土地の価格を調べていると、路線価・実勢価格という言葉を目にすることが多くあります。不動産初心者のうちは、これらの言葉の意味がわからないことが多いでしょう。
まず、それぞれの意味を簡単に書くと下記の通りです。
路線価 | 税金を計算するときの基準になる金額 |
---|---|
実勢価格 | 実際に売買が成立する価格 |
どちらも、意味自体はそれほど難しいものではありません。問題は、自分の希望する実勢価格を実現できるかどうかです。
たとえば土地を売るのであれば、知識も大事ですが、何より大事なのは「実際に土地を高く売れること」でしょう。この記事はそうした「最も重要な目的」を実現できるよう、下のような内容を解説していきます。
- 路線価・実勢価格、それぞれの意味
- 路線価・実勢価格の違い
- それぞれの計算方法
- 両者の乖離率
- それぞれの目安金額
これらの内容を読んでいただくことで、路線価・実勢価格の意味を理解できるだけでなく、土地を希望通りの価格で売買するための知識も、獲得していただけるでしょう。

現時点で土地を持っていて、それを高く売りたい場合、できるだけ多くの不動産会社で査定を受けるのがベスト。複数の査定を受けることで、不動産会社同士の競争が発生し、提示される買取価格も高くなります。
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路線価・実勢価格の意味
最初に路線価と実勢価格、それぞれの意味を説明しましょう。
路線価とは
路線価とは、簡単にいうと「国が決める地価」です。道路に面する宅地「1㎡あたり」の金額を表します。
この金額というのは「評価額」です。市場での価格ではありません。
評価額とは
評価額は「税金を計算するときの基準になる金額」です。
- 固定資産税
- 相続税
- 贈与税
上記のような税金を計算するときに、評価額を用います。たとえば固定資産税なら税率1.4%です。
1000万円の土地を持っていたとすると、1000万円の1.4%で「14万円」が固定資産税となります。このように「税率をかける元になる金額」が評価額です。
路線価はその評価額を「1平方メートルあたり」で表し、かつ「道路に面している宅地」に絞って設定しているということです。これが「路線」という言葉の意味です。


参考…辞書での定義
辞書(ブリタニカ国際大百科事典)では、路線価は下のように定義されています。
道路(路線)に面する宅地 1m2あたりの評価額。相続税や贈与税を算定するときの基準として適用される。
コトバンク「路線価」
実勢価格とは
実勢価格とは「実際に売買が成立する価格」です。「民間の価格」というとわかりやすいでしょう。
もちろん、民間の価格といっても「まだ売買が成立していない」なら、それは厳密には実勢価格とはいえません。たとえば物件情報サイトで「2000万円で売ります」と書かれているだけなら、それは完全な実勢価格ではないのです。
たとえば、明らかに100万円の価値しかない土地を「2000万円で売り出した」としても、誰もそれを実勢価格とは認めないでしょう。このため、実勢価格は「売買が成立した」あるいは「するだろう」価格となります。


路線価と実勢価格の違い
路線価や実勢価格の意味は、両者の違いを比較することで、よりわかりやすくなります。両者の違いは下の通りです。
以下、それぞれの違いについて解説していきます。
国が決めるか、民間が決めるか
最大の違いは「誰が決めるか」です。
- 路線価…国
- 実勢価格…民間
上記のようになっています。路線価の「国」というのは国税庁のことです。
路線価は毎年国税庁が決める
路線価は毎年8月に国税庁によって発表されます。基準となっている時点は、毎年1月1日です。
路線価を決めるには、不動産鑑定をする必要があります。当然ながら、鑑定から路線価の決定まではタイムラグがあります。そのため、単純化すると下のような流れになるわけです。
- 1月1日…不動産鑑定をする
- 8月1日…決定した路線価を発表する

「8月1日」というのもたとえですが、こうして年度の初期に行った鑑定の結果を、8月に発表します。
実勢価格は民間人が決める
実勢価格は路線価と違い、民間人が決めるものです。具体的に誰かというと、下のような人々です。
- 土地の買い手
- 土地の売り手
- 不動産会社
- 不動産鑑定士(実際にその土地を鑑定した場合)


その次の「不動産会社」ですが、これは「彼らは買い手にも売り手にもなる」という意味です。仲介するだけのこともありますが、自ら売買することもあります。
個人にしても法人にしても、民間の売買の積み重ねで実勢価格が生まれるので、不動産会社も「実勢価格を決めている人・団体の1つ」といえます。
不動産鑑定士による決定
ここまでの三者(買い手・売り手・不動産会社)は、すべて「需要と供給」に関わる人たちでした。これと違い、不動産鑑定士は「需要と供給とは別の要素も踏まえて、価格を決めます。
近隣の売買事例なども見るのですが「物件の状態」なども、専門知識を総動員して価格を評価します。場合によっては測量や、耐震調査なども行います。
このような「客観的なデータ」も盛り込む点で、一番信頼がおける価格は「不動産鑑定士が出した金額」です。実際、国税庁が路線価を決める際にも、実績のある不動産鑑定士たちを起用しています。
もし不動産鑑定士による鑑定に興味がある場合は、下の記事を参考にしてみてください。
金額が決まっているか、いないか
「金額が固定されているか、いないか」という点も、路線価と実勢価格の大きな違いです。
- 路線価…固定
- 実勢価格…固定でない


税金を計算するための数字は、固定でないと困る
路線価は「評価額」です。評価額は「税金を計算するための金額」です。これが毎日変動してしまうと、誰もが混乱します。役所だけでなく、課税される我々一般人も混乱してしまうわけです。
このため、路線価は固定されています。路線価だけでなく、税金の計算にかかる評価額はほぼすべて固定されているものです。
固定といっても、路線価は毎年見直しを行います。1年間は固定されますが、翌年は変わる可能性があるということです。
参考…「固定資産税評価額」は3年ごとに見直し
固定資産税を決める元となる「固定資産税評価額」は、路線価と違い「3年ごと」の見直しとなっています。これを「評価替え」といいます。
すべての評価額が路線価のように毎年発表されるわけではないので、その点は混同しないようにして下さい。
どんな場面で使われるか
路線価と実勢価格の違いは「使われる場面」にもあります。
- 路線価…税金の計算
- 実勢価格…売買
正確には、路線価は売買の参考にされることもあります。しかし「路線価も参考データの1つとして生み出された価格」が実勢価格です。つまり、売買で最終的に使われる価格は「実勢価格」といえます。

実勢価格が税金の計算に使われることはない
路線価は売買の参考にも使われます。しかし、その逆で「実勢価格が税金の計算に使われる」ということはありません。理由は下の通りです。
- 実勢価格は大きく変動する
- バブルだと、通常ではありえない金額になることも
- そのような金額で課税されると、国民の側が困る
- 逆に暴落で税金が安くなりすぎても、国全体が困る
- よって、実勢価格は税金の計算には使われない
税金というと、国から徴収されるお金として悪いイメージがあるかもしれません。しかし、税金があるから安心して生活できるという側面もあります。
その税収は安定している方がいいため、不安定な実勢価格を、税金の計算に使うことはないわけです。
路線価の調べ方(路線価図の見方)
路線価の調べ方は「路線価図を見る」ことです。このため、路線価図の見方を知る必要があります。
路線価図には、路線価以外にも多くの情報が書き込まれています。借地価格や用途地区などですが、それらの情報の見方も合わせて解説していきましょう。

「路線価」の調べ方
路線価は「路線価図」に書かれています。「どこにどう書かれているのか」を解説しましょう。
まず、国税庁の「路線価図・評価倍率表」にアクセスします。下のような画面のページです。
調べたい都道府県を選択します。たとえば「東京都」を選択すると下の画像のようになります。
一番上に「東京都」という文字があるのが見えるでしょう。他の都道府県だと、この県名部分が変わります。他の違いはありません。
そして、メニューの中の一番上「路線価図」をクリックします。すると、下の画像面になります。
東京都なので、まず「23区」が出ます。上の画面では「特別区」と書かれています。
この中から「豊島区」を選択してみます。すると、下のような画面になります。
五十音で池袋が先頭なので、池袋の地名が出てきます。ここでは「池袋本町1」の「44012」のページを選択してみましょう。すると、下のような画面になります。
この中から、見たい場所を拡大して見ます。今回は「池袋小学校」の近くを見てみます。拡大した図が下のものです。
たとえば黄色の部分は「680C」と書かれています。これは下のような意味です。
- 路線価は「680千円」である
- 借地権割合は「C」である
680千円ということは「680,000円」であり、「68万円」です。路線価図は千円単位なので、このような表記になっています。
路線価を調べるだけなら借地権割合は関係ありません。そのため、この時点で「路線価=68万円」とわかります。これが「路線価の調べ方」です。
「借地権割合」の調べ方
上の段落の説明で「C」として登場した借地権割合。この意味ですが、「路線価図の上」を見るとわかります。下の画像の黄色部分です。
拡大すると下の画像のようになります。
黄色部分のように「C=70%」となっています。よって、上のエリアの借地権割合は「70%」です。
「68万円×70%=47万6000円」となり、このエリアの借地権価格は「1平方メートル当たり・47万6000円」とわかります。もちろん、これは「路線価に従うのであれば、その価格」ということであり、実際の価格がどうなるかはケースバイケースです。
「年度」の見方
年度の見方はシンプルです。下の画面の右上(黄色部分)に書かれています。
拡大すると下の通りです。今回は大田区で見たので「大田区 30」と書かれています。30というのは「平成30年度」のことです。


「用途地区」の見方
用途地区は、下の黄色部分に書かれています。
拡大すると下の通りです。
まず、地区の種類が下のように分かれています。
- ビル街地区
- 高度商業地区
- 繁華街地区
- 普通商業地区
- 併用住宅地区
- 中小工場地区
- 大工場地区
- 普通住宅地区
次に「黒塗り・斜線・白塗り」が何を意味するかを書くと、下記の通りです。
黒塗り | その地区区分が「黒塗り側の道路」に、該当「する」 |
---|---|
斜線 | その地区区分は「斜線側の道路」には、該当「しない」 |
白塗り(何もなし) | その地区区分は「その路線全域」に該当「する」 |
簡単にいうと下のようになります。
- 黒塗り…部分肯定
- 斜線……部分否定
- 白塗り…全体肯定
こうして部分的に肯定したり否定したりするのは「どの道路の路線価が適用されるのか」を示すためです。
- ほとんどの土地は「いくつかの道路」に囲まれている
- そのため「路線価」が複数発生することがある
- このため「こっちの路線価を適用する・しない」と指定する必要がある
このような理由から、黒塗り・斜線・白塗りなどの表示を使っているわけです。
用途地区の表示を実際に見てみる
実際の路線価図でどう表示されているかというと、たとえば下のような様子です。
これは「繁華街地区」で、それに該当するのは「南側道路沿い」ということです。
北側は斜線なので「繁華街地区ではない」という意味です。また、南側でも「道路沿い」ではない「奥まった部分」については、やはり繁華街地区ではない、ということです。
(もし白塗りだったら「南側は、奥まった部分もすべて「繁華街地区である」となります)

路線価や借地権価格は有力な情報ですが、実際の取り引きでどこまでこれらの数値が反映されるかは、ケースバイケースです。これらの公的なデータがどこまで実勢価格に反映されるかなど、実践的な情報は業者から聞き出すのがベストです。
しかし、1社だけでは「その業者に都合のいい情報」で誘導される恐れもあります。そのため、下のイエウールのようなサイトで、複数社による一括査定を受け、業者から提供される情報を比較するのがいいでしょう。
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路線価と実勢価格の計算方法
路線価と実勢価格は、下のような方法・式で計算できます。
以下、それぞれ詳しく説明していきます。
路線価は公示価格の8割程度
一般的に、路線価は公示価格の8割程度とされています。この理由は「相続税が不当に高くなることを防ぐ」ためです。
「不当に高くなる」とは?なぜ防げる?
箇条書きで説明すると、下記の通りです。
- 相続税の金額は「相続税路線価」で決まる
- この路線価は「1月1日」に決まる
- 一方、相続が発生するのは「死亡時」である
- このため、常に両者のタイミングに「ズレ」がある


地価が大きく下落するケース
たとえば1月1日の時点で、地価が1000万円だったとします。しかし、年度の途中でこの地価が「800万円」に急落してしまったとしましょう。その場合、相続税を支払う相続人たちは、下のような状況に陥ります。
- 相続税は「1000万円の地価」で計算される
- しかし、土地の価値は「800万円」まで落ちている
- 500万円の土地なのに、1000万円分の税金を払わなければいけない
これは明らかに「相続人たちが不利」なわけです。場合によっては「相続税の支払いができない」ということも起こりえます。
このため「事前に割引」しておく
このような急落を想定し、路線価は「事前に2割引」しておくのです。2割引きしておけば、上の例え話のケースでも、問題なく支払いをできます(ちょうど2割の下落なので)。
基本的に、念の途中で「土地の価値が2割以上落ちる」ということは、めったにありません。ごく稀にあったとしても「地震によって液状化が起きた」など、国税庁に事情を話せば、納税の猶予をもらえるようなケースです。
このため、事前に8割まで評価を下げておけば「大抵は問題なく納税でき」ます。このような理由で「路線価は、あらかじめ公示価格の8割程度にしておく」のです。
路線価と公示価格の計算式
上記のように「路線価は公示価格の8割程度」のため、それぞれの金額は下の計算式で出せます。
- 路線価=公示価格×0.8
- 公示価格=路線価÷0.8


公示価格とは?
公示価格も路線価と同じく「国が決める地価」です。ただし、決める組織が違います。
- 路線価…国税庁
- 公示価格…国土交通省(国交省)
公示価格は、毎年1月1日の時点で、全国の2万5000箇所で設定されます。これを「標準地」といいますが、最寄りの標準地の金額を参考にして、すべての土地の公示価格を(大体)算出できます。
実勢価格は公示価格の1.1倍~1.2倍
実勢価格の計算方法は「公示価格の1.1倍~1.2倍」とされます。これも明確なルールはありませんが、一般的にそのくらいが相場とされているものです。
路線価から実勢価格を求める計算式
ここまでに説明した内容を融合すると、路線価から実勢価格を求めることができます。
- 路線価から、公示価格を出せる
- 公示価格から、実勢価格を出せる
上記が、これまで説明してきた内容です。これをつなげると「路線価→公示価格→実勢価格」という順番で、「路線価→実勢価格」を算出できるのです。
式にすると?
上記の流れを計算式にすると、下の通りです。
実勢価格=路線価÷0.7×1.1


実勢価格=路線価÷0.8×1.1


実際の計算例
試しに、路線価を「10万円」として、計算してみましょう。まず「0.7と0.8」「1.1と1.2」を変えた組み合わせは、下の4通りとなります。
- 路線価÷0.7×1.1
- 路線価÷0.7×1.2
- 路線価÷0.8×1.1
- 路線価÷0.8×1.2
この路線価に「10万円」を挿入するので、それぞれの答え(実勢価格)は下のようになります。
- 15万7142円
- 17万1428円
- 13万7500円
- 15万円


なお、計算式を「金額が大きくなる順」に並べると、下の通りです。
- 路線価÷0.7×1.2
- 路線価÷0.7×1.1
- 路線価÷0.8×1.2
- 路線価÷0.8×1.1


なお、参考までに書くと「10万円を0.7、0.8で割った数」は、それぞれ下のようになります(上記の計算を確かめたいときに使ってください)。
- 10万円÷0.7=14万2857円
- 10万円÷0.8=12万5000円


路線価と実勢価格の乖離
路線価と実勢価格は、ある程度乖離します。国が決めた地価と市場が決めた地価なので、これは当然です。
問題はそれがどのくらい乖離するかですが、ポイントをまとめると下のようになります。
以下、それぞれ詳しく説明していきます。
乖離率の目安は「1.37~1.71」
この数字は「実勢価格が、路線価の1.37倍から1.71倍になる」という意味です。もちろん、絶対に決っているわけではありません。あくまで目安です。
計算式を単純化すると乖離率が出る
この目安は、先ほど解説した「路線価から実勢価格を求める計算式」を単純化したものです。もう一度、4通りの計算式を出します。
- 実勢価格=路線価÷0.7×1.1
- 実勢価格=路線価÷0.7×1.2
- 実勢価格=路線価÷0.8×1.1
- 実勢価格=路線価÷0.8×1.2
どの計算式も、後半の掛け算部分「0.7×1.1」などを単純化できます。単純化すると、下のようになります。
- 実勢価格=路線価×1.71
- 実勢価格=路線価×1.5
- 実勢価格=路線価×1.57
- 実勢価格=路線価×1.37
この中で、一番小さい「1.37」と、一番大きい「1.71」をとって「乖離率は1.37倍~1.71倍」としたわけです。


- まず、最後の掛け算「×1.1、×1.2」は、当然数字が大きくなる
- 続いて、その前の割り算「÷0.7、÷0.8」も、数字が大きくなる(小数の割り算なので)



実際の乖離率は物件によってバラバラ
上のように書いたものの、この乖離率はあくまで目安です。市場の価格が大人しく「実勢価格=路線価÷0.7×1.1」などの4つの計算式に従ってくれた場合です。


どのくらいバラバラになるかは、「かなり突飛なケース」もあるので、一概にはいえません。しかし、その「バラバラなすべての数値」を集計すると、大体上記のような乖離率になるということです。
特に価格が乖離する例
特に乖離するのは「事故物件」や「訳あり物件」です。自殺や殺人などが起きた事故物件は建物だけでなく、土地でも関係します。
建物を取り壊せば、建物が残っているときよりは「大分マシ」になります。しかし、土地自体もやはり「告知義務」があるため、事故物件であることには変わりがないのです。
このような事故物件の市場価格については、下の記事でも詳しく解説しています。
また、そのような事故物件を売りたい・買いたいという場合は、下の記事を参考にしてみてください(売るための記事ですが、買いたい場合も記事内の業者に連絡をとれば買いやすいといえます)。
自殺・殺人などの事故物件の買取業者・おすすめ6選~高く売る方法も解説~

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路線価と実勢価格の目安
路線価にしても実勢価格にしても「とりあえず、大体の目安を知りたい」ということはあるでしょう。もちろん、路線価は国税庁のホームページで公開されているので、調べればわかります。
しかし「調べるほどではないから、とりあえずの数字を知りたい」ということもあるかと思います。実勢価格についても同様です。
その前提で両者の目安をまとめると、下のようになります。
- 東京23区の平均路線価…約46万円
- 東京都全体の平均路線価…約35万円
- 路線価がない土地…「倍率方式」で計算
- 実勢価格の目安(1)…路線価×乖離率(1.37~1.71)
- 実勢価格の目安(2)…「土地総合情報システム」の価格
以下、それぞれの目安について解説していきます。
東京23区の平均路線価…約46万円
国土交通省が2018年に発表した東京23区の公示価格は57万2300円でした(住宅地の平均公示価格)。これを約57万円とします。
そして、路線価はここまで書いてきた通り、公示価格(公示地価)の80%程度です。このため、57万円×0.8で約46万円となります。


このような理由で、少々計算が必要になりますが、ひとまず「東京23区では、大体46万円くらい」と考えてください。これは1㎡あたりの価格なので、これに面積をかけて地価を出します。
東京都全体の平均路線価…約28万円
東京23区でなく「東京都全体」になると、もっと安くなります。公示価格は約35万円、その80%なので約28万円です。


路線価がない土地…「倍率方式」で計算
国税庁のサイトでも路線価が設定されていない土地があります。その場合は目安というより計算方法があり、「倍率方式」という計算法を使います。
「固定資産税評価額×一定倍率」という計算式です。この一定倍率ですが、これは「評価倍率表」という、国税庁の資料に記載されています。評価倍率表は国税庁のホームページで閲覧可能です。



実勢価格の目安(1)…路線価×乖離率(1.37~1.71)
ここまでは、路線価の目安を書いてきました。実勢価格の目安は2つありますが、1つ目は「路線価×乖離率」です。これは先ほど「乖離」の段落で解説した通りです。
路線価はほとんどの土地で設定されているため、それを調べて、上記の乖離率(1.37倍~1.71倍)を掛ければ、実勢価格の目安になります。
実勢価格の目安(2)…「土地総合情報システム」の価格
実勢価格はそもそも「売買が成立する価格」なので、過去の事例を見ればある程度目安がつくもの。その過去の事例が集まっている公的なサイトが「土地総合情報システム」です。
これは国土交通省が運営しているサイトで、レインズのように実際の取引で売買された価格を確認できます。路線価や公示地価とはだいぶ離れるかもしれませんが、こちらの方が「現実的な目安」といえるでしょう。
その他「普通の物件情報サイト」に掲載されている値段も、ある程度の目安にはなります(大体それくらいの値段で売れると思い、売り手も掲載しているわけですから)。
まとめ
以上、路線価と実勢価格の意味や違い、計算方法などを解説してきました。最後にポイントをまとめると、下のようになります。
- 路線価は国が決める地価
- 実勢価格は、実際の売買で決まる地価
- 乖離率は、実勢価格が路線価の1.37倍~1.71倍程度になる
- もっと簡単にいうと「路線価は実勢価格の7~8割程度
- 路線価は国税庁のサイトでわかる
- 実勢価格は国交省の「土地総合情報システム」で目安がつく
路線価や実勢価格を知らなくても不動産の売却はできますが、知識がない分、不利な価格で売ってしまう可能性もあります。そのような事態を招かないよう、こうした用語もある程度理解して売却に臨むといいでしょう。

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査定申し込み後の業者の行動も厳正にチェック。クレームの多い企業は排除され、優良な業者のみで運営されている点も安心できます。
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