親の死後、親の持ち家が残ることは多いものです。この持ち家について、どう処分するか悩む人も多いでしょう。
- どのように処分すればいいか
- どのような手順で処分すればいいか
- 注意すべき点は何か
このような点が気になる人も少なくないでしょう。この記事では上記のポイントを中心に「親の死後に家の処分をどうするか」を解説していきます。
親御さんが亡くなられた方、あるいはその可能性を考慮しなければならない状態の方には、特に参考にしていただけるでしょう。

処分の方法は基本的に売却となりますが、一軒家であれば家つきで売る方法と、更地にして売る方法があります。どちらが良いかは、一度家のある状態で査定を受けることで、初めてわかるものです。
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Contents
親の家の処分方法は?3つの選択肢を解説
親の家の処分方法は、大別して3つです。ここではその3つの方法について解説していきます。
そのまま売却する
一番手っ取り早い処分の方法は、そのまま売却すること。解体工事なども必要なく、買い手さえつけば一番小さな労力で処分できます。
築年数の古い家はほとんど値段がつかないと思うかもしれませんが、多くの業者から見積もりをとることで、予想外の高値がつくこともあります。まずは一括査定などを受けて、できるだけ高く買い取ってくれる(あるいは仲介で売ってくれる)業者を探しましょう。
更地にして売る
下のような条件では、家を取り壊して更地にして売る方が良いことが多くあります。
- 老朽化がひどい
- 間取りが特殊である
- 親が孤独死したなどの事故物件である
これらの状況では、家を解体してから売る更地渡しも検討しましょう。更地渡しについては、下の記事で詳しく解説しています。
賃貸に出す
完全に処分するわけではありませんが、使い道としては賃貸という選択肢もあります。都心部などにあり、立地条件の良い物件であればこのような活用方法を検討するのもいいでしょう。
親の死後に家を処分するときにやることは?3つの手順を解説
親の死後に家を処分するといっても、具体的に何をするのかイメージが湧かない人も多いでしょう。ここでは、その点を解説していきます。
遺品整理
まずは遺品整理を行います。親が残した小物だけでなく、家具や家電などの大物も片付けます。売却できるものについては、売却して現金化することも可能です。
遺品整理の中で特に重要なのは、銀行通帳や不動産の登記簿謄本など、財産に関わるものです。これらを早めに探し出して整理し、次の段階の遺産分割協議に進みましょう(相続税には10ヶ月以内という申告期限があるためです)。
遺産分割協議
これは、兄弟などの他の相続人と、どのように遺産を分け合うか話し合うものです。話し合いの結果を「遺産分割協議書」として書類にまとめます。
これは法的に作成が義務付けられているものではありません。しかし、相続税の申告や、不動産の名義変更をする際には必要になります。そのため、ほとんどの遺産相続のケースで作成されるものです。
相続(名義変更)
遺産分割協議は、あくまで家族間の話し合いです。法律的に何かが変わったわけではありません。
不動産や自動車など、役所が名義を管理している財産については、名義変更が必要です。名義変更をして初めて、相続をしたことになります。
どこで名義変更をするのか?
これは法務局です。不動産の名義は「登記簿謄本」に書かれています。その登記簿謄本を管理しているのが法務局だからです。
名義変更は自力でできるか?
これは自力でもできます。やり方や費用などの詳細は、下の記事で詳しく解説しています。
ただ、このような法的な手続きは、普通の人には難しいものです。法律事務所などに勤務し、日頃からこのような仕事を経験している方なら別ですが、そうでなければ司法書士に依頼する方が断然スムーズでしょう。
費用も、自力で手続きをする分の時給・日給を考慮すれば、明らかに安い金額です。司法書士に依頼する際の費用相場などは、下の記事を参考にしていただけたらと思います。
また、どのような理由で司法書士が必要なのか、根本的な部分を知りたい人は下の記事を参考になさってみてください。
【参考】不動産売却では司法書士が必要?~費用の相場や登記の必要書類を解説~
名義変更にかかる費用は?
名義変更で必ずかかる費用は「登録免許税」です。これは「登記簿を書き換える手数料」と考えてください。法律的に必ず必要な費用であるため「法定費用」とも呼ばれます。
登録免許税の計算方法
これは「固定資産税評価額×税率」です。税率はケースによって異なりますが、相続なら「0.4%」です。相続にもいくつかのパターンがありますが、一般的な「所有権移転登記」であれば、0.4%となります。
固定資産税評価額は、毎年4月頃に通知される固定資産税の課税通知書でわかります。この通知書が見つからない場合は、役所で「固定資産税課税台帳」を見ればわかります。発行は数百円で可能です。
計算の具体例
たとえば、固定資産税評価額が1000万円だったとします。その場合、1000万円×0.4%で「4万円」が登録免許税となります。
登録免許税は「登記簿を書き換えるだけの費用」なので、それほど高くないのです。利益が出た人に課税する譲渡所得税などは高くなりますが、名義の書き換えだけで利益に関係のない登録免許税については、低税率となっています。

司法書士に依頼する場合の報酬
名義変更の費用は、登録免許税の他にも「司法書士への依頼報酬」があります。もちろん、依頼した場合のみ必要なものです。
この報酬の相場は「6万円」です。日本司法書士連合会のホームページのデータからわかります。安ければ3万円台から、高ければ10万円台となっています。
名義変更に必要な書類は?
名義変更に必要な書類は、下の3通りに分類できます。
被相続人(親)の書類 | 戸籍謄本・住民票 |
---|---|
相続人(子供)全員の書類 | 戸籍謄本・住民票・委任状(司法書士に依頼する場合) |
不動産自体に関わる書類 | 固定資産税評価証明書 |
以下、補足が必要な書類について解説していきます。
親の戸籍謄本
これは、基本的に「出生から死亡まで」のすべてと思ってください。途中で結婚などにより戸籍が変わっていれば、過去のものも含めてすべて必要になるということです。
「出生時の戸籍」は不要なこともあります。親の年齢によっては「出生時の戸籍を取得できない」こともあるためです。その場合は「10歳前後から」とされます。
親の住民票
これは正確には「住民票除票」となります。除票とは「そこの市区町村の住民ではなくなった」という「除外証明書」というべきものです。
これは引越しなどでも該当しますが、死亡も「住民でなくなる」ため、除票となります。死亡時に役所に死亡届は出しているはずなので、それが共有されて自動的に除票となっています。
委任状
司法書士やその他の人(こうした手続きが得意な人)に依頼する場合は、その人への委任状が必要となります。委任状も、相続人全員の分が必要です。
固定資産税評価証明書
これは役所で発行できます。発行手数料は数百円で、すぐにできます。「固定資産税課税台帳・名寄帳」などの名前で呼ばれることもあります。
その他に必要な書類
ここまで解説したのは「どんな相続でも必要となる書類」です。その他、下の2通りのパターンでは、それぞれ必要な書類が追加されます。
- 遺産分割協議を行って相続する
- 遺言によって相続する
どちらも「法定相続とは違う分割ルールで相続する」ということです。その場合は、その分割で合意をとれていることの証明として、別の書類が必要となります(ここまで書いた書類に加え)。
遺産分割協議を行って相続する場合
この場合、下の2つの書類が追加で必要になります。
- 遺産分割協議書
- 相続関係説明図(任意)
遺産分割協議書は「このような分割の話し合いをしました」という証拠資料です。この協議書は下の条件を満たす必要があります。
- 相続人全員がサイン(自著)をしている
- 相続人全員が、実印で押印している
- 相続人全員の印鑑証明書が添付されている
要は「この協議書は、相続人全員が合意したものである」「捺印されている印鑑も本物である」という証明ができているということです。
遺言によって相続する場合
遺産分割協議は「遺族が話し合って決める」ものです。たとえば兄弟姉妹で話し合います。これとは異なり「故人が遺言で決める」相続もあります。
この場合は、最初に紹介した書類に加えて、下のものが必要になります。
- 遺言証書
- 相続関係説明図(任意)
遺言証書は「遺言状」のことです。遺言には下の3通りがありますが、それぞれに遺言証書が存在します。
公正証書遺言 | 公正証書 |
---|---|
自筆証書遺言 | 自筆の遺言状(必ず本人直筆) |
秘密証書遺言 | 公正証書 |
基本的には「公正証書が多い」と考えてください。公正証書は公証人役場で、公証人の立ち会いのもとで作成します。故人(親)が生前に作成しているものです。
秘密証書遺言は基本的に公正証書遺言で、遺言の存在を生前に秘密にしているかどうか、という点のみが違います。どの種類にしても、このような遺言証書が必要になります。
相続関係説明図は、その相続人と被相続人がどのような関係かを示すものです。この提出は任意なので、なしでもかまいません(ある方が手続きが早くなる場合があります)。

親の死後に家を処分するには、ここまで書いたような作業をする必要があります。もしこれらの作業を負担に感じるようであれば「業者にすべて任せる」というのもいいでしょう。
そのように手続きをすべて任せる場合にどのくらいの費用がかかるのか、そもそも家がいくらで売れるのかは、やはり業者に直接確認するのが一番です。その際も、複数社に一斉に確認できる一括査定が便利でしょう。
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売却の前に必要な作業は?親の死後に家を売るときにやること・3つ
先に書いた「売買全体の流れ」と合わせ、その「流れに入る前」にやるべき作業も複数あります。その中でも、特に多くの人の売却に当てはまる(必要になる)作業を2つ解説します。
境界線の確認(明確な資料がない場合)
古い家や、液状化現象などで地盤に変化が起きた土地の場合、境界線が曖昧になっていることがあります。現状の測量図などで「売却するには不十分」という精度だった場合は、境界線の確認が必要となります。
「確定測量図」があれば問題なし
現時点で「確定測量図」がある場合は、境界線が完全に確定しているため問題ありません。これがない場合も「筆界確認書」があれば、売却はできることが多いものです。
「筆界確認書」とは
これは「個別の境界線」を確認し、作成された書類です。たとえばAさんの家の両隣に、Bさん・Cさんの家があったとします。
その場合「AB間・AC間」という2種類の境界があります。それぞれの境界について、確認された書類ということです。


筆界確認書が揃っているかわからないなどのケースでは、一度不動産業者に相談しましょう。
境界が確認できないときは測量が必要
確定測量図や筆界確認書で境界を確認できないときには、測量が必要になります。測量は、業者に依頼するだけではできません。下の2者の立ち会いが必要となります。
- 隣地所有者
- 買い主
これに売り主の自分も合わせて、3者が揃って測量を行うわけです。こうすれば、売り主・買い主・隣地所有者と、関係者全員の合意がとれた境界線が決定します。そのため、売却後にトラブルになることも(通常は)ないわけです。
立ち会って測量をしても境界が決まらない場合
上記のように関係者全員が立ち会っても、必ず境界線が決まるとは限りません。特に買い主が「すぐに売却できないように困らせて、有利な条件を引き出そう」と考えている場合などもあります。あるいは、過去に個人的な怨恨があったら、それが原因で測量に協力しないこともあるでしょう。
このような場合は、しばらくは測量士事務所などの第三者を交えて、交渉を続けることになります。その交渉でも決着がつかなければ最終的には裁判が必要です。
こうした隣地境界に関するトラブルについては、下の記事を参考にしていただけたらと思います。
購入額がわかる資料の捜索(節税のため)
親が過去にその家を購入していた場合、売買契約書などの資料があります。このような資料があると大幅な節税につながるため、極力探し出すようにしましょう。
なぜ節税になるのか
これは、購入額が「コスト」として扱われるためです。税金は「利益」に対して課税されます。利益は「売上-コスト」であるため、コストが大きいほど小さくなるのです。利益が小さくなれば、それだけ税金も安くなります。
そして、そのコスト(購入額)を証明するのが、売買契約書などの資料ということです。
利益(譲渡所得)の計算式
不動産を売ったときの利益のことを「譲渡所得」といいます。譲渡所得の計算式は下の通りです。
譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用
それぞれの意味は下の通りです。
- 譲渡所得…利益
- 譲渡価額…売上
- 取得費……コスト(購入額)
- 譲渡費用…売却にかかったコスト(不動産会社に支払う仲介手数料など)
つまり、先程の計算式は下記のようになります。
利益=売上-コスト(購入時)-コスト(売却時)
全体的には「利益=売上-コスト」というシンプルな式です。このような計算によって、購入時の金額がわかると利益が小さくなり、節税につながるということです。
「税金を払わなくていい」ことも多い
親の死後に家を売るとなると「相当な築年数が経過している」ことが多いでしょう。この場合、基本的に「買ったときより安くなっている」はずです。
その場合、売上がコストを下回るわけなので、利益は出ません。赤字となります。つまり「税金を払わなくていい」ということも多いのです。
「家を売るほどのことをして、税金がかからないのか?」と思うかもしれませんが、実際にそうなることが多いのです。税制は「個人が住む家については甘い」「投資家が売買する物件については厳しい」というルールになっています。

仏壇の引越し・処分を行う
親の死後に家を売るとき、意外に手間取るのが「仏壇の引っ越し・処分」です。子供の家などでそのまま使うなら引越し、使わないなら処分をする必要があります。
引越し…魂抜き・魂入れを行う
仏壇の引越しをするときには、魂抜き・魂入れと呼ばれる儀式を行う必要があります。これは日頃からお世話になっている菩提寺に依頼します。
めったにないことですが、菩提寺に依頼できない事情があるときには、菩提寺と同じ宗派のお寺を近場で探し、依頼するようにしましょう。
処分…お焚き上げを行う
処分する場合は「お焚き上げ」と呼ばれる供養を行います。お焚き上げとは「浄火によって天に還す」儀式です。お寺でも神社でも行われるもので、特に神社でお正月に行う「どんど焼き」のイメージが強いでしょう。
どの宗派でも仏壇をお焚き上げで処分するわけではありません。しかし、メジャーな宗派のほとんどはお焚き上げで処分すると考えてください。
親の家を処分するときの注意点
親の家を処分するとき、どのような点に注意すればいいかも気になるでしょう。ここでは特に重要な2つのポイントを解説していきます。
家族・兄弟での共有持分は極力避ける
不動産を共有持分にすると、売却・賃貸・リフォームなど、あらゆる作業を行いにくくなります。そのため、不動産の価値が大きく下落することに加え、その状態を抜け出すためのアクションも取りづらくなります。
特殊な事情がない限り、家族や兄弟が相手であっても「不動産を共有持分にはしない」ことが鉄則です。共有持分の不動産の売却などの難しさについては、下の記事を参考にしていただけたらと思います。
すでに共有持分になっている場合、物件によっては放棄も考える
不動産は、誰も管理人のいない状態では放棄できません。しかし、共有持分であれば「他の共有者が管理人となる」ため、放棄できます。
これは「最後の一人」にならない限りは、完全に自由にできるものです。「どう考えても価値がなく、放棄すべき物件である」と感じたときには、このような選択肢もあります。
家族で「ババ抜き」のようなことをするケースは少ないでしょうが、何らかの事情で赤の他人と共有名義になっている場合などは、このような共有持分の放棄も検討するべきでしょう。この点については、下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
親の死後の家をどうするかは、日本中の家庭が抱えている悩みです。高齢化と人口減少が進むことで、今後ますます「親の死後の家」の価値は下がっていくでしょう。
そのため、少しでも価値が高いうちに査定を受け、有利な条件で売却することを考えるべきといえます。そのためのアクションの1つとして、まずはお気軽に一括査定を受けてみてはいかがでしょうか。

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