土地は、売るにしても買うにしても、人生で有数の「大きな売買」になります。初めてそのような売買をする場合は、誰でも専門家に相談したいと思うでしょうし、実際にした方がいいでしょう。
この記事では「土地売買の相談は誰にするべきか」「相談内容ごとにベストの相談先はどこか」という内容をまとめていきます。土地の売買で悩んでいる方には、きっと参考にしていただけるでしょう。
- 土地売買の相談はどこにするべきか
- 無料で相談できる場所・専門家
- トラブル・税金・農地についての相談先
- 宅建協会や各団体へのクレームの付け方

現時点で土地を持っていて、それを高く売りたい場合、できるだけ多くの不動産会社で査定を受けるのがベスト。複数の査定を受けることで、不動産会社同士の競争が発生し、提示される買取価格も高くなります。
更に、査定した中で見つけた土地売買に強い不動産業者に相談することも可能です。
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Contents
土地売買の相談はどこにする?内容別5選
土地の売買に関する相談は、まず「士業事務所」にするのが一般的です。そして、どの士業に相談するかは、その内容によって変わります。
ここでは、内容別にどの士業に相談するべきかを一覧にします。
以下、それぞれの相談内容について説明していきます。
税金について…税理士
税金の相談は、多くの人が知っている通り税理士にします。公認会計士は大規模な企業の会計が専門なので、個人や中小企業の土地売買での税務に関わることはほぼありません。
税理士に相談できる内容
土地売買では、主に下のような内容を相談できます。
- 税金のルール
- 節税の方法
上記は、簡単にいうと「守り・攻め」のそれぞれの知識です。
- 守り…正しい税金のルール
- 攻め…節税の方法
もちろん、後者の節税も「正しいルール」に則ってやります。しかし「ただルールに従うだけではなく、より合理的に節税をするにはどうすればいいか」というアイディアを出してもらうものです。
売買以外の選択肢になることもある
もともと相続税対策など、節税を主眼において土地売買を考えていた場合、特に税理士からこのようなアドバイスを受けることは有効です。場合によっては、売買以外の選択肢に切り替わることもあるでしょう。
土地だったら、ここ数年は「太陽光発電用に貸し出す」などの選択肢がブームになっています。
その他にも「借地として貸し出す」という選択肢もあり、不動産に強い税理士なら、それぞれの方法でどのような節税効果があるかを説明してくれます。
「売ること・買うことは完全に決まっている」という場合はこれらの選択肢は関係ないでしょうが、こうした選択肢も考えている場合は、特に不動産に強い税理士や、税理士との連携が強い不動産会社に相談するといいでしょう。
(なお、借地として土地を貸し出すことについては、下の記事で詳しく解説しています)
法律・登記について…司法書士
土地を売買するときには、所有権などの法律のルール、登記業務などが関わってきます。このような法律・登記に関することは司法書士が専門です。
「ごく普通の土地売買」の場合、法律が関わることはそれほどありません。しかし、登記は必ずあります。
登記は「自分でする」ことも可能ですが、他人との売買でそれは不安でしょう。そのため、ほとんどのケースで司法書士に依頼することになります。
司法書士の業務や報酬の相場などは、下の記事を参考にしてみてください。
土地の価値について…不動産鑑定士
不動産鑑定士は「土地の価値を評価する」のが仕事です。この価値というのは「○○万円が妥当」というような「金額」としての価値です。


固定資産税評価額がおかしいとき
固定資産税評価額は「国が決める土地の価値」です。建物にも同じように設定されていますが、ここでは土地だけ話題にあげます。
この評価額ですが「明らかにおかしい」ということが稀にあります。「どう考えても3000万円の価値がある土地に、2000万円の評価額しかない」などです。


不利になる理由は、この評価額が「値段の根拠になってしまう」ためです。つまり、あなたが3000万円で売ろうとしても「評価額が2000万円の土地なんだから、3000万円は高すぎる」と、買い手が主張します。
主張してもあなたが売らなければいいのですが、それでは売れません。「評価額さえなければ3000万円で売れるのに…」という状態に陥る可能性があるわけです。
役所の立ち会いで不動産鑑定を受ければ、評価額を変更できる
ここであなたが費用を負担して、役所の立ち会いで不動産鑑定を受ければ、この評価額を変更できます。鑑定の費用は、下の記事のように大体30万円~50万円が相場です。
ここまでするケースはめったにないかもしれませんが、このように鑑定士に相談することで、土地の値付けを正しくしてもらえる可能性があります。

土地の測量について…土地家屋調査士
土地家屋調査士は、土地の「測量」が必要なときに相談します。土地家屋調査士と不動産鑑定士の違いは下の通りです。
- 土地家屋調査士…土地の境界の設定など「地図・登記簿」に関わる調査をする(要は測量)
- 不動産鑑定士…その土地の「妥当な値段」を決める(あらゆる角度から調査・分析して)




鑑定士の鑑定は「一つの意見」に過ぎない
鑑定士が出した不動産の価格は、絶対的に正しいものではありません。あくまで「〇〇さんという不動産鑑定士はこう評価した」というデータにしかならないのです。その○○さんの信用度が低ければ、売買の相手や税務署なども、その不動産評価を信じない可能性があります。
では「どんな鑑定士に相談すればいいのか」というと、これは「実績が豊富」「役所の評価額の算定にも参加している」「自費出版ではない著書がある」などを、信頼性の根拠にします。こうした実績が豊富な鑑定士の評価ほど、売買相手や役所・税務署も信用してくれます。
土地家屋調査士の出したデータは、原則絶対
上のように、不動産鑑定士の出すデータは「必ずしも正しいとは限らない」ものです。鑑定士の能力の問題ではなく、芸術の評価などと同じで、どうしても「主観的」にならざるを得ないためです。
しかし、土地家屋調査士の出すデータは絶対です。理由は「そのまま登記簿などに記載する」ためです。公文書に記載するためのデータを測量しているので、そのデータが「後から変わる」ということは、基本的にありません。
(立ち会った役所の職員も含め、全員が何か致命的なミスを犯していたら別ですが…)
どんな売買で土地家屋調査士に相談するのか?
土地の売買で相談する場合「隣地との境界があいまい」というケースが多くなっています。この点は下の記事を参考にしてみてください。
高度な法律について…弁護士
司法書士では対応できないような高度な法律の問題が生じた場合、弁護士に相談します。特に多いのは、下のようなトラブルです。
- 共有名義(共有持分)
- 借地権・底地
これらはただ法律に詳しいだけでなく、不動産の分野に精通している弁護士に相談する必要があります。詳しくは「トラブル」の段落をご覧ください。
土地売買の相談を無料でできる場所
以下、それぞれ詳しく解説していきます。
初回無料相談のある士業事務所
士業事務所とは、下のような専門家の事務所です。
- 司法書士
- 税理士
- 不動産鑑定士
- 土地家屋調査士
- 弁護士
これら多くの士業事務所が「初回30分・60分」などの条件で、無料相談のサービスを提供しています。もちろん、相談したら必ず正式に依頼しなければいけない、ということはありません。
そのため、まずは近所の士業事務所の無料相談を受けてみるといいでしょう。
宅建協会の無料相談所
宅建協会は、宅地建物取引士の協会です。宅地建物取引士は、いわゆる宅建主任です(現在は名称が変わっています)。
宅建協会は全国に支部がありますが、いずれも無料相談所をもうけています。
全国47都道府県にある宅地建物取引業協会(宅建協会)では、公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)と共同で運営する不動産無料相談所において、不動産に関するさまざまな相談(一般相談)を受付けており、(後略)
都道府県宅建協会・不動産無料相談所一覧(公益財団法人・全国宅地建物取引業協会連合会)
協会が設定する相談所なので、当然信用できます。興味がある方は上記のリンク先から、お住まいの都道府県の相談所を探してみてください。
自治体の相談窓口
都道府県や市区町村などの地方自治体も、無料相談の窓口をもうけているところが多くあります。「住宅相談コーナー」「不動産相談コーナー」などの名称が設けられているものです。
たとえば福岡市の場合、土地売買に関する相談先としては下のような窓口があります。
- 不動産相談
- 不動産登記に関する相談
- 境界トラブルに関する相談
その他「住宅に関する相談」なども、宅地の場合は該当するかもしれません。このように複数の窓口があり、いずれも無料で相談できます。
福岡市だけでなく多くの自治体がこのような窓口を設けているので、一度お住まいの地域のホームページをチェックしていただくといいでしょう。
土地売買でのトラブルの相談
土地売買でのトラブルは、内容に応じて当記事で紹介している各所に相談します。法律で解決すべき問題なら弁護士、業者の態度にクレームを付けたいなら宅建協会、という具合です。
この段落では、そうした全体的な内容ではなく、土地の特性に応じたトラブルの相談先を解説していきます。特にトラブルが起きやすいのは、下のような土地の売買です。
以下、それぞれの土地売買でのトラブル相談について解説していきます。
借地権
借地・底地は、土地売買でも特にトラブルが起きやすいものです。借地権と底地はセットの関係なので「借地権に強い不動産会社・弁護士」は、底地にも強いものです。
借地権の相談をどこにすべきかは下の記事で詳しく解説しているので、こちらを参考にしていただけたらと思います。
また、底地に強い業者は下の記事で詳しく解説しています。
底地の買取業者・おすすめ20選!各不動産会社のメリット・評判を徹底比較!
共有持分(共有名義)
土地を共有している場合も、境界線などをめぐって何かとトラブルが起きやすくなります。こうした共有関係についても、やはり「共有持分に強い業者・法律事務所」に相談すべきです。
共有持分に強い業者については下の記事を参考にしてみてください。
事故物件
事故物件というと「建物」のイメージがあるかもしれません。しかし、建物を解体して更地になっても、事故物件は事故物件です。
「過去にその土地上で自殺や殺人などの事件が起きた」という重要事項には「告知義務」があります。そのため、一度こうした事件が起きると、土地の売却についても難しくなるものです。
この場合は「売買のトラブル」というより「売買に入る前ですでにトラブルが起きた状態」というべきかもしれません。こうした物件については、下記で紹介しているような事故物件専門の業者に相談するのがいいでしょう。
土地売買の税金についての相談先
土地売買の相談の中でも、特に税金については下のような場所に相談するのがいいでしょう。
以下、それぞれ詳しく説明していきます。
税理士事務所・会計事務所
序盤でも書いた通り、土地売買の税金についての相談は、税理士事務所にするのが一番です。事務所によっては名称が「会計事務所」となっていることもありますが、どちらでも税理士がいればかまいません。
(公認会計士は企業会計などが専門なので、土地売買の税金相談はジャンルが違います)
無料税務相談所
これも序盤で紹介した通り、自治体が無料税務相談所を設置しています。常時設定されているわけではなく、週に1回・月に1回などのペースですが、それでも最寄りの場所で無料で使えるのは便利です。
自治体がもうける相談所のメリットとして、営利目的ではないアドバイスをしてくれるという点があります。反面、デメリットとして「税理士のように本格的な節税対策は教えてくれない」という点が指摘できるでしょう。


税務署
税金のルールを最終的に決めるのは税務署です。税理士や役所の相談窓口で何と言われようと、税務署がOKといったらOK、ダメといったらダメです。
そのため、難しい問題で迷ったら税務署に相談するべきです。税務署では電話相談も無料・匿名で受け付けているので、いきなり窓口に行くのは緊張する、という人は電話相談をするといいでしょう。
また「窓口に行きたいが、知り合いに遭ったり、税務署職員が知り合いだったりしたらイヤだ」ということもあるでしょう。その場合は、あえて遠方に行くという方法もあります。
通常の窓口ではなく「無料相談の会場」なら、管轄は関係ありません。時期は限られますが、知り合いに遭いたくない場合は使える方法です。
その他の方法としては、マスクや帽子メガネなどで顔を隠していく方法もあります。特に滞納の話など、知り合いに聞かれたくないという事情は税務署側もわかっていますので、このような「変装」にはある程度の配慮をしてくれます。
銀行・金融機関
日頃から不動産の関係で銀行・金融機関と付き合いが深い場合、そこの担当者に相談してみるといいでしょう。銀行マンは税務の専門家ではありませんが、金融の専門家ではあります。
そして、付き合いが深くてあなたの土地やその他の投資・経営の状況をよく知っていれば、その情報を生かして有益なアドバイスをしてくれる可能性もあるでしょう。
もちろん「普通に口座を持っているだけ」では、このような相談には乗ってもらえません。あくまで投資などを通じて深い付き合いがある場合のみとなります。
不動産業者
不動産業者は、土地売買に限らず不動産全般の相談を無料で受け付けているところが多くあります。税理士と違い、彼らは不動産自体の専門家であるため、「利益を出すことと節税のバランス」などは、税理士より詳しいことが多いものです。
もちろん「節税とかは意識していない」「納税のルールを正しく理解して、間違いがないようにしたいだけ」という場合は、税理士に相談した方がいいでしょう。不動産会社に相談すべき場面は「できるだけ土地売買で利益を出したい」「そして節税もしたい」というようなケースです。
土地を売ると税金はどうなる?
土地の売買の相談で特に多い内容として「売ると税金はどうなるのか」というものがあります。この点を簡単にまとめると、下の通りです。
以下、それぞれ詳しく説明していきます。
利益が出たら譲渡所得税・住民税がかかる
税金は「儲けたお金」に対してかかります。このため土地の売却でも「利益が出たら」支払うことになります。
土地の売却でかかる税金は、主に下の2つです。
- 譲渡所得税(いわゆる所得税)
- 住民税
譲渡所得税の中には、2038年まで復興特別所得税(復興税)が入ります。
取得費があるので、利益が出ないことも多い
取得費とは「土地を買ったときの値段」です。土地の値段が、買ったときより売るときの方が値上がりしていれば利益が出ます。
しかし、値下がりすることもあるでしょう。また、「ほとんど変わらない」という場合も多いかと思います。
地価が変わらない場合、利益は出ない
もし値段が変わらなかった場合、売っても利益が出ることはほぼありません。「プラマイゼロ」というだけではなく「売却にかかったコスト」があるためです。
- 不動産会社に払う仲介手数料
- 交通費・郵送代などの諸経費
これらを計算すると、売却にかかったコスト(譲渡費用)だけで、数十万円程度になることもあります。このため、土地を売っても「むしろ赤字」になり、税金がかからないことも多いのです。


登録免許税・印紙税は必ずかかる
譲渡所得税や住民税は、利益がでなければかかりません。しかし、利益が出ても出なくても、登録免許税と印紙税は必ずかかります。
- 登録免許税…登記の手数料。法務局に払う
- 印紙税…売買契約書に入る収入印紙の代金
印紙税は高く数万円なので、大した負担ではありません。それより大きなのが登録免許税で、土地の売買の場合は2%です。
例えば2000万円の土地を売却したら、登録免許税は40万円かかります。これを買主が負担するか売主が負担するかは、契約次第です。
- 法律的なルールはない
- 一般的には買主が全額負担
- まれに「折半」することもある


このような土地の売買でかかる税金については、下の記事でも詳しく解説しています。「収益物件の売却」がテーマですが、税金についても詳細にまとめています。興味がある方は、こちらも参考にしてみてください。
農地売買の相談
農地の売買は特殊なルールが絡むため、専門家への相談が特に必要になります。ここでは、農地の種類や売買に関わるアクション別に、どんな場所に相談すべきか、特に重要なポイントは何かを解説していきます。
以下、それぞれ詳しく説明します。
田んぼ・畑を売る
田んぼや畑などの耕作地を売る方法は、下の2通りです。
- 田畑のまま売る
- 宅地に転用して売る
宅地転用については、後ほど説明します。田畑のまま売る方法ですが、これは「農家・農業生産法人」が相手でなければ売れません。
そして、これらの法人も個人の農家も、もう「土地は十分」というケースがほとんどです。そのため、大抵は「宅地転用して売る」ことになります。
こうした売却の方法も含め、田んぼ・畑の売却についての詳細は下の記事をご覧ください。
果樹園・山林を売る
農地の中でも、果樹園のように「樹木がたくさん生えている」土地もあるでしょう。樹木が厄介なのは伐採に加えて「伐根」の作業が大変だからです。
切るのも大変ですが「根を抜く」のはさらに大変です。この手間がかかるため、土地改良費が田畑よりも高くなることを覚悟する必要があります。
また、同じように樹木が生えている山林ですが、これは扱っていない業者が多いものです。山林をどのように売却するかについては、下の記事を参考にして、相談先を探していただけたらと思います。
宅地に転用する
農地の売却でもっとも多いパターンは「宅地に転用して売る」というものです。先に書いた通り「農地のまま」ではあまり需要がないためです。
宅地に転用できるかどうかは、その農地がどんな区域にあるかによります。市街化区域なら「市街化=開発を促進する地域」なので、宅地に転用しやすいものです。
しかし、逆に「市街化調整区域」だと「開発を抑制する地域」なので、宅地への転用が難しくなります。
このため、役所や不動産会社など多くの場所に相談する必要があります。農地転用の詳細については、下の記事をご覧ください。
農地の税金控除を適用する
農地を売った(あるいは売りたい)が、税金の控除が適用できるか知りたい―。という相談をしたい方も多いでしょう。農地の売却では「800万円控除」というルールがあります。
- 利益から800万円が差し引かれる
- 少額になった利益に対して税金がかかる
- そのため税金が安くなる
上記のような仕組みです。この800万円控除も含めて、農地売却でかかる税金の詳細は、下の記事をご覧ください。
宅建協会へのクレームはどこにつければいい?
土地売買に関して、業者の態度が悪い、あるいは商売の手口が不正であると感じたときは、宅建協会にクレームを付けることができます。また、宅建協会以外の場所にも相談できます。
宅建協会も含め、クレームを付けられる場所を一覧にすると下の通りです。
それぞれ、どんな内容で連絡できるかを解説します。
宅建協会(苦情解決窓口)
宅建協会は各都道府県西部を持っています。そして、どの支部でも「苦情解決窓口」があります。
受付時間は平日の午前9時~午後5時で、電話による無料相談ができます。もちろん、住所も公開されているので、郵送での相談も可能です。しかし、やり取りの時間を考えると、電話の方がいいでしょう。
宅建協会は業者側なので頼りにならない?
あくまで一部の方の体験談ですが「宅建協会は業者の団体なので、厳しい処分はしてくれない」という口コミがあります。事実かどうかはわかりませんが、宅建協会自体も信用を損ねたら大変です。
いくら仲間であっても「自分たちの評判まで落とす業者」は、いわゆる「トカゲの尻尾切り」をしたいはずです。もちろん、これは「仲間でも適正に処分してくれる」ということで、いい意味で使っています。
そのため、宅建協会へのクレームはある程度の効果があるといえるでしょう。まずは一度、苦情窓口に連絡してみてください。
国民生活センター
売買代金や仲介手数料の支払い、虚偽広告など「ビジネスとして明らかに問題がある」というときは、国民生活センターに通報できます。国民生活センターは不動産だけでなく、あらゆるジャンルで「問題のある業者」に対応してくれるためです。
ただ、相談内容によっては国民生活センターの方で「却下」と判断するかもしれません。しかし、客観的に見て「明らかにひどい」という内容なら、何らかの警告などをしてくれるでしょう。
不動産適正取引推進機構
土地の売買の仲介で不正があったと感じられるときなどは、不動産適正取引推進機構にクレームを伝えるのが効果的です。ここまでひどい業者はなかなかいないかもしれませんが、稀にいた場合はこちらに通報しましょう。
不正な取引も含め、不動産関連の詐欺については下の記事をご覧ください。
都道府県(住宅課・建築課)
どの都道府県の役所でも、下のような不動産関連の課があります。
- 住宅課
- 建築課
- 宅地課
- 不動産業課
- 宅地開発課
呼び方はそれぞれですが、こうした部署は必ずあります。宅建協会の対応がいまいちだった場合は、これらの部署にクレームを伝えるといいでしょう。
まとめ
以上、土地売買での相談について解説してきました。最後にポイントをまとめると、下のようになります。
- 税金なら税理士、権利なら司法書士と、それぞれの専門家に相談する
- ほとんどの専門家は初回相談が無料
- 自治体や宅建業界にも、無料相談窓口がある
- 特殊な物件は、それが得意な不動産会社に相談
- 業者のクレームは宅建協会・国民生活センターなどに
土地を含め不動産の売買には、素人が知らない独自のルールが多くあるもの。特に税金に関しては「思わぬ形で高額の税金がかかってしまう」など、知識不足でのトラブルも起こりがちです。こうしたトラブルを防ぎ、より有利な形で売買を進めるためにも、ぜひ信頼できる専門家に相談するようにして下さい。