共有名義不動産(共有持分)の名義変更のやり方は?メリット・デメリットも解説!

共有名義の家・土地(共有持分)を持っていると、下のように思うこともあるでしょう。

  • 名義を統一したい
  • 共有持分は面倒なので、自分の持分だけでも手放したい

どちらにしても「名義変更」の手続きが必要になりますが、共有持分の名義変更は多くの人にとって初めての経験です。そのため「やり方を知りたい」「メリット・デメリットを知りたい」などのニーズもあるでしょう。

この記事では、共有名義不動産(共有持分)の名義変更の方法やメリット・デメリット、単独名義にするときのポイントなどを解説していきます。共有名義不動産の名義変更で悩んでいる方に、参考にしていただけたら幸いです。


なお、共有持分の名義変更は「業者に売り渡す」という方法でもOKです。それで名義は業者のものになるので、名義変更は完了します。

共有持分の買い取りは対応していない業者も多いのですが、中には共有持分を専門とする業者も存在します。こうした業者は共有持分をスムーズに買い取ってくれるだけでなく、買取価格も高くなるのが魅力です。

共有持分の専門業者では、下記のクランピーエステートを特におすすめします。同社の特徴やメリットは、リンク先の公式ページでご覧ください。

【相談無料】共有名義の不動産買取業者ならココ!

  • 弁護士との強力な連携で、高額査定を期待できる
  • 弁護士・税理士と連携しているため、法律トラブルや税金面の問題がある場合はサポートが可能
  • 関東エリア全域(群馬・千葉・神奈川・埼玉・東京・茨城)に対応
  • 小型物件でも買い取り可能
▼タップすると電話がかかります▼

この記事を読んでわかること
  • 共有名義不動産(共有持分)の名義変更のやり方
  • 共有名義不動産の名義を変更するメリット・デメリット
  • 共有名義不動産を単独名義にする方法・ポイント

共有名義不動産(共有持分)の名義変更・3つの方法

書類にサインする女性の手

共有名義不動産(共有持分)の名義を変更する方法は下の3つです。

  1. 贈与(無償で誰かにあげる)
  2. 譲渡(有償で誰かに売る)
  3. 相続(亡くなって遺産として譲る)

ここではこれらの方法について解説していきます。

贈与(無償で誰かにあげる)

家族や親族で不動産を共有している場合、多くの人が相続する「名義変更」の方法はこの贈与です。多くの人が名義変更という場合、当然その親兄弟などの相手に「有料で売りつける」ということは考えていないでしょう。

「お金をもらわず、名義だけ書き換える」ということを考えているかと思います。そして、その行為を「贈与」と呼ぶのです。

贈与税に注意が必要

贈与には「贈与税」がかかります。たとえば、共有不動産の中であなたの持分が「600万円相当」だったとしましょう。

そして、それを家族の誰かに贈与したとします。すると、贈与を受けた(不動産をもらった)家族が、翌年に約100万円の贈与税を払う必要があるのです。

売野くん
タダでもらえたと思ったら、とんでもないトラップですね。。
不動先生
その不動産に、それだけの価値があればいいですけどね。本人が価値を感じていないのに贈与税を払うことになったらたまらないですね。

「安く売却する」のも贈与になる

ここで多くの人が考えるのは「無料でなく、格安で売ればいいのでは?」ということ。そうすれば「贈与ではない」ので「贈与税がかからないのでは?」と思うわけですね。

実は、これもNGです。このような「不当に安く売る」方法は贈与とみなされます。「本来このくらいの値段であるはず」という価値から計算して、それで贈与税が課されるのです。

国税庁の公式サイトでは、下のように説明しています。

個人から著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合には、その財産の時価と支払った対価との差額に相当する金額は、財産を譲渡した人から贈与により取得したものとみなされます。
著しく低い価額で財産を譲り受けたとき(国税庁)

公式サイトでも上記のように書かれているため「安く売る=贈与になる」と考えて下さい。

重加算税によって、逆に負担が大きくなる

これは他の税金でも同じですが、上記のように「国税庁によって後から徴収される」形になると、余計に負担が大きくなります。重加算税・延滞税などの「罰金」がつくためです。

そのため、贈与するときは「激安で売る」などの妙な小細工はせず「普通に贈与し、普通に贈与税を払う」ようにしましょう。

不動先生
税金のルールは「普通に」していれば、一切問題が起きないのです。

譲渡(有償で誰かに売る)

共有持分(共有名義不動産)の名義変更の方法として、二番目にメジャーなものは「譲渡」です。譲渡というと「無償で譲る」というイメージがあるかもしれません。

しかし、不動産用語では「譲渡=売却」のことです。売却をすれば、当然ながら買い手に名義が移ります。これも起きる結果を見れば「名義変更」といえるでしょう。

共有不動産(共有持分)でも売れる?

これは売れます。詳しい売り方・必要書類・費用などは下の記事にまとめているので、売却を考えている方は参考になさってみて下さい。

共有名義(持分)の家を売却する4つの方法~必要書類・費用・期間を解説~

2018.09.11

相続(亡くなって遺産として譲る)

贈与は「生きているうち」に財産を譲ります。これと違い「死んだ後」に財産を譲るのが相続です。

言うまでもなく、相続は「狙って行う」ことができません。「誰々に共有不動産を譲る」という遺言は残せても、自分がいつ死ぬかについては、通常はコントロールできないのです。

重病で「もうすぐ死ぬ」とわかっているときに選択されることも

あえて「相続によって名義変更を行う」という選択肢がとられることもあります。一番わかりやすいのは「重病でもうすぐ亡くなる」というケースです。

売野くん
もうすぐ亡くなるなら、なおさら「生きているうちに贈与しよう」とは思わないんですか?
不動先生
そういう方もいます。自分の遺言がそのまま実行されない可能性がある場合はそうすべきでしょう。しかし、遺言が確実に実行されるような家族なら、相続の方がいいこともあります。

相続は贈与より「節税」しやすい

相続税でも贈与税でも「この金額までは、財産を譲っても(残しても)非課税とする」という金額があります。その金額はそれぞれ下の通りです。

  • 相続…3000万円+法定相続人の人数×600万円
  • 贈与…年間110万円

簡単にいうと、下のようになります。

  • 相続…3600万円
  • 贈与…110万円
売野くん
圧倒的に相続の方が税金を免除されるんですね。
不動先生
はい。これは「死ぬ」という行為は狙ってできないためです。

さらに、相続は贈与と違い「登録免許税」も免除されます。登録免許税は「法務局が登記簿を書き換える手数料」で、100万円につき5000円かかります。500万円なら25,000円です。

生前に贈与をくり返すと、この登録免許税もかかってしまいます。贈与する資産の額にもよりますが、大体累計で5万円~10万円程度になることは多いでしょう。

相続だったら、このような出費も防げるわけです。このため、あえて共有不動産の名義変更の手段として「相続を選ぶ」ケースもあります。

共有不動産の名義を変えるメリット

共有持分の不動産の名義を変更するメリットは、下の通りです。

以下、それぞれ解説していきます。

面倒な共有状態が解消される

共有持分の不動産は何かと面倒なもの。しばしば親族間のトラブルの原因になることもあり「土地とかいらないから、この状態を解消したい」と考えている人も多いでしょう。

名義を変更することで、そのような状態から解放されるのが、特に精神面でのメリットといえます。

自分の単独名義にする場合、賃貸が自由になる

共有不動産は、売却は自由にできます。「自分の持分だけ売る」ということは、他の共有者の許可なしでできるのです。

しかし、賃貸は別です。賃貸は「持分の過半数」が必要です。人数ではなく「面積」で過半数を持っている必要があります。

この条件を満たしていない場合、共有持分を自由に賃貸する(貸し出す)ことはできません。しかし、名義変更によって単独名義にすれば、自由に賃貸に出せます。

共有不動産の賃貸については下の記事で詳しく解説しているので、興味がある方は参考になさってみてください。

共有持分(共有名義)不動産の賃貸は可能?他の所有者の許可なしで建物・土地を貸し出せる?

2018.09.25

単独名義にすることで、資産価値が上がる

共有持分の不動産は、上に書いた通り「賃貸できない・しにくい」ことに加え、売却でも不利になります。ルール上は売れますが、買い手が付きにくいか、付いても買い叩かれるためです。

このため、共有持分の状態では資産価値が大幅に落ちます。しかし、単独名義に変更して「普通の不動産」にするだけで、資産価値は大きく上がるのです。

不動先生
正確には上がるというより「本来の金額に戻る」のですが、良いことには変わりありません。

借地権・底地の関係にも似ている

上の説明を読んで「借地と底地に似ている」と思った人もいるでしょう。借地と底地も、単独では価値が落ちてしまいます。両方セットになって初めて、本来の価値を出せるのです。

これを「コーヒーカップ・ソーサー理論」といいます。コーヒーカップと受け皿(ソーサー)も、セットになることで価値が高まるためです。

このため、借地権と底地はしばしば「同時売却」が行われます。名義変更をしなくても「借地人と地主が一緒に売り出せば」それでセットになるためです。

借地権と底地の同時売却については、下の記事を参考にしてみてください。

借地権と底地の同時売却、割合の決め方は?契約書のルールも解説!

2019.01.31

共有持分で名義変更をするデメリット

デメリットと書かれた紙

共有不動産で名義を変更するデメリットをまとめると、下のようになります。

以下、それぞれ詳しく説明していきます。

変更時に税金がかかる

名義変更をすると税金がかかります。かかる税金の種類は、名義変更の方法ごとに下のようになります。

  • 贈与…贈与税
  • 売却…譲渡税
  • 相続…相続税

このうち、相続税については「普通の不動産ならあまりかからない」といえます。最低でも3600万円までは非課税だからです。

また、そもそも相続は「亡くなって遺産をゆずる」ものなので、狙って行うことができません。そのため、ここでは話題から外します。

残りの2つ、贈与税・譲渡税について補足すると、下の通りです。

  • 贈与税…不動産を「もらう側」が払う
  • 譲渡税…不動産を「売った側」が払う(所得税と同じ)

どちらにしても、平均して20%~30%程度の税金を払うことになります。名義変更をしなければ(不動産の権利を動かさなければ)この税金は発生しないのです。

売野くん
そう考えると「名義変更しないで目的を達成する」ことを考えた方がいいですね。
不動先生
はい。他の方法でも目的を達成できるなら、名義変更をしない方がいいでしょう。

自分名義にすると、不動産管理の責任が生じる

不動産を所有するということは、メリットばかりではありません。メリットも大きいものですが、デメリットもそれなりにあります。

土地・一軒家・マンションなど、不動産の種類によってデメリットは異なりますが、共通するものは下の通りです。

  • 固定資産税がかかる
  • 管理責任がある

物件によっては、特に「管理責任」が怖いものです。どのような物件で怖いのかを解説します。

管理責任が重大な物件

これは主に下のようなものです。

  • 古い建物
  • 山林
  • 使い道のない空き地

それぞれ責任が重大な理由を書くと、下の通りです。

古い建物 台風・地震などで崩れ、近隣に被害を及ぼす恐れがある
山林 不法投棄をされることがある、山火事のリスクもある
使い道のない空き地 同じく不法投棄のリスクがある

もしこのような不動産の名義がすべて自分のものになると、責任がそれだけ重くなるのです。

共有持分なら、厄介な物件でも放棄できる

自分の単独名義になってしまうと、厄介な物件も放棄できません。しかし、共有持分の状態なら放棄できます。詳しくは下の記事にまとめています。

共有持分の放棄のやり方は?登記を拒否されたら訴訟をすればOK?

2018.12.23

仮に間違って厄介な物件を自分の単独名義にしてしまった場合、放棄することも許されません。国が引き取ると「国が管理コストを負担しなければいけない」ので、国も引き取らないのです。

売野くん
でも、自己破産したら国が引き取るしかないですよね?
不動先生
はい。逆にいえば、そういう不動産を放棄したければ「自己破産するしかない」のです。

当然ながら、自己破産をしたい人はいないでしょう。古家・山林などの訳あり物件を共有名義から自分名義にしてしまうと、このように「放棄したくてもできない」というデメリットも生じる恐れがあるのです。

(なお、山林の売却については下の記事で詳しく解説しています)

山林を売却したい!売り方&税金の計算方法は?

2019.01.29

名義変更の手間・司法書士報酬などがかかる

当然ですが、何かを実行しようとすれば、手間や費用・労力がかかります。それが「得られるメリットに見合うもの」であり、かつ「自分の能力で提供できるもの」であれば、これはデメリットにはならないでしょう。

しかし「負担の割に期待できるメリットが小さい」「メリットは大きいが、今の自分が負担できる労力・費用を超えている」というときには、この点が大きなデメリットとなります。

司法書士への報酬の相場は?

共有不動産での名義変更の手続きの場合、大体下のようになっています。

  • 相続…1件あたり・3万円程度
  • 売買・贈与…1件あたり・5万円程度

あくまで目安ではありますが、上記をまとめると「大体3万円~5万円」といえるでしょう。

売野くん
相続だけ安いのは何でですか?
不動先生
理由の1つは「登録免許税がかからないので、この税金の計算が不要」ということでしょう。

登録免許税はいくらかかる?

これは相続では0円です。2018年4月~2021年3月の4年間は、非課税となります。

贈与や売却の場合は「1000分の4」です。パーセンテージでいうと「0.4%」となります。

共有不動産を単独名義に変更する方法&ポイント

家を共有する人形

共有不動産の名義変更を考えている人の中でも「単独名義にしたい」という人は多いでしょう。単独名義にする場合の方法やポイントをまとめると、下の通りです。

以下、それぞれのポイントについて説明します。

共有者が複数いるなら、全員から権利をもらう

共有者が一人なら、その一人から持分を買い取る・譲ってもらうなどすれば、それであなたの単独名義になります。しかし、共有者が複数いる場合は、それを「全員に対して」行うことが必要です。

権利をもらう方法は贈与・買取のいずれか

複数人の共有者からどうやって権利をもらうかですが、この方法は「贈与・買取」のどちらかです。

  • 無料でもらう…贈与
  • お金を払う…買取

上記のような違いです。買取というのは、あなたの視点から見た場合です。譲る側からしたら売却(不動産用語でいうと譲渡)となります。

まとめ

登記簿謄本

以上、共有不動産(共有持分)の名義変更について解説してきました。最後にポイントをまとめると、下のようになります。

  • 方法は贈与・売却・相続の3つである
  • メリットは面倒がなくなる、不動産の価値が上がること
  • デメリットは税金がかかる、手間・費用がかかること

特殊なケースを除けば、基本的に不動産は「共有持分にしない方がいい」といわれます。現時点ですでに共有持分になっている場合は、何らかのメリットがなければ、できるだけ早く共有状態を解消する方がいいでしょう。