昔から外国人に「ウサギ小屋」と揶揄されてきた日本の住宅。その中でも特にサイズが小さいのが狭小住宅です。狭小住宅の売却を検討している方は、下のような疑問や悩みを持つことが多いでしょう。
- どうすれば高く売れるか
- 売却の注意点はあるのか
- 「狭小住宅は売れない」というのは本当か
この記事では上記の疑問に答えるため、高く売る方法・注意点・「売れない」といわれる理由を解説していきます。これらの内容を読んでいただくことで、狭小住宅の売却をより有利な条件で進めていただけるでしょう。

狭小住宅を高値で売るには、狭小住宅も含めた「訳あり物件に強い業者」を探すのが一番。そうした業者を見つけるには一括査定が有効です。
イエウールは一括査定の中でも特に人気のサービス。全国1700社超の不動産会社の中から、最大6社の査定を受けることができます。
利用は完全無料で、入力作業は1分程度で完了。デメリットやリスクは一切ないため、一度気軽に試していただくといいでしょう。
イエウールの無料一括査定はこちら→イエウール公式サイト
Contents
狭小住宅とは
狭小住宅の売却のやり方や注意点を説明する前に、まず「狭小住宅とは何か」という定義を説明します。正確な定義やメリット・デメリットを理解していただくことで、より適切な売却計画を立てやすくなるでしょう。
狭小地に建てられた住宅のこと
狭小住宅とは「狭小地に建てられた住宅」です。小さい一戸建てのことを「ミニ戸建」と呼ぶこともありますが、これは蔑視的な呼び方であり、正式に使われることはありません。
「狭小住宅」も辞書で正式に定義された言葉ではありませんが、一般的にはこちらが使われます。
狭小地とは…15~20坪以下の土地のこと
次に「狭小地」の定義ですが、これは一般的には15坪以下、あるいは20坪以下の面積の土地です。平米でいうと40平米以下か、50平米以下となります。
メリット・デメリット
狭小住宅のメリットは、売り手と買い手でそれぞれ下記のようになります。
- 売り手…建築の工夫次第で、不整形地に付加価値を付けられる
- 買い手…安く買える(ことが多い)
逆にデメリットは、売り手・買い手でそれぞれ下の通りです。
- 売り手…物件によっては売りにくい・安値になる
- 買い手…住宅ローンが組みにくい
不整形地とは「変則的な形をした土地」です。狭小地では特に多いもので、こうした土地はそのまま売ると価値が低くなることが多いもの。
しかし、その変わった地形を活かした建築をして「個性的な建売住宅」として売ることで、高い付加価値をつけられることもあります。「狭小地」のままでは低い価値が「狭小住宅」にすることで、高まるわけです。

どうすれば高く売れる?狭小住宅を高値で売却する3つの方法
狭小住宅を売却するときも、できるだけ高値で売りたいもの。ここではそれを実現するためのポイントを、3つ解説していきます。
再建築不可物件なら、修繕・リノベーションを行う
狭小住宅の中には、再建築不可物件も多くあります。再建築不可は主に「接道義務を満たしていない」ことが原因になります。
接道義務は「幅4m以上の道路に2m以上の間口で接する」というものですが、下のような条件ではこの義務を満たしにくくなるのです。
- 建物が奥まった場所にある
- 建物の前の道路が狭い
どちらも、狭小住宅が建つような狭小地では、普通の土地より多く見られるパターンとなります。このため「狭小住宅は再建築不可物件が比較的多くなる」のです。
そもそも再建築不可物件とは?
再建築不可物件とは、下のような物件です。
- 今ある建物は使っていい(住んでいい)
- しかし、その建物を壊して建て替えることは許可されない
- 建て替えだけでなく、増改築・敷地内の新築も許可されない
つまり「今ある建物をずっと使いなさい」ということです。たとえ老朽化して人が住めなくなっても、壊して建て替えることはできません。
(再建築不可の詳しいルールについては、下の記事で説明しています)
修繕・リフォームは許される
ただし、修繕やリフォーム(リノベーション)は許可されます。上で書いている増改築とは、あくまで「柱・屋根などの骨格部分に手を加える」ものだからです。
当然ながら、老朽化した部分を修繕すれば長く住めます。次に住む人(買い手)にとっては「今の建物で長く住めるなら、再建築不可でも問題ない」ということが多いでしょう。そのため、修繕は再建築不可のマイナスを補う上で効果的です。
リノベーションはどこまでできる?
リノベーションは下のように「中身のみ、ほぼ新築同様」にすることが許されています。
- キッチン(台所)のフルリフォーム
- お風呂・トイレ・洗面台などのフルリフォーム
- 壁紙・床のフローリングなどの全面張り替え


これだけのリノベーションをすれば、その内容次第で「非常に魅力的な物件」になるでしょう。建物の寿命も長くなるので「再建築不可でも問題ない」と考える買い手が増えます。
再建築不可の専門業者に相談しよう
上の段落で書いたようなリノベーションをするかどうかという点も含め、再建築不可の狭小住宅を売るのであれば、この分野を専門とする業者に相談するのがいいでしょう。仲介で高く売却してもらいやすいだけでなく、業者自らが高値で買い取ってくれることもあります。
このような「再建築不可の専門業者」については、下の記事で詳しく解説しています。
既存不適格物件は、可能なら現行法に適応させる
既存不適格物件とは、下のような物件です。
- 建てられた時点では適法だった
- しかし、現時点では違法である
違法というのは、もちろん事件性があるものではありません。「現行の建築基準法に適応していない」ということです。具体的には「建ぺい率・容積率をオーバーしている」などの例があげられます。
狭小住宅は「土地が狭い」ため、「日影規制」などのルールに引っかかることがしばしばあります(日影規制については下の記事を参考になさってみてください)。
現行法に適応させるにはどうする?
これは基本的に「建て替え」が必要です。建て替えといっても「全部取り壊して建て直す」とは限りません。
そうしないとダメな物件もありますが、中には「一部の改築のみでOK」という物件もあります(もともとあまり違法でなかった物件、ということです)。
適応させると、なぜ高値で売れるのか
これは「既存不適格」というレッテルが外れるだけで価値が上がるためです。既存不適格の住宅でもそのまま住むことはできますが、次の住人がいつか増改築を検討するときなど、多くの制限が加わります。
この制限というのは、上で書いた「現行法に適応させる」ということですが、次の住人(買い主)にとっては「よくわからない」のです。「最初から適応した物件にしておいてほしい」と思う買い主の方が、断然多くなります。
「玄人」なら、既存不適格のままでも買ってくれるが…
建築や不動産のルールを熟知している「玄人」の買い主なら、上の段落で説明した内容は当てはまりません。こうした人々なら、下のようなことを考えるでしょう。
- 既存不適格のまま買い叩く(安く買う)
- それを、自分好みに建て替える(現行法に適応させる)
このように「既存不適格のまま買いたがる」人もいるのですが、そうした人は「買い叩く」のです。買い叩けないなら、わざわざ既存不適格のまま買い取る意味がありません。
相手が「素人」でも「玄人」でも、既存不適格は不利
このような理由から、相手が不動産の「素人」であっても「玄人」であっても、既存不適格物件は値段が下がるわけです。このため、高く売りたいなら「現行法に適応させる」というのが、一つの選択肢となります。


このような計算も含めて、既存不適格を高く売る方法は「既存不適格物件に強い不動産業者」が熟知しています。自ら結論を出す前に、まずはそのような業者に相談してみるといいでしょう。
既存不適格に強い業者は下の記事で紹介しているため、「今の狭小住宅が、既存不適格である」という方は、こちらを参考にしていただけたらと思います。
訳あり物件に強い業者を探す
狭小住宅や事故物件など、何らかの条件によって売りにくい物件はすべて「訳あり物件」と呼ばれます。不動産業者の中にはこうした物件を専門的に扱う業者も存在するものです。
通常なら売りにくいことが多い狭小住宅ですが、このような「訳あり物件に強い業者」に仲介や買取りを依頼することで、売りやすくなります。
ワケあり物件に強い不動産業者の探し方
これは「不動産一括査定サイト」が便利です。面積だけでも不動産業者なら「狭小住宅である」ことは、すぐにわかります。
そのため、どの一括査定サイトでも、原則「狭小住宅を必要としている」業者しか、あなたに見積もりを送ってこないのです。もちろん、必要としているからといって、高く売れるとは限らないでしょう。
しかし、業者もプロであり、不動産の売買に生活がかかっています。その彼らが「欲しがる」ということは「利益が出る=高く売る自信がある」ということです。
そのため、一括査定を使えばそれだけで、狭小住宅を高く売れる可能性のある業者から、まとめて見積もりをとることができます。狭小住宅を高く売りたいのであれば、ぜひ試すべきサービスといえるでしょう。

一括査定の中でも特におすすめのサービスが下のイエウール。全国1700社超の不動産会社から、最大6社の見積もりをとることができます。
利用は完全無料で、狭小住宅を得意とする業者も多く参加しているため、ぜひ一度試してみてください。
イエウールの無料一括査定はこちら→イエウール公式サイト
売る前に知っておこう!狭小住宅の売却・3つの注意点
不動産の売却では、常に物件ごとの注意点があります。ここでは、狭小住宅の場合にどんな注意点があるかを解説していきます。
「敷地面積制限」による売り時を逃さない
近年、不動産業界では「敷地面積の制限」という動きが起きています。これは「宅地を一定以下の面積に分割することを禁じる」ものです。
土地は基本的に、かたまりであるほど価値が高くなります。それをあまり細かく分割して販売してしまうと、その地域全体で「地価が下がってしまう」「良い住環境が確保できなくなる」というデメリットがあります。


このような理由から、以前よりも狭小地・狭小住宅が生まれにくくなっています。
狭小住宅が少ない分、今が売り時
このように狭小住宅の供給が減っているということは「今が売り時」ということです。供給が少なければ価値が上がるため、今なら高値で売れる可能性が高まります。
逆に、このチャンスを逃すと不利になる可能性が高いでしょう。狭小住宅に限らず、日本の不動産市場自体が、これから先細りであることは明白だからです(人口減少のため)。
それでなくても、住宅は年々価値が減少していくもの。狭小住宅をできるだけ高く売りたいと思うのであれば、「敷地面積制限」で生まれたこのチャンスを逃さないようにしましょう。
リフォームはしない方がいいこともある
「高値で売る方法」の段落では、下のような物件については「リフォーム・建て替えによって価値が高まることがある」ということを解説してきました。
- 再建築不可物件
- 既存不適格物件
しかし、これは「常にリフォームや建て替えをすべき」ということではありません。「どちらもしない方がいい」ことも、しばしばあります。
物件だけでなく、リフォーム業者の技術によっても変わる
これについては「どういうケースだとリフォームすべき(すべきでない)」という結論が出せません。物件の状況によるのはもちろん、リフォーム業者の技術やセンスによっても、結果が大きく変わるためです。
人気番組「劇的改造!ビフォー・アフター」に登場する匠のような職人であれば、どんな物件でも「リフォームすることがプラスになりやすい」でしょう。しかし、当然ながらそのような職人ばかりではありません。
場合によっては「適当な工事で費用だけを上乗せして請求するような業者」も存在します。そのようにリフォーム会社が玉石混交である以上、リフォームすべきかどうかは「実際に多くの業者を探してみないとわからない」のです。
このような理由から、場合によっては、上にあげたような訳あり物件でも「リフォームしないで売る」ことも常に考えておきましょう。
(なお、こうした売却前のリフォームの是非については、下の記事でも詳しく解説しています)
媒介契約の方式(専属専任・専属・一般)に注意
狭小住宅でも普通の住宅でも、不動産の売却は不動産会社に依頼する人が多いでしょう。そのとき、業者が直接買い取るのでなければ(一般向けに売り出すのであれば)媒介契約を結びます。
この媒介契約には下の3種類がありますが、これらを適切に選ぶことが必要です。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
選び方を簡単に書くと下の通りです。
- 絶対的に信頼できる業者がいる…専属専任媒介契約
- まあまあ信頼できる業者がいる…専任媒介契約
- 特に信頼できる業者がいない…一般媒介契約
信頼できない業者と専属専任媒介契約を結んでしまうと「両手取引」などの悪質な手口で、手数料を搾取される恐れもあります。この点も含めて、上記の3種類の媒介契約については、下の記事を参考にしていただけたらと思います。
狭小住宅は資産価値がない?売れないといわれる3つの理由
ブログなどで狭小住宅を売却したオーナーさんの体験談を見ていると「狭小住宅は資産価値がないので売れない」という内容も見られます。狭小住宅は必ずしも売れない物件ではないのですが、それでも「売れない」と言われる原因は何なのかを解説していきます。
住宅ローンが組みにくい
一般的に、狭小住宅は住宅ローンが組みにくいといわれます。理由は、多くの金融機関が「住宅ローンの融資の条件として、面積の制限を設けている」ためです。
この条件は金融機関によって異なりますが、おおむね下の数値が相場とされます。
- 宅地面積…40平方メートル以下
- 建物面積…60平方メートル以下
狭小住宅はこれに該当するものが多くなります。該当すると住宅ローンを借りられません。つまり「現金で買わなければいけない」ということです。
住宅を現金一括で買える人は少ない
当然のことながら、住宅を現金一括で購入できる人はなかなかいません。いくら狭小住宅が小さくて安いといっても、1000万円前後はすることがほとんどです。
1000万円前後の支払いを現金でできる人は少ないでしょう。「買えない」以上、どれだけ魅力的な物件であっても売れないため、「住宅ローンを組みにくい」ということは、売却の大きな障害になるのです。
フラット35を使えない
フラット35は、住宅ローンの中でも特に人気の商品です。このフラット35については「借りにくい」だけでなく「借りられない」というデメリットがあります(狭小住宅の場合)。
なぜ借りられないのか
これは「面積の基準」があるためです。一戸建ての場合「床面積70平方メートル以上」という条件があります。公式サイトでも下記のように説明されています。
<フラット35必須基準>
Q.一戸建て住宅の場合、住宅の1戸当たりの床面積とは、どの面積ですか?住宅の1戸当たりの床面積は、建築基準法(確認申請書第三面)上の「11.延べ面積(ヌ.住宅の部分)」となります。
車庫の面積は含まれません。
なお、一戸建て、連続建て又は重ね建ての住宅の場合、住宅の1戸当たりの床面積が70m2以上必要となります。
フラット35必須基準について(フラット35公式サイト)
狭小住宅はこれに該当しないため、フラット35を利用できません。普通の住宅ローンならまだ借りられる可能性がありますが、フラット35については可能性がゼロとなります(一般的な狭小住宅の定義では)。
この点でも購入者にとって購入しにくいため、売り手にとっては売却しにくいということです。
将来、中古での売却がしにくい
これは「売れないから売れない」というべき理由です。ここまで説明したように、少なくとも住宅ローンの面に関しては、狭小住宅は「売りにくい」物件となっています。
このため「将来、中古で売ろうとしても売れない」「ということは、買うことにリスクがある」「買うことを決断しにくい」…という流れで、売れにくくなります。「有名人が有名なのは、有名だからだ」という格言がありますが、これと同じで「狭小住宅が売れないのは、売れないからだ」という表現ができるでしょう。
何にでも好循環・悪循環はつきものですが、この点に関しては狭小住宅の売却は一種の「悪循環」があるといえます。
まとめ
以上、狭小住宅の売却のやり方・コツ・注意点などを解説してきました。これらの知識を持っていても、最終的にはやはり「いい業者」にめぐり合うことが、最も成功に近い道であるといえます。
そのためには、文中でも書いてきた通り「一括査定を使って、できるだけ多くの業者から見積もりを取る」のがベストでしょう。そのためにも、下で紹介するイエウールなどのサービスを、有効活用していただけたらと思います。

イエウールは、日本全体の1700社超の不動産会社から、最大6社の見積もりをとることが可能。狭小住宅などの訳あり物件に強い業者も、多数参加しています。
査定を受けたらどこかと契約しなければいけない、などのルールもありません。利用は完全無料でデメリットは一切ないため、ぜひお気軽に試してみてください。
イエウールの無料一括査定はこちら→イエウール公式サイト