土地の中には「建て替えできない土地」があります。「なぜ建て替えできないのか」など、法律的なルールが気になる方は多いでしょう。
建て替えできない土地について、よくある疑問と答えをまとめると、下のようになります。
セットバックなど「一応建て替えできる条件」はあるのですが、「自分の土地が狭くなる」などの大きなデメリットがあります。安易に建て替えを決めて損することがないよう、この記事では「建て替えできない土地」のルールを、詳しく解説していきます。
「自分の土地が該当する、あるいはするかもしれない」という方には、土地を有効に活用する上で、有力なヒントにしていただけるでしょう。
建て替えできない土地は「再建築不可物件」といいます。この物件はきわめて使い勝手が悪いため、資産価値も非常に低いものです。
「転売もできない」「自らも使いにくい」ということで、買い手がなかなかつきません。そのため、買い取りに対応する業者も少なく、対応している場合も安く買い叩く業者が多いものです。
しかし「再建築不可専門の業者」なら、そのような心配はありません。こうした物件を有効活用するノウハウがあるため、通常の業者と比較して、相当な高額での買い取りが期待できます。
そのような「再建築不可専門」の業者の1つが、下記のクランピーエステートです。同社の特徴やメリットについては、リンク先を詳しく見ていただけたらと思います。

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Contents
建て替えできない土地とは?
「建て替えできない土地」の概要や条件をまとめると、下のようになります。
以下、それぞれ詳しく解説していきます。
「再建築不可物件の土地」のこと
建て替えできない土地のほとんどは「再建築不可物件」の土地です。SUUMOでは下のように記述しています。
たとえ今、家が建っていても、「解体して更地にしてしまうと新たな家を建てられない土地」というものがある。それが「再建築不可物件」だ。
知っておきたい土地の基本 建て替えできない土地に注意!(SUUMO)
再建築不可とは「接道義務を満たしていない」こと
再建築不可物件とは「接道義務を満たしていない物件」です。接道義務とは文字通り「道路に接する義務」といえます。
具体的にどのように接する義務なのかを説明すると下の通りです。
接道義務とは「幅4m以上の道路に2m以上接する」義務
接道義務とは「4m以上の幅がある道路に、2m以上隣接する」ことです。この2つの条件の片方が欠けてもダメです。
このルールは「建築基準法43条」に書かれています。
建築物の敷地は、道路(中略)に二メートル以上接しなければならない。
建築基準法第43条(Wikibooks)
中略部分には「次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。」という文章が入ります。このカッコ部分に該当する土地は例外的なパターンなので、中略にしました。


(前略)「道路」とは、次の各号の一に該当する幅員四メートル(中略)以上のもの(中略)をいう。
建築基準法第42条(Wikibooks)
「中略」の部分には、カッコ書きで例外のケースが書かれています。それを省略してシンプルにすると、上のようになります。
このように、建築基準法42条・43条の2つの条文によって「4m以上の道路に2m以上接する」という義務が制定されているわけです。
リフォームは建て替えになる?ならない?
「建て替えができなくても、リフォームはできるのか?」という点を疑問に思う人は多いでしょう。この点についてポイントをまとめると、下のようになります。
以下、それぞれのポイントについて説明します。
増築は不可
「建て替えできない土地」では、増築もできません。「建て替え」には新築も含まれるからです。「新たに何か建物を追加することが認められない」ので、新築も増築も不可となります。
屋根・柱などの骨格を変えるリフォームも不可
リフォームについては、屋根・柱などの骨格部分を変更するものは不可となります。これも「事実上の建て替え」と見なされるためです。
たとえば「建物を解体せず、内部から少しずつ柱などを変えていく」という作業をしたとしても、やはりNGです。
骨格を変えないリフォームは可能
一方、骨格を変えない「普通のリフォーム・リノベーション」は可能となります。たとえば壁紙を張り替える、トイレや浴室・キッチンなどを交換する…、といったリフォームはすべてOKです。
再建築不可物件は「増改築不可」としばしば表現されますが、このようなリフォームなら「改築」には含まれないことを意識してください。改築に含まれるのは、先に書いた「骨格を変える工事」です。
建て替えできない土地に家を建てられる?3つのケースを解説
建て替えできない土地でも家を建てる方法はあります。箇条書きで説明すると以下の通りです。
それぞれ詳しく説明します。
「セットバック」で建てられることも
建て替えできない土地でも「セットバック」という方法によって建て替えや新築をできることがあります。セットバック(set back)の本来の意味は「逆転・逆行・停滞」などですが、不動産用語では別の意味があります。
セットバックとは「自分の敷地を道路用に提供する」こと
建て替えできない土地は「目の前の道路が狭い」ことが問題であるわけです。ということは「目の前の道路を広くすればOK」となります。
そのために「自分の土地を提供する」という方法があるのです。これがセットバックです。


このように、セットバックはその土地の地主にとってかなり不利なルールとなっています。この点は専門家も疑問視しており、下のような記事で指摘されています。
※参考…セットバックをご存知ですか?簡単に言えば「国がお金を使わず道路を広げる」法律です!
地主にとっては納得がいかないルールでしょうが「まったく建て替えできない土地のままよりはマシ」ともいえます。
接する道路の中心から2m離れればいい
画像引用元:セットバック(不動産用語集 R.E. words)※株式会社 不動産流通研究所・運営
セットバックをすると決めたら、どのくらい離せばいいのかが気になるでしょう。これは、道路の中心線から2mです。
残りの2mについては「反対側の人」が離します。これで合計4mになるということです。
反対側の人がいつ離すかはわかりません。今建っている家の寿命がまだ長いなら、当面「このままの状態」が続く可能性があるでしょう。
反対側の家にも限界が来て「建て替えのためにセットバックする」となると、道路幅は4mとなります。こうすると、自分の土地も反対側の土地も「4mの道路に接する」ことになり、新築も建て替えも自由にできる「普通の土地」になります。
市街化調整区域の土地は建て替えできる?できない?
再建築不可物件の土地と並んで建て替えがしにくい土地として、「市街化調整区域の土地」が挙げられます。市街化調整区域での建て替えについて、ポイントをまとめると下記の通りです。
以下、それぞれのポイントについて説明します。
建て替えできるが自治体の許可が必要
市街化調整区域は再建築不可物件の土地と違い、建て替えができます。ただし、市区町村など自治体の許可が必要です。
許可が下りないような建築計画だと不可になります。
増改築やリフォームでも許可が要る
建物を解体して建て替える時だけでなく、増築・改築をしたり、リフォームをしたりするときにも許可が必要となります。ただ、これらの許可は完全な建て替えや新築と比べると、比較的得やすくなっています。
そもそも市街化調整区域とは?
市街化調整区域とは「開発を抑える地域」です。この反対が市街化区域で、こちらは「開発を進める地域」です。
- 市街化区域…開発促進
- 市街化調整区域…開発抑制
このような違いになっているわけですね。開発を抑えるエリアなので、新築でも増改築でも許可が必要ということです。
(市街化調整区域については下の記事でも詳しく解説しています)
再建築不可の土地はなぜマズい?3つのデメリット
ここまでの説明でも、再建築不可の土地や、その上に建っている建物にはデメリットが多いことは、実感できるかと思います。しかし、まだここまで書いていないデメリットもあるものです。
ここでは、それら「再建築不可の土地のデメリット」を、説明していきます。
位置・形状が不規則で活用しにくい
再建築不可の土地の大部分は、土地の位置や形状が不規則なもの。具体的には下のようなパターンが多く見られます。
変形地 | 不規則な多角形など「変わった形」 |
---|---|
袋地 | 周囲が他人の土地で、そこを通らないと出入りできない土地 |
旗竿地 | 自分の土地で通行できるが、その部分が旗竿の棒のように細長くなっている土地 |
間口狭小地 | 道路に接している間口が狭い土地 |
突き当りの土地 | T字路の交差部分。実害はないが風水では「路殺」と呼ばれ、運気の悪い場所とされる |
このような理由で、自分で住むにしても不便であり、売るにしても資産価値が低く、なかなか売れないという問題があります。
境界・配管・通行トラブルが多い
再建築不可の土地は基本的に「測量のデータが古い」もの。そのため、境界線が曖昧になっていることがしばしばあります。
あるいは、測量は過去にしっかりされていても、下のような原因で曖昧になっていることが多いのです。
- 境界線で地崩れがおきた
- 境界杭が劣化して消失・移動してしまった
このような土地では、境界線をめぐって隣人とのトラブルが起きやすいもの。境界が曖昧なら配管もお互い越境してしまうことが多く、これもやはりトラブルになります。
その他にも、袋地での通行トラブルなど、再建築不可の土地では何かとトラブルにつながる要素が多いのです。
住宅ローンを借りられない
再建築不可の土地の上の建物を気に入り、購入したいと思うこともあるでしょう。しかし、住宅を現金一括で購入できる人は少ないため、住宅ローンを組むことを考えるかと思います。
通常は問題なく組めるのですが、再建築不可の土地の物件では組めません。理由は、銀行が「建物・土地ともに資産価値が極めて低い」と判断するためです。
土地については2つ前の段落で書いた通り「活用しにくい」ものですし、建物についても「増改築・建て替えなどが一切許されない」わけです。その建物が古かったら「ずっとその『ボロい家』で生活しなければいけない」ということですね。
このような物件に買い手はつかないため「返済できないから売る」という方法が使えません。このため、銀行はリスクを恐れて住宅ローンの融資をしないのです。
(もちろん、このデメリットについては「現金一括で買える」という人なら問題ありません)
専門の業者なら、再建築不可の土地でも高額買取が可能!
ここまで書いてきた通り、再建築不可の土地は資産価値が極めて低く、売却もしにくいものです。値段が安くなるだけでなく「取り扱い自体してくれない」という業者もあります。業者としても、利益の出ない仕事はしたくないためです。
しかし、それはあくまで「普通の不動産業者」の場合です。不動産業者の中には「再建築不可の物件を専門的に扱う」という所も存在します。そのような「専門業者」であれば、再建築不可の土地でも高値での買取りが期待できるのです。
再建築不可専門の買取業者は多く存在しますが、中でも特におすすめなのは下記の「クランピーエステート」です。全国の弁護士とのネットワークを形成しているため、法律的な権利が複雑な再建築不可の土地でも、スムーズに売却できます。
出張買取は全国対応のため、どのエリアに物件を持っていても買取りを依頼できるのがメリット。出張の交通費も査定の費用もすべて無料です。
「再建築不可の土地を何とかしたい」と悩んでいる方は、一度気軽に相談してみるといいでしょう。

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まとめ
以上、建て替えできない土地の条件や、セットバックで家を建てる方法、市街化調整区域での建て替えなどについてまとめてきました。最後にポイントを整理すると、以下の通りです。
- 建て替えできない土地とは、主に再建築不可物件の土地である
- これは「4m以上の道路に2m以上接する」という要件を満たしていない土地
- セットバックによって道路を広げれば、建て替えできることもある
- セットバックで道路を提供した補償金などは基本的にもらえない
- 市街化調整区域では、自治体の許可があれば建て替えができる
特にセットバックのルールについては「補償が何もないのは納得できない」と思う人も多いでしょう。しかし、どうしてもその土地に建て替えをしたいのであれば、これが数少ない選択肢の1つとなります。
再建築不可物件の土地は何かと難しいものですが、決められたルールの中で最大限自身の希望を満たせるよう、信頼できる不動産会社を探して相談するようにしましょう。