任意売却できない7つのケース~売れなかった場合の流れも解説!~

住宅ローンの支払いをできなくなったとき、多くの人が検討する選択肢が任意売却です。しかし、任意売却は必ずできるとは限りません。中には任意売却をできないケースもあるのです。

この記事では、そうした「任意売却ができないケース」について解説します。住宅ローンの支払いが苦しく、任意売却を検討している方に参考にしていただけたら幸いです。


なお、任意売却のように「特別な事情」がある物件は、不動産の世界では「訳あり物件」と呼ばれます。訳あり物件を売る場合、専門の買取業者に相談するのがベストです。

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この記事を読んでわかること
  • 任意売却とは何か
  • 任意売却ができないケース(7つ)
  • 任意売却できなかった場合は、どうなるか

任意売却とは

黒板と家の絵

まず「任意売却とは何か」を説明すると、下のようになります。

以下、それぞれ詳しく説明していきます。

ローンの残っている不動産を売って、返済に当てること

任意売却とは「ローンの残っている不動産を売って、そのお金を返済に当てること」です。正確には「売却」という言葉が最後につく必要があるので「ローンの返済を目的とした、ローンの対象物件の売却」といえます。

売野くん
要は「住宅ローンが払えなくなった」ということですね。
不動先生
はい、一番多いパターンはそれです。そうなったときに「家を売り払う」という行為が、任意売却です。

辞書の定義

辞書(コトバンク)では、下のように定義しています。

債務者、債権者、担保物件を買う第三者で話し合い、合意した売価価格で第三者に売却する。債務者は売却代金を返済にあて、債権者は抵当権を抹消する。
コトバンク「任意売却」

この説明を簡単にしたのが、先ほど書いたものです。

普通の売却と任意売却の違いは?

「売ってお金を得る」という行為自体は、どちらも同じです。違いは「ローンが残っているか、いないか」です。

  • 残っている…任意売却
  • 残っていない…普通の売却

ここで「何でローンの有無が基準なのか」という疑問が湧くでしょう。この点を解説します。

ローンがある物件は「銀行のもの」

住宅ローンが残っているうちは、その物件はまだ「あなたのもの」ではありません。住宅ローンの融資をした銀行のものなのです。

(もちろん、銀行でなく信用金庫・信用組合などの金融機関の可能性もあります。ここでは単純化して「銀行」と呼んでいます)

「返済のため」なので「銀行のもの」でも売れる

本来「銀行のもの」をあなたが売ることはできません。しかし「売ったお金を返済に回す」なら、銀行も許してくれます。これが任意売却です。

銀行としては「普通の方法で完済してくれたら一番だった」と感じているでしょう。しかし「回収できなくなるよりマシ」なので、任意売却を許可するわけです。

なお、任意売却(ローンが残っている状態の家を売ること)については、下の記事でさらに詳しく解説しています。任意売却自体について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

家を売りたいけどローンが残っている場合はどうする?賃貸・引っ越し・離婚の場合は?

2018.12.23

任意売却できないケース・7つ

紐で縛られた家の模型

任意売却をできないケースは、主に下の7つです。

  1. 銀行・金融機関が認めない
  2. 連帯保証人・連帯債務者が反対している
  3. 「最初から任意売却不可」の金融機関で借りた
  4. 競売が目前である
  5. 所有者・保証人などの本人確認ができない
  6. 購入希望者のための内覧ができない
  7. 管理費などの滞納が多額である

以下、それぞれのケースについて解説していきます。

銀行・金融機関が認めない

「任意売却とは」の説明で書いた通り、住宅ローンが残っているうちは、その物件は銀行・金融機関のものです。彼らの許可がなければ任意売却はできません。

連帯保証人・連帯債務者が反対している

住宅ローンを借りるとき、連帯保証人がつくことは多いでしょう。また、一緒にお金借りる人である連帯債務者がつくこともあります。たとえば夫婦が代表的な例です。

この連帯保証人・連帯債務者が反対していたら、任意売却はできません。

反対するなら、連帯保証人が払ってくれる?

ご存知の通り、連帯保証人は「借りた本人が借金を返せないときに、代わりに返す人」です。そして、任意売却をしようとしている時点で、借りた人は「返済できなくなっている」のです。

ここで任意売却に反対するなら、借りた人は連帯保証人に対して「じゃあ、あんたが代わりに払うことになるけどいいのか?」というでしょう。また、銀行が任意売却に賛成していたら、銀行も同じことをいうでしょう。

実際、本人が返済できないとわかった時点で、銀行はいつでも「連帯保証人に請求していい」のです。この状況で連帯保証人(連帯債務者)が反対する理由は何でしょうか。

「その物件を売られると困る理由」が何かある

一般的に考えると、連帯保証人や連帯債務者が反対する理由はありません。「自分が返済するより、明らかにマシ」と考えるのが普通です。

しかし、それでも彼らが任意売却に反対するとしたら「物件を売られたくない理由」が、何か個別にあるといえます。「自分が借金を肩代わりする方がマシ」と考えるくらいの理由ですから、相当なものです。

その理由が何かは、完全に個別のものといえます。たとえば「その家屋敷に思い入れがある」などの、極めて個人的な理由になることが多いでしょう。

売野くん
そういう「個人的な理由」がなければ、連帯保証人が反対することは少なそうですね。
不動先生
はい。むしろ連帯保証人は「任意売却しろ」とけしかける方でしょう。

一部抵当権者・差押債権者が解除金額に納得しない

いくつかの情報サイトで、任意売却ができないケースの1つとして、見出しの「一部抵当権者・差押債権者が解除金額に納得しない」というものがあげられています。しかし、これは「銀行・金融機関が認めない」とほぼ同じ意味だと思ってください。

「ほぼ同じ」という理由は下の通りです。

  • 大抵の場合、住宅ローンの債権者は銀行・金融機関である
  • また「一部」の債権者が反対するのも、「全部」の債権者が反対するのも、根本的には同じ

多くの場合、住宅ローンは「一箇所」から借ります。しかし、複数の場所から借りている可能性もあるのです。その場合「そのうちの1箇所・1人でも反対したら任意売却はできない」ということです。

「解除金額」とは

これは「○○万円払うから、抵当権を解除してくれ」というものです。普通は「借りた金額+利息」になります。

ただ、任意売却が必要になるケースでは、この金額に達しないことがあります。債権者が1箇所でも複数箇所でも同じです。

売野くん
家は、買ったときより売るときの方が安くなってますからね。
不動先生
はい。ある程度返済が進んでいたら全額返済できるのですが、返済が進んでいないと完済できないこともあります。

そのように「売っても完済できないケース」でも、「全部戻ってこないよりはマシ」と、任意売却に応じてくれる債権者も多いものです。しかし、中には「全額でなければ認めない」として、任意売却に反対する債権者もいます。

ただ、現実にお金がない以上、借り手に任意売却をさせない限り「戻るお金はゼロ円」なのです。そのため、一般の銀行や金融機関は部分的な債権者だった場合にも、任意売却には応じます。

売野くん
じゃあ、一部の債権者が反対するのはどういうケースですか?
不動先生
これは、融資とは別の部分で何かの理由があると考えられます。大抵は個人的な理由で、一般的には反対することは珍しいと考えて下さい。

なお、銀行・金融機関の承諾を得るための条件については、下の記事で詳しく解説しています。

担保物件を売却したい!銀行の承諾を得るための条件とは?

2019.01.15

「最初から任意売却不可」の金融機関で借りた

金融機関の中には、住宅ローンを貸し付ける段階から「うちでは任意売却は認めません」と告げているところもあります。代表は「UR都市機構」です。

このような金融機関でローンを借りた場合、許可をお願いするまでもなく「最初からダメ」です。

競売が目前である

任意売却の反対というべき、もう一つの選択肢は「競売」です。これもやはり「家を売る」→「その代金を返済に当てる」という流れになります。

違いは「競売は普通の売却とは違い、裁判所が絡むもの」「任意売却は、銀行の許可が必要な点を除けば、普通の売却」という点です。何はともあれ、このように「もう一つの選択肢」である競売を、先に進めていることもあります。

そして、それがかなり進行して「もうすぐ入札期限」というときには、もう任意売却はできません。「中止したら、入札者たちに迷惑がかかる」ためです。

競売が目前でも任意売却できるケースはある

実は、理論上は「競売が完了する前日」までできます。正確には「開札期日の前日」です。

開札とは、よく漫画やドラマのオークションの場面で見る「落札者は○○に決定!」というものです。要は「開札期日=落札者確定日」といえます。

その前日まで、理論上は任意売却をできます。入札した人たちにとっては少々迷惑な話ではありますが、このようなケースでは「直前に取り消されることもあります」という説明が最初になされます。そのため、前日で競売を中止してもいいのです。

住宅金融支援機構は許可しない

多くの住宅ローンには「住宅金融支援機構」という組織が絡んでいます。銀行の住宅ローンでも、たとえば「フラット35」などは、住宅金融支援機構が絡んでいるものです。

このようなケースでは、開札期日直前での任意売却への切り替えはできません。住宅金融支援機構がそれを禁止しているためです。

といっても「入札の受付が始まったらダメ」ということではありません。入札が始まってからでも任意売却に変更できます。しかし「開札期日の数週間前まで」という条件です。

かなり早めの締切となりますが、この締め日より前であれば、競売(の入札)が始まっていても、任意売却に切り替えられます。

所有者・保証人などの本人確認ができない

これは当たり前ですが、所有者や連帯保証人などの本人確認ができないときは、任意売却ができません。所有者というのは「住宅ローンを借りている人」であり「家に住んでいる人」です。その人の本人確認ができなければ、任意売却ができないのは当然です。

売野くん
そもそも、そんなケースがあるんですか?
不動先生
普通ではありえないですが、たとえば反社会勢力などが本人を監禁して勝手に売ろうとしている、などのケースが考えられます。

どのようなケースかはさておき、本人確認ができないのは明らかに問題です。そのため、このようなケースでは任意売却ができません。

また「本人確認ができない」ケースだけでなく「本人に連絡がつかない」というケースでも、やはり任意売却はできません。

本人に連絡がつかない場合は競売になる

連絡がとれなくても、住宅ローンが残っている以上、返済させる必要があります。銀行としては任意売却ができない以上「競売にかけて回収」するしかありません。

つまり、住宅ローンを借りた本人に連絡がつかず、連帯保証人とも連絡がとれないというケースでは、「自動的に競売になる」ということです。

購入希望者のための内覧ができない

任意売却に限らず、不動産を売るときは「内覧」を受け付ける必要があります。「内覧不可」で売れる物件もありますが、相当売りにくくなるのは確かです。

そして、任意売却に関しては「内覧を受け付けなくてはいけない」と決まっています。例外もありますが、ほとんどのケースでは内覧が必須です。

任意売却に関して権限を持っているのは金融機関であり、普通の銀行や信用金庫は「内覧を受け付けて、できるだけ高値で売却させたい」と考えるためです。このため、内覧の受け付けを拒否するなら、任意売却はできなくなります。

管理費などの滞納が多額である

たとえばマンションの場合、持ち家だと家賃はかかりません。しかし、毎月「管理費」はかかります。

一戸建ての持ち家でもメンテナンス費用はかかります。マンションではそれを「毎月みんなで積み立てる」ということです。

その管理費ですが、任意売却をするようなケースでは滞納していることがしばしばあります。これが多額だと任意売却ができないケースもあるわけです。

売野くん
できるケースもあるんですか?
不動先生
はい。買い手が「滞納分も払うから、このマンションを買いたい」といってくれたら、それで売却できます。

問題は、そのように言ってくれる買い手がいるかです。この点は「金額による」でしょうし「その物件の魅力にもよる」でしょう。

ランドマークになるようなブランド価値のあるマンションなら「滞納分を立て替えてでも住みたい」という買い手はいるかと思います。最終的にはケースバイケースなのですが、「滞納額が多い」というのは、任意売却が不成立になりやすい原因の1つです。

不動先生
つまり「絶対に任意売却できないケース」ではないのですが「しにくいケース」となります。

任意売却で売れなかった場合はどうなる?

悩む女性

任意売却をしても、住宅が売れるとは限りません。その場合にどうなるかを書くと、下の通りです。

以下、それぞれ解説していきます。

競売になる

任意売却で住宅が売れなかったら、競売になります。

  • ローンの支払いができていない
  • 手元に資産がある(住宅)

この状況を考えれば、銀行からしたら「住宅を売らせる」のは当然でしょう。その売らせる方法が競売なので、任意売却をできなかったら競売になる、ということです。

任意売却をできる期間は約1年

任意売却を「できなかった」といっても、「もっと長期間粘れば売れる」可能性もあります。そのため「いつまで任意売却をさせてもらえるのか」という期間が重要です。

結論を書くと、この期間は明確には決まっていません。銀行しだいです。しかし、平均的に「約1年」とされています。

1年の内訳

「約1年」という内訳を書くと、下のようになります。

時期 届く書類・通知
1~5ヶ月後 督促状・催告書
6ヶ月後 「期限の利益喪失」の通知
7ヶ月後 「代位弁済」の通知
8ヶ月後 「不動産差押」の通知
9ヶ月後 「競売開始決定」の通知
10ヶ月後 「現状調査」の実施
13~16カ月後 「競売期間入札」の通知

最後の「競売期間入札」の通知が届いた時点で、競売が始まります。

売野くん
でも「13~16カ月」なので、1年よりちょっと長いですね。
不動先生
はい。ただ、これはあくまで目安なので、早くなる可能性もあります。そのため「約1年」と説明しました。

上記の期間中は、基本的に任意売却をできます。しかし、銀行によっては「半年の任意売却で売れなかったら競売」などのルールを定める場合もあります。

また、ルールも銀行によって決まっているわけではなく「物件や滞納の状況によって変わる」ということもあり得るでしょう。最終的には任意売却をできる期間は「ケースバイケース」と考えて下さい。

まとめ

電卓と家の模型

以上「任意売却できない7つのケース」を中心に、解説してきました。最後に7つのケースを再度まとめると、下の通りです。

  1. 銀行が認めない
  2. 保証人・連帯債務者が認めない
  3. URなど「任意売却不可」の場所から借りた
  4. 競売がもうすぐ
  5. 本人確認をできない・連絡がとれない
  6. 内覧を受け付けられない
  7. マンション管理費の滞納が多い

他にも細かいケースはいくつかありますが、それらのケースも広い意味で見れば、上記のどれかに該当することが多いといえます。逆に言えば、これらのケースに該当しなければ、任意売却はできるということです。

早く動くほど利息も小さくなるので、住宅ローンの支払いができないとわかった時点で、早めに任意売却に向けて動くようにしましょう。