土地の売却を不動産屋に依頼すると、仲介手数料がかかります。これを知って「自分で個人的に売れば手数料の分が利益になるのでは?」と考える人もいるでしょう。
土地の個人売買は、法律的にまったく問題ありません。特に資格や役所の許可などを得ず、すぐに個人で売却できます。
ただ、当然ながら個人での土地売却はそれなりに難しいものです。そのため、下の内容を事前に理解しておく必要があります。
土地の個人売買に取り組むかどうかは、上記の内容を見た上で決めていただくのがいいでしょう。以下、それぞれの内容を詳しく解説していきます。
この記事では個人売買のやり方を解説しますが、不動産のような高額の取引を個人同士で行うことは、やはりリスクが大きいものです。かと言って「業者に高い手数料を払うのもイヤだ…」という方は多いでしょう。
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Contents
土地の個人売買のやり方・流れ
土地の個人売買のやり方(流れ)をまとめると、下の3点になります。これらを確実にこなすのが個人売買のポイントであり、これらを「やらなければいけない」というのが、個人売買のデメリットです。
それぞれ具体的にどのようにするのか、説明していきます。
買い主を自分で探す
不動産業者に仲介を頼む場合、買い主は業者が探してくれます。しかし、個人売買では自分で探さなくてはいけません。
すでに家族や親戚、友人などで買い主が見つかっていればいいでしょう。一方「まだこれから探す」という場合には、買い主を見つけるのに苦労することが多くあります。
買い主の探し方については、下の段落で詳しく解説しています。
書類を自分で作成する
土地の売買では、多くの書類が必要になります。仲介なら業者がその書類を揃えてくれますが、個人売買では自分で作成することが必要です。
土地の個人売買で必要になる書類は、下の段落でまとめています。
トラブルが起きたとき、自分で対応する
土地に限らず、不動産は売買が成立したあとでトラブルが起きることもよくあります。仲介なら業者がそのトラブルに対応してくれることが多いものですが、個人売買ではその対応も自分ですることが必要です。
土地の個人売買で起きるトラブルの例
トラブルの例を一部書き出すと、下のようになります。
- 土壌の汚染
- 埋設物・瓦礫などの発見
- 書類の不備・記入漏れ
土地は建物と比べると、購入後のトラブルは少なくなります。しかし、土地という生活や事業の基盤になるものだけに、万が一トラブルが起きたときの痛手が大きいものです。
このトラブルに素人が自力で対応するのはかなり難しいと覚悟しておくべきでしょう。
個人で土地の買い主を探す方法
個人で土地の買い主を探す方法は、主に下の3通りです。
以下、それぞれの方法について説明していきます。
不動産情報サイトに登録する
もっともメジャーで効果が期待できる方法は、下のような大手の不動産情報サイトに登録することです。
- SUUMO(スーモ)
- HOME’S(ホームズ)
- Yahoo!不動産
これらのサイトは有料で、月額料金が「5~15万円」となっています。月額なので、売れない期間が長いと費用も多くかかるのが注意点です。
折込チラシを使う
新聞の折込チラシを使う方法もあります。近隣の土地や中古住宅の情報が載っている折込チラシを、誰でも一度は見たことがあるでしょう。
折込チラシを出すには、そのエリアの新聞販売店に問い合わせします。新聞販売店は「専売店」の場合、読売新聞・朝日新聞などと、扱う新聞が決まっています。このため、専売店に依頼するなら先に広告を出す新聞を決めることが必要です。
一方、複数の種類を扱う「複合店」や、全種類を扱う「合売店」の場合、チラシを入れる新聞は店舗で相談してもかまいません。最終的にはどれかに決めるわけですが、予算があれば複数・全部の新聞に入れることも可能です。
不動産投資家のネットワークを使う
一般の人が土地を買うケースはめったにありません。ほとんどは「マイホームを建てる」というときで、一生に1回しかないことがほとんどです。
そのため、一般人だけを相手に買い主を探すのは限界があります。一方、不動産投資家や経営者も含めて買い主を探すと、見つかる可能性は高くなるものです。
- 投資家…土地の転売・活用によって利益を出す方法を考える
- 経営者…土地の活用(店舗・工場の建設など)で必要とすることがある
土地の立地や種類によっては投資家・経営者のいずれも手を出せません。しかし、彼らが手を出せるような土地であれば、彼らにもアピールすることで、買い主がさらに見つかりやすくなるでしょう。
太陽光発電用の土地のニーズが、投資家の間で高まっている
以前、農地などの田舎の土地は、投資家や経営者にとってもあまり使い道のない土地でした。しかし、近年は太陽光発電が「儲かる分野」になったことで、田舎の土地でもニーズが増しています。
言うまでもなく、太陽光発電は「田舎の方が有利」なものです。周囲に高い建物がなく、広い土地を安く確保できるためです。
このため、一般人なら買わないような田舎の土地でも、不動産投資家や経営者のネットワークを通じて買い手を探すことで、スムーズに話がまとまるケースがあります。彼らも「仲介手数料なしで安く土地が買えるならうれしい」からです。


なお、太陽光発電での土地活用については、下の記事で詳しくまとめています(下の記事は売却ではなく「土地貸し」ですが、太陽光に向いている土地の条件などを参考にしていただけるでしょう)。
土地の個人売買で必要な書類
土地の個人売買で必要な書類は、下の通りです。
以下、それぞれの書類について説明していきます。
売買契約書
不動産のような大きな商品の売買では、「売買契約書」を交わす必要があります。普通の買い物と違い、動く金額が大きいためです。
- 買うと言っていたのにキャンセルされると困る
- 大金を出して買ったのに「そんな売買していない」などと売主に言われたら困る
上記のようなトラブルを防ぐために「確かにこういう契約が二人の間に存在した」という証明をする必要があります。それが売買契約書です。
売買契約書の形式は自由
売買契約書の形式は特に決まっていません。これは土地の個人売買に限らず、ほとんどの品物の売買で同じです。
- 契約を成立させるのに必要なことがすべて書かれている
- トラブルが起きたときにどう解決するかが書かれている
上記の条件を満たしていればOKです。ただ、フランクな書き方は避けましょう。フランクに書く方がわかりやすいこともありますが、買い手から「軽薄な売り手で心配」と思われてしまう可能性もあります。
売買契約書は、司法書士が提供するひな形を使う
土地に限らず、あらゆる種類の売買契約書で、多くの司法書士がひな形を公開しています。無料で利用できるので、それらのワード・エクセルファイルなどを利用して、契約書を作成するのがいいでしょう。
※参考…土地売買契約書テンプレート(ロイズ司法書士事務所)
http://www.lawiz.net/template/template/043.html
登記識別情報(権利証・登記済証とも)
登記識別情報は、土地の所有権(あなたの所有権)を登記したときに、法務局から送られてきたものです(あるいは、法務局の窓口であなたが直接受け取ったものです)。
どちらにしても「土地が手に入ったときに、法務局からもらったもの」です。登記識別情報というのは現在の呼び名で、昔は登記済証・権利証などの呼び名も使われていました。
これは「土地の持ち主が確かにあなたである」ということの証明になります。いわば「パスワード」だと思ってください。
重要事項説明書
重要事項説明書は、その土地を購入したときに不動産会社などからもらっているはずです。この書類には下のような内容が書かれています。
- 物件の内容(面積・構造・ライフラインなど)
- 取引条件
- 告知事項
他にも土地によっていくつかの内容がありますが、主な内容は上記の通りです。あなたが土地を買ったときに売り手が説明した事項は、あなたが売り手に回るときにも、やはり説明する必要があります。
(重要事項説明書をなくさないように言われるのはこのためです)
重要事項説明書を再度作成することはできる?
「重要事項説明書をなくしてしまったので、もう一度作成したい」ということもあるでしょう。これは基本的に不動産会社に依頼します。
たとえば行政書士などで「重要事項説明書の作成代行」のサービスを提供している事務所はあります。しかし、そうした事務所も多くは「不動産会社を相手として」サービスをしていることが多いものです。例えば下の行政書士事務所などがそうです。
当サービスは不動産業者及びサービサー様からのご依頼専門です
物件調査代行 重要事項説明書及び契約書の作成支援(行政書士・山地正朗事務所)
説明すべき事項は土地によって異なるので、個人売買でも素人判断で作成せず、不動産会社に作成してもらうようにしましょう(作成してもらっても、仲介を任せる必要はありません。個人売買は継続できます)。
登記簿謄本
登記簿謄本(履歴全部事項証明書)は、あなたの土地の基本情報で、法務局が管理しているものです。これは、他の書類と比べると入手が簡単といえます。法務局で500円~600円払うだけで取得できるためです。
法務局の窓口に行かなくても、オンラインで申請して郵送で受け取るという方法もあります。これが一番なので、この方法を使うといいでしょう。
固定資産税評価額証明書
これは、あなたの土地の「固定資産税評価額がいくらか」を示す書類です。「証明書」といっても、鑑定結果のような書類ではありません。
市区町村の役所が発行するもので「この土地の評価額は○○万円です」と書かれている書類です。固定資産税はこの評価額をもとに計算されます。
取得方法は簡単で、市区町村の役場に行き、窓口でもらいます。あるいは郵送で申請・受け取りする方法もあります。
引渡確認証
これは正式名称で「不動産引渡確認証」といいます。これは売買契約よりさらに後で「実際に土地を引き渡す」という段階で発行するものです。
「○月○日、確かに引き渡しを行いました」という内容です。これもやはり、不動産会社や司法書士などがテンプレートを無料で提供しています。
※参考…ストアーズドットコム不動産「不動産引渡確認書」
http://www.sutoazu.com/house/house-need_documents.html#不動産引渡確認書


その他の一般的な書類(身分証明書など)
その他の必要書類は「一般的なもの」になります。不動産の専門的な書類ではない、ということです。下のような日常見慣れた書類です。
- 身分証明書(運転免許証など)
- 印鑑証明書(発行から3カ月以内)
- 実印
- 住民票(なくてもいい。必要なケースは後ほど解説)
- 領収書(自由に作成)
身分証明書・印鑑証明書・実印については、特に説明する必要はないでしょう。身分証明書はパスポートなどもOKです。保険証のように顔写真がないものよりは、顔写真がついているものの方が、買い手も安心して信用してくれるでしょう。
住民票が必要なケース
住民票が必要なのは「登記簿謄本に書かれている住所と、印鑑証明書の住所が異なるケース」です。この「謄本の住所」というのは、物件の住所のことではありません。「所有者の住所」です。
この「所有者の住所」と、印鑑証明書の住所が違っているときには、補足する書類として住民票が必要になるのです。
住所が異なる原因
これは「引っ越したときに、登記簿謄本の住所を更新していなかった」という原因が主です。引っ越し以外の原因もありますが、要は「住所が変わったのに、その手続きを謄本の方でしていなかった」ということです。
このケースは意外とよくあります。他の書類の住所と違い、登記簿謄本の所有者住所は変更しなくても特に困ることがないためです。
売却に半年などの期間がかかるようなら、その間に所有者住所を変更しておくのもいいでしょう。そうすれば契約のときに必要な書類(住民票)が1つ減ります。
領収書の作り方
領収書については、買い主からお金を受け取った後「確かに受け取りました」と伝えられれば、何でもOKです。
- 文房具屋で売っている領収書
- ネットのテンプレートに記入し、印刷したもの
上記のどちらでも、あるいは他のものでもかまいません。当然ながら、ここでも買い手の立場に立って「常識的かつ信用できる体裁」を整える必要があります。
領収書には収入印紙を貼る必要があるか?
これは、土地の個人売買では不要です。収入印紙が必要なのは「営業に関するもの」のみとなっています。
土地の個人売買は営業ではないので、金額がどれだけ大きくても収入印紙を貼る必要はありません。司法書士事務所のサイトでも下のように書かれています。
受け取った金銭等が、受取人にとって、営業に関しないものである場合、
売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書に貼る収入印紙は、非課税となります。
つるおか司法書士事務所「よく尋ねられること(領収書の収入印紙)」
まとめ
以上、土地の個人売買について説明してきました。最後に重要なポイントをまとめると下記の通りです。
- 個人売買では3つの大きな仕事がある
- 1.買い主を探す
- 2.書類を作成する
- 3.売却後のトラブルに対応する
買い主の探し方や書類の作成方法、トラブルへの対処法などは、それぞれの段落を参照してください。
これらの内容を読んだ結果「やはり業者に仲介を依頼する方が楽」という結論になることも多いでしょう。どちらにしても、土地を最も高く、最も小さい負担で売却できる方法を選ぶようにしてください。