下のようなケースで「農地を売りたい」と思っている方も多いでしょう。
- 親・祖父母から農地を相続した
- 自分が今農地を持っているが、死ぬ前に売ってすっきりさせておきたい
- 農業を引退するので、農地も現金化したい
売りたい理由はさまざまでしょうが、農地を売る選択肢や高く売る方法、区域別のルールなどは共通です。この記事では、農地を売りたい場合の4つの選択肢を中心に、知っておくと役立つ知識をまとめます。
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農地を売りたい時の選択肢・4つ
農地を売りたい場合、選択肢は主に下の4つとなります。
以下、それぞれ解説していきます(なお、上記の4つの方法も含めて、農地の売却については下の記事でも詳しく解説しています)。
不動産会社を通す
多くの人が最初に思いつくのはこの方法でしょう。普通の宅地を売るときは、業者を通して売ることが多いものですが、同じように農地も業者を通して売ることができます。
農地を扱っていない業者も多い
農地は宅地や事業用地よりも特殊なため、中には扱っていない業者もあります。このため、複数の一括査定などを利用し、できるだけ多くの業者にコンタクトをとるのがいいでしょう。
一括査定については、下のイエウールなどを参考にしてみて下さい。
仲介手数料や宅地と大体同じ
農地を扱っている業者であれば、仲介手数料も大体宅地・雑種地などと同じです。「農地は難しいから手数料が高くなる」と思うかもしれませんが「意外に変わらない」のです。
この理由をまとめると、下のようになります。
- 農地を扱っている時点で、その業者にとって農地はそれほど難しくない
- 仲介なら、そもそも業者はリスクを背負っていない
- 一般媒介契約なら「宣伝コストも特にかけない」ので、普通の仲介手数料で十分
簡単にいうと、元から「売れれば儲けもの」「リスクは特にない」ので、特別仲介手数料を高くする必要はないのです。
業者の仲介手数料の計算方法は?
上記のように宅地と同じだったとしたら、一般的に「3%+6万円+消費税」程度です。あくまで目安ではありますが、おおよそこのくらいの金額になると考えて下さい。
農業委員会を通す
各市町村には「農業委員会」があります。この委員会の「農地あっせん」というサービスを利用して、売買するやり方です。
メリット…業者と違い仲介手数料がかからない
農業委員会を通すメリットは「仲介手数料がかからない」こと。役所の業務なので、税金で運営されているわけです。
デメリット…業者より売れにくい
この方法のデメリットは「売れにくい」ことです。当然ながら、役所の仕事なので積極的に売ってはくれません。「買いたいという人がいたら連絡します」というだけです。
農林公社を通す
農林公社は「直接買い取ってくれる」ことがあります。この点が農業委員会との違いです。
- 農業委員会…紹介するだけ
- 農林公社…自ら買い取ってくれることも


農林公社が「手続きだけ行う」ケースが増えた
昔の農林公社は積極的に相談者の農地を買い取っていました。これは「農地保有合理化事業」というものです。
しかし、買い取った農地をうまく活用できないケースが多かったことから、近年では「紹介と手続きをするだけ」という公社が増えています。このため、基本的には「農業委員会とほぼ同じ」と考え、違いは「あわよおくば買い取ってもらえること」と考えましょう。
農家同士で取引
あなたが農家であれば、地元の農家ともある程度付き合いがあるでしょう。そうした農家の方々に「農地いらないか?」と呼びかけ、買い手を探す方法です。
もちろん、知り合いでなくてもかまいません。さまざまな方法で他の農家に直接アプローチし、直接売買をします。
不動産会社を通さない分仲介手数料もかかりません。この分、あなたが農地を安めに売ったとしても、業者に依頼して高値で売るより、トータルの利益が大きくなることもあります。
農地を高値で売る方法は?宅地化して売却するためのポイント
農地を売る人のほとんどは、ただ売るだけでなく「高く売りたい」と思うものでしょう。高く売るには宅地化するのがベストですが、その宅地化をスムーズにするためのポイントを、ここでは解説していきます。
居住用・商業の需要があるので、宅地は高く売れる
上に書いた通り、農地を高値で売りたいなら、宅地化するのがベストです。これは「価格は需要と供給によって決まる」ことを考えれば理解できるでしょう。
- 農地…需要が少ない
- 宅地…需要が多い
このような違いがあるわけです。農地の需要の少なさについては「農家でなければ買えない」という時点でわかるでしょう。「そもそも買いたくても買えない」人がほとんどなのです。
その点、宅地は誰でも買えることに加え、居住用や商業での需要があります。ここでは宅地と書きましたが、たとえば飲食店や小売店、会社の事務所が入るビルなど、一般的な事業で使う用地は宅地です。宅地ならこれらの事業にも使えるため、需要が大きいのです。

このように、普通の事業や居住用として使える宅地に転用することで、需要が飛躍的に伸び、農地も高く売れるようになります(厳密にいうと、その時点ですでに農地ではなくなっているのですが…)。
宅地に転用できるかどうかは、事前の調査が必要
すべての農地が宅地に転用できるわけではありません。後ほど説明する「市街化調整区域の農地」など、宅地化できない農地もあります。
そのため、宅地化して売るときにも「まず宅地化できるかどうかの調査」が必要になります。
不動産会社に売却を依頼すれば、調査も任せられる
当然ながら、宅地転用ができるかどうかの調査は、一般人では難しいものです。法的に「一般人が調査をしてはいけない」というルールはありません。必要な書類などは、それぞれ法務局などの場所に足を運ぶことで手に入ります。
しかし「それを読んでわかるかと言ったら、まったく別問題」なのです。機械の設計図を見ても普通の人は何もわからないように、こうした書類を揃えても「何が書かれているのか」「そこからどうしたらいいのか」は普通の人にはわかりません。
このため、プロに調査を任せる必要があります。農地の売却を不動産会社に依頼すれば、この調査の段階からすべて任せられるのがメリットです。
調査の内容は?主な4つを解説
「宅地化のための調査」といっても、具体的に何をやるのかが気になるでしょう。主な調査内容は下の4つです。
以下、それぞれ解説していきます。
規制調査
その土地を宅地にする上で、どのような規制があるかを調査します。この規制は市区町村の役所で確認できるものですが、不動産会社の有資格者などが足を運んで調査してくれます。
規制の具体例はたとえば「市街化調整区域」に設定されているなどですが、市街化調整区域の詳細は下の記事でも詳しく解説しています。
建築基準法への適合調査
「宅地にする」ことへの規制以外にも「建物を実際に建てる」ことへの規制があります。建築基準法で決められた規制です。この規制に対して「どのような建物を建てればOKとなるか」を調査します。
建基法による規制の具体例の1つは「日影規制」です。日影規制については下の記事を参考にしていただけたらと思います。
インフラ調査
宅地にする・建物を建てるというのがOKでも、そこに水や電気がなければ、普通の人は生活できません。そのため、下のようなインフラの状態を調査します。
- 上下水道
- 電気・都市ガス
特に必要なのは上水道です。これがなければ「水を引けない」ためです。下水道はなくても「浄化槽を使って水を浄化して排水」すれば問題ありません。
電気も水道と並んで重要です。ガスについては「プロパンガス」という巨大なガスボンベを使う方法もあるため、これも宅地化の絶対条件にはなりません。


概算費用調査
宅地化するために必要な費用を割り出します。具体的には下のような費用です。
- 各種の調査費用
- 土地の造成費用
- 水道・電気の引き込み工事費用
この概算は、もちろん業者によって違います。悪質な業者の場合「工事業者とつるんで高めに計算している」ということもあります。
適正な調査のために、複数の業者に相談すべき
上の段落で書いたように、すべての業者が適切な調査をしてくれるとは限りません。法律に関することは嘘をつけませんが、費用に関しては嘘をつけるのです。
もちろん、ほとんどの業者は良心的に経営をしているでしょう。しかし、運悪く嘘をつくような業者に当たってしまう確率もゼロではありません。
そのようなリスクを避けるためには、宅地化のための調査を依頼する段階から、複数の業者に相談するのがベスト。そのためには、信頼できる会社が集まる一括査定のサービスを使うのがいいでしょう。
そのようなサービスを探している人には、下の「いえかつLIFE」を特におすすめします。
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市街化調整区域の農地を売りたい場合
農地の売却の中でも「市街化調整区域の農地を売りたい」というケースもあるでしょう。市街化調整区域での農地売却についてポイントをまとめると下のようになります。
以下、それぞれのポイントについて説明します。
農地のままなら普通に売れる
市街化調整区域の農地でも「農地のまま売る」なら、普通に売れます。もともと農地自体が売れにくいものなので、買手がつくかはわかりません。
しかし、ルール上は市街化調整区域でも農地を売ることに、まったく問題はないわけです。
「宅地転用」は原則不許可
「農地のまま売る」なら、上記のように市街化調整区域でも特にルールが変わることはありません。しかし「宅地に転用して売る」となると、ルールが変わります。
市街化調整区域では、農地を宅地に転用することが「原則不可」です。この理由を説明します。
市街化調整区域は「開発を抑制する地域」のため
そもそも市街化調整区域とは何かというと「開発を抑制する地域」のことです。辞書では下のように説明しています。
都市計画法7条によって定められることとなった都市計画区域の一つで,市街化を抑制すべき区域。
コトバンク「市街化調整区域」
太字部分のように「市街化を抑制する地域」が市街化調整区域なのです。「調整」とは「抑制」のことなんですね。


このような理由から、市街化調整区域では農地の宅地転用が「原則不許可」となります。ただ、例外的に許可をもらえるケースもあるので、まずは地元で農地の売買実績が豊富な不動産屋を探し、相談するようにしましょう。
なお、市街化調整区域のルールも含めて、農地転用については下の記事で詳しく解説しています。
農地の種類別・売却のポイント
農地と一口にいっても、主に下の3つのように種類が分かれます。
売却や農地転用などのルールはいずれも同じです。しかし、土地の性質が違うため、意識するべきポイントも異なります。ここではそれらのポイントを説明していきます。
田んぼ…宅地転用の地盤改良でやや不利
日本の田んぼは水田が多いもの。水田の特徴は「宅地転用した後の地盤が弱い」ということです。
もちろん、しっかり土壌改良をして「畑を転用したときと同様に強い地盤」にすることもできます。しかし、その分土壌改良の費用が多くかかるのが注意点です。
上記の内容の他にも、田んぼを売りたい場合は知っておくべきポイントが多くあります。詳しくは下の記事をご覧ください。
畑…農地で一番宅地に転用しやすい
畑は田んぼより地盤が堅いため、宅地適用に適しています。また、田んぼより一般人でも家庭菜園・日曜農業としてとっつきやすいため、貸し出して利用する選択肢も有効です。
果樹園…転用では樹木の伐採が負担になる
果樹園は地盤は堅いものの、畑と違い「たくさんの樹木」という障害物があります。樹木の伐採・抜根が必要になるため、農地転用が特に難しい種類の土地です。
まとめ
以上、農地を売りたい場合に知るべき内容を解説してきました。最後にポイントをまとめると、下のようになります。
- 農地を売る選択肢は主に4つ
- 「業者・委員会・公社・農家」を相手に売る
- あるいは、宅地に転用して売る
- 市街化調整区域など「転用できないエリア」もある
最後に補足すると「農地を相続することになってしまった」という場合「相続放棄」という選択肢があります。その他の遺産が特にほしいものでなければ、最初から相続放棄をするのもいいでしょう。