相続登記(不動産名義変更)は自分でできる!やり方・費用・協議書の書き方を解説

不動産を相続するときは、その登記(名義変更)が必要になります。これを司法書士に依頼すると5万円程度するため「自分でやる方法はないか?」と考えることもあるでしょう。

この記事では、相続登記(不動産名義変更)を自分でやる方法、書類の書き方などを解説していきます。不動産の相続が決定し、その登記をできるだけ安く済ませたいという方にとって、特に参考にしていただけるでしょう。


自分でやる方法はあるものの、やはり相続登記(不動産名義変更)を自分でするのは難しいものです。当記事ではできるだけわかりやすく解説しましたが、もし「難しい」と感じたら、下のような相談サービスもチェックしていただくといいでしょう。

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この記事を読んでわかること
  • 相続登記(不動産名義変更)を自分でやる方法
  • 自分でやるときにかかる費用
  • 書類(遺産分割協議書)の書き方

相続登記(不動産名義変更)を自分でやる方法・3つの手順

法務局のカウンターでサインする人

相続登記(不動産名義変更)を自分で行う場合、手順は下の3ステップとなります。

より簡単に書くと、下の通りです。

  1. 書類を集める
  2. 書類を作る
  3. 法務局に行く

以下、それぞれのステップについて詳しく解説していきます。

必要な書類を集める(住民票など)

まず、必要な書類を集めます。これは「役所が発行する書類」です。民間人が作成する書類を集めることはありません。

集める書類・一覧

これは「亡くなった人」「相続する人」のそれぞれであります。亡くなった人に関する書類は、もちろん生きている人(相続する人)が収集します。

亡くなった人に関する書類

これは下の2つです。

  • 戸籍謄本
  • 住民票か戸籍の「除票」

それぞれ詳しく説明すると下記のようになります。

戸籍謄本 生まれてから死ぬまでの分、すべて
住民票か戸籍の「除票」 「亡くなって、登録が抹消された」とわかるもの

それぞれ、必要な理由は下の通りです。

  • 戸籍謄本…家族を把握するため
  • 除票…死亡を確認するため

それぞれ詳しく説明していきます。

戸籍謄本で法定相続人を確認する

戸籍謄本には、その人の家族が書かれています。ここから、その人の法定相続人がわかります。

法定相続人とは、文字通り「法律で決まっている相続人」です。実は、相続させる相手は、亡くなる人が自由に選べるわけではないのです。「半分自由」ですが、半分は「法律で決まっている」のです。

わかりやすい例では、奥さん・子どもは、確実に相続する権利があります。たとえ亡くなった旦那さんが「全財産を愛人に譲る」という遺言を残しても、遺産の半分は奥さん・子どもがもらえるようになっています。これは「遺留分」と呼ばれるものです。

こうした権利を持つのが「法定相続人」ですが、戸籍謄本を見れば、故人にその法定相続人がいたかどうかがわかります。

売野くん
でも、最後の戸籍で「奥さん・子どもがいない一人暮らし」だったら、どうなるんです?
不動先生
その場合、過去の戸籍を見て「親・兄弟」を探します。彼らが法定相続人になります。
売野くん
それもいなかったら?
不動先生
兄弟姉妹の子どもである「甥・姪」まで探します。そこまでいなかったら「法定相続人ゼロ」です。「愛人が全部もらう」もありです。

上の例ではドラマなどでよく見られる「愛人」を例にしましたが、友人知人・法人・役所(寄付)など、何でもありです。何にしても法定相続人の権利が最優先なので、まずは「法定相続人の存在を戸籍謄本で把握する」わけです。

除票で亡くなったことを確認する

除票は、わかりやすくいうと「削除の記録」です。住民票や戸籍謄本が「死亡によって削除された」ことが記載されています。

当然ながら、本人が亡くなったのでなければ、役所は相続の手続きを認めることができません。そのため、確実に亡くなったことがわかる書類として、除票が求められます。

戸籍の除票について

ここまではわかりやすく「戸籍の除票」と書いてきました。しかし、正確には「戸籍の附票の除票」といいます。

「戸籍の附票」とは、戸籍謄本に「住所の変遷が記載されたもの」です。住民票では「現住所&1つ前の住所」はわかるのですが、それ以前がわかりません。

その点、戸籍の附票なら「その戸籍に入ってから」の住所の変遷がすべてわかります(電子化以前のものは、わからない部分もあります)。

売野くん
「戸籍に入ってから」というのは?
不動先生
これは、下のようなケースで日本人の戸籍が変わるのです。その戸籍が「今のものになってから」ということです。
  • 結婚
  • 分籍(何もなくても、自主的に親の戸籍から抜けることができる)
  • 転籍(本籍地の移転届を出す)

多くの場合「結婚」を機に新たな戸籍を作り、親の戸籍から抜けます。結婚していない人だと、分籍や転籍をあえて自分でしない限り「ずっと親の戸籍に入ったまま」ということが多いものです。

何にせよ「その役所が管理している戸籍」に入ってからの住所の変遷が、附票にすべて記録されています。それが「戸籍の附票」です。

売野くん
その「戸籍の附票」の「除票」が要る、ということですね?
不動先生
はい。面倒なので「住民票の除票」を使う方がいいでしょう。こちらの方がシンプルでわかりやすいですし。

遺産分割協議書を作成

遺産分割協議書とは「遺産をどう分配するか」をまとめた書類です。もちろん、一人の相続人が勝手に書くわけではありません。遺産を相続する権利がある人物全員が集まって作成します。

もちろん「忙しくて協議の場に出られない」という相続人もいるでしょう。しかし、そうした場合についても、その相続人が誰かに権限を委任するなどして、形式だけでも参加します。

そうして作られた遺産分割協議書を見て、法務局の担当者は下のように思うわけです。

  • 「なるほど。この遺族はこのように遺産の不動産を分割するのか」
  • 「そして、この協議書に書かれている長男の太郎さんが、土地を全部受け継ぐんだな」
  • 「その他の必要書類もすべて揃っているしOKだ」

こうして相続登記(名義変更)が実行されます。ここで、下のような疑問を持つ人もいるでしょう。

売野くん
これは、必要書類や協議書がすべて偽物だったらどうするんですか?
不動先生
巧妙な手口なら、騙せる可能性があります。ただ、不動産はだまし取ると後々気づかれるものですし、隠すことも消滅させることもできません。

つまり、上記の疑問については下のようにいえます。

  • 騙すことはできる
  • しかし、後々必ず気づかれる
  • そのときに所有権などが元に戻るだけ
  • 不動産なので、逃げたり隠したりはできない

このような理由から、法務局では「必要書類が揃っていれば名義変更をする」という仕組みになっています。

売野くん
遺産分割協議書に書かれている分配内容がどれだけ極端でも、法務局の人は何も言わないわけですね。
不動先生
はい。審査を厳し目にする可能性はありますが、基本、遺産をどう分配するかは個人の自由なのでタッチしません。

法務局に申請

遺産分割協議書も含め、すべての必要書類が揃ったら、法務局に登記の申請をするのみです。これは下の3通りの方法でできます。

  • 窓口に行く
  • 郵送する
  • オンライン申請する

要は「窓口・郵送・オンライン」の3つです。オンライン申請は、書類作成やインターネットに慣れている人なら簡単ですが、そうでない人の場合(書類の作成・ネットの片方でも慣れていない場合)逆に難しくなります。

初心者のうちは、窓口に直接行く方がいいでしょう。

法務局の窓口なら、無料相談もできる

法務局の窓口は、どこでも20分~30分まで、無料で登記の相談をできます。実際に作成した書類・用意してきた書類をすべて持参し「これで合ってますか?」と確認してもらえるのです。

  • 合っている…そのまま提出
  • わずかに違う…その場で直せるものなら、直して提出
  • かなり違う…家に帰って作り直し、後日出直し

2つ目の「わずかに違う」の具体例はさまざまです。筆者の経験では「相手方の印鑑が押されていない」というケースがありました。

どんな書類だったかは失念してしまいましたが、不動産の所有権移転登記で「自分で作成した複数枚がつながっている書類」でした。おそらく「贈与契約書」だったと思います。

このように「複数の紙がつながっている書類」は、すべてのページのつなぎ目に「契印」をする必要があります。それを自分・相手ともにしていませんでした。

自分の印鑑は手元にありましたが、相手の印鑑は当然ありません。そこで、近くの印鑑屋さんで相手の苗字の印鑑を買い、それを捺印して再提出しました。

売野くん
そんなんでいいんですか?
不動先生
契印はそれほど重要ではないので、実印でない普通の印鑑でOKなのです。また、印鑑屋さんに行った時間を「家に戻って、相手に捺印してもらった」ことにすれば問題ありません。

このように、窓口に行くと「あとちょっとで提出できる」というレベルだったとき、その場であらゆる方法で修正して「即日提出」できます。郵送やオンラインでは「間違っている」と指摘を受けるまでに数日、直したものが法務局に届くまでにまた数日…と、どんどん完了が延びていきます。

そのため、相続登記(不動産名義変更)を初めて自分でするときは、基本的に窓口に行った方がいいのです。

自分でやると費用はいくら?

豚の貯金箱

自分でやる方法がわかったら、次に気になるのは「費用がいくらかかるか」でしょう。これについてポイントをまとめると下のようになります。

以下、それぞれ解説していきます。

相続では登録免許税がかからない(免税)

相続では登録免許税がかかりません。国税庁の公式サイトでも、下のように書かれています。

本来,土地の価額に対して0.4%(1000分の4)の税率がかかるところ,平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間は,免税となります。
相続登記の登録免許税の免税措置について(法務局)

各種書類の発行手数料が、各400円程度

相続登記(不動産名義変更)では、住民票・戸籍謄本・登記簿などを揃える必要があります。この発行手数料が、それぞれ1通400円程度です。

役所によって異なりますが、大体住民票などは「350円~450円」程度です。相続人の人数によって発行枚数が変わりますが、大体合計で5000円も見ておけばいいでしょう。

不動産登記簿の発行手数料は480円~600円

不動産登記簿のみ、住民票などと比べて少々高くなります。といっても、こちらは相続人の人数がどれだけ増えようと1通で十分なので、負担になることはないといえます。

不動産登記簿が必要な理由

これは、登記簿に書かれている面積・地番・地目などの情報を、遺産分割協議書に記入するからです。

売野くん
正式なデータを記入しないといけない、ということですね。
不動先生
はい。「登記簿でこう記録されている、この物件」という風に特定できるように書きます。

登記簿謄本の取得費用は、480円~600円です。郵送・オンライン・窓口などの受取方法によって変わりますが、大きな違いではないので「600円」と考えましょう。

司法書士に依頼する方がいい?

まとめると、自分で相続登記(不動産名義変更)をするなら、費用は5000円程度で済みます。相続人の人数が1人で、亡くなった被相続人の過去の戸籍もシンプルだったら、2000円程度で済むこともあるでしょう。

一方、司法書士に依頼すると、大体1件3万円~5万円程度の報酬が必要になります。「それでも依頼すべきか」と悩む人もいるでしょう。

結論を言うと「過去にこうした手続きをして成功したことがあるなら、自分でやる方がいい」「そうでなければ、司法書士にまかせる方がいい」といえます。

自分でやると確かに費用は激安になりますが、相続登記(不動産名義変更)は想像以上に手間がかかる作業です。その時間分の自分の時給を考えると、明らかに5万円以上になるという人も多いでしょう。

最終的には、頼むべきかどうかは「その人の置かれている状況による」といえます。当記事も含めてネットでやり方を調べてみて「難しそう」と感じるようであれば、司法書士に依頼しましょう。

(なお、司法書士と不動産の手続きに関する情報は、下の記事で詳しく解説しています)

不動産売却では司法書士が必要?~費用の相場や登記の必要書類を解説~

2018.11.21

遺産分割協議書の書き方・4つのポイント

サインする手

相続登記(不動産名義変更)を自分でやるとき、一番大変なのは「遺産分割協議書」を書くことです。この書き方のポイントをまとめると、下のようになります。

以下、それぞれのポイントについて説明します。

ネットで雛形をダウンロードする

遺産分割協議書の雛形は、インターネット上に多く見られます。ワードが使えれば、自由に編集できるのでワードファイルがいいでしょう。

Wordが使えない場合も、エクセルやPDFのファイルも提供されているため、好きなものを利用できます。

登記簿をもとに、不動産の情報を書き込む

ひな形をダウンロードしたら、不動産の登記簿に書かれている情報を、そのひな形の中に書き込んでいきます。

  • 家屋番号
  • 地番
  • 地積
  • 構造

一部を抜粋しましたが、上記のような項目が登記簿に書かれているため、それをひな形の該当部分に入れていきます。

売野くん
穴埋めみたいな感じですね。
不動先生
そうです。なので、意外と難しくないのです。

その他の遺産(預金など)も書き込む

一般的には、遺産分割協議書には「すべての遺産の分割」について書きます。そのため、銀行預金や有価証券(株など)といった財産を故人が他にも残されていたら、それらについてもどう分配するかを書きます。

「不動産だけ」で協議書を作るのはアリ?

これはアリです。書き方としては、下のようになります。

  1. まず「以下の不動産は○○が相続する」と書く
  2. 不動産の情報を記入する
  3. 最後に「その他の遺産については、別途協議して協議書を作成する」と書く

これで「1つの不動産についてのみ言及した協議書」が出来上がります。

売野くん
それで、すべての遺産を個別に協議書にまとめてもいいんですか?
不動先生
はい。ただ、何通も協議書をつくると、サインや押印が大変なのでおすすめはできません。

一番重要なのは「どう分配するか」

遺産分割協議書の書き方自体は簡単です。問題は「どう不動産を分配するか」です。

不動産は現金と違い、分割しにくいものです。土地は分割(分筆)したら価値が落ちますし、家屋の場合「1Fは長男、2Fは次男」などと分けるわけにもいきません。

「共有持分」にはしない方がいい

上記のように分けにくいため、協議が難航したあげく「共有持分」にしてしまう家族も多く見られます。しかし、共有持分は避けた方がいいでしょう。

共有持分は売却や賃貸など、どの方法で活用するにしても制限があります。このため、共有持分にした後で他の共有者とトラブルになるケースが多いのです。

共有持分のトラブルについては下の記事でもまとめているため、興味がある方は参考になさってみて下さい。

共有物分割訴訟とは?必要なケース&3つの分割方法を解説!

2018.09.28

ページの境目に全員の契印を押す

大抵の場合、遺産分割協議書は2ページ以上になります。記入する不動産の情報が多い(改行が多い)ですし、ひな形に記載されている定型文も大抵長文だからです。

(書いている内容はそれほど大したものではないのですが、厳密な言い回しなので長くなるのです)

このような理由で「複数枚にわたる」のですが、そのときのルールとして「契印を押す」ことがあげられます。

契印とは

これは「複数枚の書類をひとつながりの文書であると証明する印」です。日本史に登場する「勘合貿易」のように、印鑑がぴったり合ったら「本物だ」ということです。

契印をしておけば「2ページ目だけ偽造する」などのことをしてもバレます。そのような偽造防止のためにも、全ページの間に契印が必要になるのです。

最後に署名・印鑑も必要

契印だけでなく、最後に全員で署名・押印をします。これは基本なので誰でも理解できるでしょう。

住所もそのとき一緒に書くのですが、これも手書きにしましょう。ワープロ(パソコン)でいいと主張する専門家もいますが「念のために手書きにした方がいい」という専門家もいて、意見が割れています。

売野くん
統一のルールはないんですか?
不動先生
大体統一されているのですが、現場の判断で「この登記はなんとなく怪しい」と思ったら、手書きなどの条件を厳しくすることもあります。

「何となく怪しい」というのは、たとえば他の相続人の中に認知症が疑われる人がいて、頭がしっかりしている兄弟が、認知症の兄弟の分まで不動産をもらっていく、などです。

あくまで一例を挙げましたが、このように「必要書類がすべて揃っていても、何となく不可解だ」と現場の担当者が判断したら、ルールを厳しくする可能性があるということです(これは詐欺防止のためにもいいことです)。

このため、住所を手書きにすることも含め、できるだけ「厳しいルール」に合わせて協議書を作成する方がいいといえます。

(なお、認知症に絡む不動産の手続きについては、下の記事を参考にしてみてください)

認知症で家は売れない?~高齢な親の不動産の名義変更・賃貸・意思確認~

2019.02.01

まとめ

間取り図

以上、相続登記(不動産名義変更)を自分で行う方法や、その他のポイントについてまとめてきました。最後に要点を整理すると下のようになります。

  • 自分でやる手順は大別して3ステップ
  • 書類を集める、書類を作る、法務局に行く
  • 書類は住民票・戸籍謄本などを集める
  • 作成する書類は遺産分割協議書
  • 法務局への申請は、窓口だけでなく郵送・Webもあり
  • 自分でやる費用は書類の発行手数料のみ
  • 時給を考えると、司法書士に依頼する方がいいことも

ある程度、こうした手続きになれている人であれば、相続登記を自分でやるのもいいでしょう。しかし、少しでも不安があるようなら、最初は司法書士にまかせて、流れや必要書類などを把握し、次回から自分で行うというやり方でもいいかと思います。

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