解説しています。
HOME4U(ホームフォーユー)
ホームフォーユーは、NTTデータグループが運営する、国内最大級の不動産情報サイトです。一括査定サイトならイエウールが最大級ですが、HOME4Uは「情報サイト」として最大級となっています。
イエウールより数は少なくなりますが、全国の1300社から完全無料で複数社の査定を受けることができます。より詳しい紹介は下の記事でしているので、興味がある方は参考になさってみてください。
LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)
画像引用元:ライフルホームズの一括査定
ライフルホームズは、東証1部上場企業のLIFULL(ライフル)が運営するサービスです。全国から1731社の不動産会社が参加しており、サービスです。利用者は2018年7月時点で476万人を突破しています。

ハウスドゥ(HouseDo)
画像引用元:ハウスドゥ!の売却相談
ハウスドゥは、ライフルホームズと同じく東証1部の上場企業です。元プロ野球選手の古田敦也氏がイメージキャラクターを務めていることでも知られています。
ハウスドゥでは、AIを利用した10秒無料査定などのサービスも提供しています。同社の一括査定についての詳細は、下の記事を参考にしていただけたらと思います。
マイスミEX
画像引用元:マイスミEX
マイスミEXも、ハウスドゥやライフルホームズと同じく、東証1部に上場している「じげん」が運営している不動産情報サイトです。同サイトの特徴は、不動産売却査定だけでなく、土地活用や賃貸管理の資料請求もできるという点です。

実家の売却でかかる4つの費用
実家の売却で必要な費用は、主に下の4つです。
しかし「絶対に必要」なのは、相続でかかる登録免許税のみです。この点から解説していきます。
絶対に必要なのは、相続でかかる登録免許税のみ
登録免許税は「登記簿の書き換えの手数料」です。詳しくは「登録免許税」の段落で解説しています。
これだけは、親から不動産を相続するとき、絶対に必要です。名義変更をしなければ、家を売ることはできないためです。

その他の費用は「必要な人だけ払う」
その他の費用とは、下のようなものです。
いずれも、それぞれの業者や司法書士などに依頼しない限りは、支払う必要がありません。ただ、費用を支払って依頼した方がスムーズなケースは当然多くあります。

名義変更料(法定費用・司法書士報酬など)
実家の名義は、大抵親のものです。親が死んでも「名義が親のまま」では売れません。そのため、名義変更が必要になります。
法定費用とは?
これは「国に払うお金」です。
などが該当します。司法書士報酬と違い、絶対にかかる費用です。
司法書士報酬
これは司法書士によって大きく異なります。おおよその相場は3万円~5万円です。詳しくは下の記事をご覧ください。
また「司法書士はどのような仕事をするのか」「頼まずに自力でできるのか」などは、下の記事を参考にしていただけたらと思います。
遺品整理費(業者に頼む場合)
実家でも自宅でも、売る前には「片付け」が必要です。これを業者に依頼する場合は、その費用がかかります。業者の種類は下の通りです。
- 遺品整理業者
- 不用品回収業者
- 便利屋
実家の場合は3LDK程度なので、おおよそ20万円前後です。
仲介手数料(仲介業者で売る場合)
業者に直接買い取ってもらうのではなく「仲介で売却」する場合、仲介手数料がかかります(買取と仲介の違いは、下の記事を参考)。
仲介手数料の相場は?
これは法律で決まっていて3%~5%以内です。取引の金額ごとに下のようになります。
取引金額 | 仲介手数料率(税抜) |
---|---|
200万円以下 | 5%以内 |
200万円超~400万円以下 | 4%以内 |
400万円超 | 3%以内 |


「業者買取」だと仲介手数料がかからない
なお、業者が直接買い取る場合は「仲介ではない」ので、仲介手数料がかかりません。直接買い取ってくれる業者でおすすめの会社は、こちらの段落で紹介します。
業者買取の体験談は、こちらのブログの管理人さんも書かれています。「仲介はすべて断られたが、業者買取なら引き受けてもらえた」という内容で、高く評価されています。



測量費(境界が曖昧な場合)
古い物件は「隣地境界」が曖昧なことがあります(詳細は下の記事で)。
あいまいな境界は、確定させなければいけません。そのため「確定測量図」を作成します。下のようなものです。
画像引用元:経費─売買したときに必要な費用「測量費用」(三井住友トラスト不動産)
この作成にかかる費用は、おおよそ下のような金額とされます。
- 現況測量…35~45万円
- 確定測量…60~80万円
【参考】確定測量にかかる費用は?流れは?期間は?|確定測量の基礎知識!(イエウール)




「実家の売却は寂しい・悲しい」という声が多い
実家の売却を寂しい、悲しいと感じる方もいるでしょう。そのような声や体験談は、Web上にも多く寄せられています。ここでは、発言小町とYahoo!不動産のそれぞれから、そうした体験談を紹介させていただきます。

「寂しい」という声(発言小町より)
これは、発言小町での質問に対して寄せられた回答のひとつです。
私も 産まれ育った家を売却しました。
両親が他県に引っ越しをした為です。産まれ育った町は観光地なので 今でも たまに家族で出掛ける事があります
元実家の周りを通ってしまいます。故郷がなくなってしまったようで 懐かしさと寂しさと…なんとも言えない気持ちになります。
トピ主さんもこんな気持ちなのかな…?今でも 大好きな町です
いつかまた この町に住めたらいいなと思います16年経ち 売却した家は建て替えられました。
トピ主さんとは 少し違った 寂しさがあります。
家を売却した方。懐かしくなりませんか?(発言小町)・あっぷるさんの体験談(2014年1月13日 23:08)
このあっぷるさんのように「今も実家の近くを通ってしまう」「見に行きたくなる」という方は多く見えます。
「悲しい」という声(Yahoo!不動産より)
Yahoo!不動産にも「実家の処分は悲しいです」という質問(相談)が寄せられています。内容を要約させていただくと、下記の通りです。
このようなケースは、決して珍しくありません。兄弟姉妹の中でも「実家や親の遺品に対する思い入れ」に差があることは多いものです。
こちらの事例の場合、親御さんが亡くなられてから10年ということで、お姉さんが整理を進めようとされていることも、間違ってはいないといえます。ただ、妹さんへの相談は、書き込みの内容を見る限りは、もう少しあった方が良いかもしれないと思います。
実家売却のブログ・おすすめ3選
「実家を売却した人の体験談を、個人のブログで読みたい」という人も多いでしょう。ここでは、私が調べた中でも「内容が面白く・信頼できる」個人の方のブログを紹介させていただきます。
それぞれの段落で、内容の要約をさせていただいています。以下、要約に入ります。
凛!な毎日
画像引用元:凛!な毎日
こちらの管理人さんの体験談の内容は、主に「買い手とのトラブル」です。要約させていただくと、下のようになります。
詳しく知りたい方は、下の管理人さんのブログをご覧ください。
個人売買は危険
このケースでトラブルになったのは、業者を通さない個人売買だったためです。個人売買では、こうした交渉の経験が豊富な側が、相手に無理難題を通そうとすることがしばしばあります。

メグおばちゃんのひとりごと
画像引用元:メグおばちゃんのひとりごと
こちらのブログの管理人さんは、解体が必要な古家がある袋地を売却されました。袋地については下の記事を参考になさってみてください。
ブログの内容を要約させていただくと、下記の通りです。
この「思わぬところ」というのは、「周辺の別の土地」を買った不動産業者です。この業者にとっては、その土地と管理人さんの土地を買い、有効活用する方法が見えていたようです。
【参考】*奇跡!袋地にある実家が、売れた!(メグおばちゃんのひとりごと)
このように、一般人にとっては「いらない土地」でも、業者にとっては価値があることもあります。このような「いらない土地」の売却のコツについては、下の記事を参考になさってみて下さい。
エムズの片割れ
画像引用元:エムズの片割れ
こちらの管理人さんの体験談を要約させていただくと、下のようになります。
無道路地とは
無道路地とは「道路に接していない宅地」です。これは国税庁の定義でわかります。
無道路地とは、一般に道路に接していない宅地をいいます。
無道路地の評価(国税庁)
無道路地については、下の記事でも詳しく解説しています。
また、体験談の詳細については、下記の管理人さんの記事をご覧ください。
【参考】…実家の空き家を「業者買取」で処分した話(エムズの片割れ)
なお、この「エムズの片割れ」さんのケースのように、建築時点では問題なかったものの、現在では違法になってしまっている物件のことを「既存不適格物件」といいます。このような物件の買取については、下の記事で詳しく解説しています。
実家売却の体験談~勘解由小路家の尚早な相続~
最後に、私たち勘解由小路家(かでのこうじけ)の実家売却の体験談をご紹介します。





何で相続することになったか
相続の理由は、母が急死したことです。まだ62歳でした。母はシングルマザーだったので、その時点で相続が発生しました。
(タイトルの「尚早な相続」というのは、そういう意味です)
兄妹の意見はどのように割れたか
下の4つの意見に割れました。




それぞれ、なぜその意見になったか




どんな家族構成だったか
長男…アキラ(34歳)
4人の中で一番センチメンタル。実家は「建物を残して賃貸に出す」ことを提案。余計な一言を発して粛清される癖がある。
長女…さくら(31歳)
当サイト管理人。不動産会社勤務。実家は「建物を残して売る」ことを提案。
次女…ゆきな(26歳)
リフォーム会社勤務。実家は「リフォームして売る」ことを提案。
三女…のどか(22歳)
都内で一人暮らしをする大学生。名前に反して性格はシビア。実家は、消去法により「壊して売る」ことを提案。
母…わかこ(58歳・故人)
1人目のアキラを24歳、4人目ののどかを36歳で出産。42歳で夫が事故死してしまったため、以後、4人の子供を抱えるシングルマザーとして奮闘する。
必死の努力で4人とも大学まで進学させたが、無理がたたって58歳で急逝してしまった。全員が東京に進学・就職していたため、のどかの進学以後は一人暮らしだった。
(イラストは若い頃のものです)
意見①…建物を残して賃貸に出す
























意見②…建物はそのままで売る















意見③…リフォームして売る














意見④…建物を壊して売る





















エピローグ
こうして、私たちは実家を解体し、ポプラの木も移植して、土地もスムーズに売ることができました。後日、兄の家の売却が必要になりました。兄は今、母と楽しく暮らしています。